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第二部
討伐クエスト
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「だけど、私が受けられるのって、若葉マークのクエストだけだよ?」
うろ覚えだけど、そうだったはず。ギルドランクの高そうなこのお兄さんと一緒に受けるって、できるの?
私は疑問をクラウディオにぶつけた。
「できるよ。パーティを組めば、パーティの中で最もギルドランクの高いメンバーと同じクエストを受けられる。普通はメンバーの平均くらいのクエストを受けることが多いけどね。クエストのランクはあくまで目安でしかないからな」
クラウディオが口を開くよりも先に、ヴィットーレが説明してしまう。
もう、強引だなぁ、この人。
「私はギルドランクが星四つだから、クエストは選び放題だぞ?」
「と、言われてもさすがに星四つは無理じゃない?」
「ルチアが、受けるなら、星二つまでに、しておけ」
やっぱりそんなものだよね。
「んーと、星二つのクエストは……」
クラウディオが無言で私を持ち上げて、掲示板を見せてくれる。
流石師匠ですね。
「これなんかはどうだ?」
ヴィットーレが指したのは、魔物退治らしかった。
まあ、そういうクエストじゃないと、一緒に戦ってみるという目的は達成できないよね。
「いいんじゃ、ないか?」
「じゃあ、これにする」
私は掲示板からクエストの張り紙をはがした。
「少し待て。先にパーティ登録をしておこう」
クラウディオに下ろしてもらって、ギルドの窓口に行こうとしてヴィットーレに呼び止められた。
おお、忘れてた。
三人で窓口の近くにある魔道具に近づく。
「ギルドカードを出せ」
私は腰の物入れを探って、ギルドカードを取り出した。
クラウディオもヴィットーレも首元を探ってカードを取り出している。
ギルドカードを魔道具にかざすと、一瞬カードが光った。
パーティのメンバーの名前が、カードの隅っこに刻まれていた。
クラウディオ、ヴィットーレ、ルチア。おお、パーティだ。
「よし、いいぞ」
許可が出たので、私は張り紙をもって窓口に向かった。今日は窓口がいつもよりすいていて、すぐに私の順番が来た。
「岩鳥の討伐クエストですね。討伐証明として、尾羽を持ち帰ってください」
討伐したことを証明するために倒した魔物の一部を持ち帰らないといけないらしい。
「お気をつけて」
「はーい」
私はギルドカードを返してもらって、クエストを受注した。
「さあ行こう。すぐに行こう」
ヴィットーレが私の背中を押して、すぐにもクエストに出発したそうだ。
「まて、お前は、いいかも、しれないが、ルチアには、準備が、必要だ」
「うん」
やっぱり事前調査は大事だよね。
岩鳥がどこにいるのかとか、そこからわからないんだもん。
早速図鑑を開いて、岩鳥の生態を調べる。
その名の通り、岩場に住む鳥らしい。なになに、弱点は風魔法って、そういうことか。
きっとクラウディオはそういうことも考慮に入れて、クエストを選んでくれたのだろう。
ちょっと待って、この魔物、毒攻撃とかしてくるの!?
「クラウディオ、これ毒攻撃ってあるけど」
「ああ、毒霧を吐く。薬草を、口に、当てておけば、大丈夫だ」
「私が持っているぞ」
ヴィットーレが満々の笑みで葉っぱを差し出してきた。
この人、いやに準備がいいな。
「このシレアの葉をバンダナに挟んで、口と鼻を塞いでおけば毒霧は防げる」
「ほほう」
私はありがたくヴィットーレからシレアの葉を受け取った。
「じゃあ、パーティを組んだことだし、改めて自己紹介するね。ルチアです。マリーニ山脈の近くの村出身で、十五歳。魔法使いです」
十五歳と言ったところで、ヴィットーレの目が大きく見開かれる。
うん、見えないって言いたいんでしょう。知ってるよ。
「クラウディオ、二十五歳。ギルドランクは、星三つ。ザナルディ、出身だ。戦士を、している」
クラウディオが隣の国の出身だというのは知らなかった。
どうして隣の国のこんなところまで、クラウディオがやってきたのか気になるけれど、互いの素性はあまり詮索しないのが冒険者の間では常識らしい。
「私の名はヴィットーレ。長いのでヴィートと呼んでくれ。年齢は二十五歳、見てのとおり騎士だ。サデーロから来た」
サデーロって確か王都だよね。ラウル叔父さんが住んでいるところだ。
ギルドランクが若葉から卒業したら行ってみたいなあと、思っている。
「クエストの報酬は等分でいいな?」
「うん」
「それでいい」
ヴィットーレ改め、ヴィートの提案に私とクラウディオはうなずいた。
そんなわけで私たち三人は、岩鳥の討伐依頼をこなすべく、ヴェルディの街を旅立った。
そもそも討伐依頼を出したのはセッキの村という所らしい。
歩いて一時間ほどの場所にある村に向かう途中、ヴィートが依頼の内容を説明してくれた。
岩山から切り出した岩を、建材として販売するのがッキの村の主な産業となっていて、近くに岩鳥が住み着いてしまい、毒霧を吐くために岩山に近づけなくて仕事にならないと、ギルドに討伐を依頼したそうだ。
「困っている人を助けるのも大事な冒険者の仕事だ」
ヴィートの言い分も正しいとは思うけど、実際のところ私にはそんな余裕はない。
ドラゴンの姿ならばともかく、今の私ではちょっと苦戦しそうな予感がしていた。
うろ覚えだけど、そうだったはず。ギルドランクの高そうなこのお兄さんと一緒に受けるって、できるの?
私は疑問をクラウディオにぶつけた。
「できるよ。パーティを組めば、パーティの中で最もギルドランクの高いメンバーと同じクエストを受けられる。普通はメンバーの平均くらいのクエストを受けることが多いけどね。クエストのランクはあくまで目安でしかないからな」
クラウディオが口を開くよりも先に、ヴィットーレが説明してしまう。
もう、強引だなぁ、この人。
「私はギルドランクが星四つだから、クエストは選び放題だぞ?」
「と、言われてもさすがに星四つは無理じゃない?」
「ルチアが、受けるなら、星二つまでに、しておけ」
やっぱりそんなものだよね。
「んーと、星二つのクエストは……」
クラウディオが無言で私を持ち上げて、掲示板を見せてくれる。
流石師匠ですね。
「これなんかはどうだ?」
ヴィットーレが指したのは、魔物退治らしかった。
まあ、そういうクエストじゃないと、一緒に戦ってみるという目的は達成できないよね。
「いいんじゃ、ないか?」
「じゃあ、これにする」
私は掲示板からクエストの張り紙をはがした。
「少し待て。先にパーティ登録をしておこう」
クラウディオに下ろしてもらって、ギルドの窓口に行こうとしてヴィットーレに呼び止められた。
おお、忘れてた。
三人で窓口の近くにある魔道具に近づく。
「ギルドカードを出せ」
私は腰の物入れを探って、ギルドカードを取り出した。
クラウディオもヴィットーレも首元を探ってカードを取り出している。
ギルドカードを魔道具にかざすと、一瞬カードが光った。
パーティのメンバーの名前が、カードの隅っこに刻まれていた。
クラウディオ、ヴィットーレ、ルチア。おお、パーティだ。
「よし、いいぞ」
許可が出たので、私は張り紙をもって窓口に向かった。今日は窓口がいつもよりすいていて、すぐに私の順番が来た。
「岩鳥の討伐クエストですね。討伐証明として、尾羽を持ち帰ってください」
討伐したことを証明するために倒した魔物の一部を持ち帰らないといけないらしい。
「お気をつけて」
「はーい」
私はギルドカードを返してもらって、クエストを受注した。
「さあ行こう。すぐに行こう」
ヴィットーレが私の背中を押して、すぐにもクエストに出発したそうだ。
「まて、お前は、いいかも、しれないが、ルチアには、準備が、必要だ」
「うん」
やっぱり事前調査は大事だよね。
岩鳥がどこにいるのかとか、そこからわからないんだもん。
早速図鑑を開いて、岩鳥の生態を調べる。
その名の通り、岩場に住む鳥らしい。なになに、弱点は風魔法って、そういうことか。
きっとクラウディオはそういうことも考慮に入れて、クエストを選んでくれたのだろう。
ちょっと待って、この魔物、毒攻撃とかしてくるの!?
「クラウディオ、これ毒攻撃ってあるけど」
「ああ、毒霧を吐く。薬草を、口に、当てておけば、大丈夫だ」
「私が持っているぞ」
ヴィットーレが満々の笑みで葉っぱを差し出してきた。
この人、いやに準備がいいな。
「このシレアの葉をバンダナに挟んで、口と鼻を塞いでおけば毒霧は防げる」
「ほほう」
私はありがたくヴィットーレからシレアの葉を受け取った。
「じゃあ、パーティを組んだことだし、改めて自己紹介するね。ルチアです。マリーニ山脈の近くの村出身で、十五歳。魔法使いです」
十五歳と言ったところで、ヴィットーレの目が大きく見開かれる。
うん、見えないって言いたいんでしょう。知ってるよ。
「クラウディオ、二十五歳。ギルドランクは、星三つ。ザナルディ、出身だ。戦士を、している」
クラウディオが隣の国の出身だというのは知らなかった。
どうして隣の国のこんなところまで、クラウディオがやってきたのか気になるけれど、互いの素性はあまり詮索しないのが冒険者の間では常識らしい。
「私の名はヴィットーレ。長いのでヴィートと呼んでくれ。年齢は二十五歳、見てのとおり騎士だ。サデーロから来た」
サデーロって確か王都だよね。ラウル叔父さんが住んでいるところだ。
ギルドランクが若葉から卒業したら行ってみたいなあと、思っている。
「クエストの報酬は等分でいいな?」
「うん」
「それでいい」
ヴィットーレ改め、ヴィートの提案に私とクラウディオはうなずいた。
そんなわけで私たち三人は、岩鳥の討伐依頼をこなすべく、ヴェルディの街を旅立った。
そもそも討伐依頼を出したのはセッキの村という所らしい。
歩いて一時間ほどの場所にある村に向かう途中、ヴィートが依頼の内容を説明してくれた。
岩山から切り出した岩を、建材として販売するのがッキの村の主な産業となっていて、近くに岩鳥が住み着いてしまい、毒霧を吐くために岩山に近づけなくて仕事にならないと、ギルドに討伐を依頼したそうだ。
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