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第三部
冒険者都市コルシニ
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目が覚めたら、なぜかいつも通りクラウディオに背中から抱っこされていた。
「おはよう」
クラウディオの低い声が私の耳に響く。
「な、なんでぇ?」
私は目をこすりながら起き上がる。
「明け方、寝ようと、思ったんだが、寝場所が、なかった」
あー、ルフィに寝床を譲っちゃったのはいいけど、ヴィートが起きてくれなかったと。まあ温かかったからいいけどさ……。
クラウディオがテントを出ていったあとで、私は着替えてテントを片づける。
ヴィートが起きて朝食の準備をしていた。
「おはよう。ルフィは?」
「クラウディオが起こしてる」
昨日よりはかなりましな顔でルフィが起きてきた。
「はよ~」
「おはよう」
みんなが軽く朝ごはんを食べている間、私はいつものように果物をかじる。
「お前、そんなんで足りるのか?」
ヴィートが作った炙ったベーコンをはさんだパンを口にしつつ、ルフィが聞いてくる。
「平気だよ~。私竜人だし」
「はあっ?」
ルフィは口を大きく開けている。
「ルチアはいつも、果物ばかりだな」
「そうなのか~。まあ、お前がいいならいいけどさぁ」
この人、口は悪いけどいい人っぽい。
「近くに、人がいた、痕跡は、なかった」
付近でルフィのパーティメンバーを探していたクラウディオが合流してきた。
「そっか……」
ルフィは見るからにしょんぼりとしている。きっとパーティの仲間が自分を探してくれていると思ったんだろうな。
「じゃあ、そろそろ行こうか」
そんなわけで、私たちはコルシニに向けてキャンプを出発した。
「お前は無理しないで、ついてくればいい」
そう声をかけたヴィートに、クラウディオもうなずく。
「パーティ登録も、してないし、無理に、戦う必要は、ない」
「すまない。そうしてもらえると助かる」
ルフィはとても申し訳なさそうな表情で、私たちに向かって頭を下げた。
そんな話をしていると、さっそく魔物のご登場だ。
「大猪だ!」
ルフィが大声で叫んだ。
あの魔物が、ルフィたちが負けちゃった相手かぁ。気を付けてかからないと。
「燃やしちゃっていい?」
「大猪の毛皮は炎に耐性がある。ダメだ!」
フレイムウォールを使おうと思ってたけど、ヴィートのアドバイスに従って、使う魔法を変えよう。
「りょうかーい!」
クラウディオの攻撃タイミングを見計らって、新しい魔法を使ってみる。
青藍、アイスランス!
地面から氷の槍が何本か突き出て、大猪の無防備な腹部を貫く。
大猪はぶひぃとブタみたいな悲鳴を上げた。
身体を貫かれ、ほとんど身動きのできなくなった大猪は、クラウディオの攻撃に命を刈り取られていく。
ほとんど防御の必要がないと見て取ったヴィートも、攻撃に加わる。
「……すげえ」
ほとんど役割を終えてしまった私が声に振り向くと、戦う様子をうしろで見ていたルフィの口は、顎が外れそうに大きく開いていた。
私が魔物に視線を戻すと、大猪の命は尽きていた。
「大猪の討伐証明部位はどこだ?」
ヴィートに問われたルフィは、はっとして自分が呼ばれていたことに気づく。
「耳か尻尾だよ。ああ保存魔法のかかった魔道具さえ持ってればなぁ……。毛皮もいい値で売れるし、肉も食べられるのに……」
地面に倒れ伏した大猪の死骸を前に、ルフィはとても残念そうに、うなった。
大猪を貫いていた氷の槍はすでに消えていて、跡形もない。
「俺は、いつも、面倒だから、そこまで、解体、したことが、ない」
「私も討伐証明部位くらいしか採集しないな……」
以前に、二人は私に素材採集には技術がいるって教えてくれたことを思い出す。
「ええぇ! すげえもったいないよ、それ」
「魔道具は、持って、いないことも、ない」
「ええっ、まじ? じゃあ、俺が解体してもいいか?」
「え? ルフィは剥ぎ取りとかできるの?」
「ああ、得意だぜ? ナイフさえあればって、ありがと」
クラウディオが差し出したサバイバルナイフほどの大きさの採集ナイフを受け取って、ルフィは喜々として大猪を解体し始めた。
ルフィはあっという間に死骸を綺麗に毛皮と肉に分け、魔石も見つけ出してくれた。
「ほらよ」
ルフィは血抜きの終わった肉を、大きな葉でくるんでクラウディオに手渡した。
クラウディオは受け取った肉の塊を、そのまま私に差し出してきた。
「ルチア、頼む」
「はーい」
持ってるって、私の魔改造麻袋のことだったのね。
間違ってはいないので、肉を受け取って袋に突っ込む。
「皮はもう少し加工したほうが高く売れるけど、このままでもそれなりに値段がつくはずだ」
私は黙って毛皮も受け取って、麻袋にしまった。
「ギルドで換金したら、分けようね」
「俺はいい。少しでも助けてもらった礼になればと、思ってさ」
ついでに討伐証明の耳も麻袋に突っ込む。
「よーし、この調子でどんどん行こう!」
そのあとは二体の大猪を狩ったところで、私たちはけがを負うこともなく無事コルシニの街に到着した。
私たちが到着したのは夕方近くだったけれど、人通りがとても多い。
行き交う人の姿の中には獣人らしき人もいて、私のテンションは知らず知らずのうちに上がる。
ヴェルディの街は森の中の街という印象だったけど、コルシニは建物ばかりで、緑が多いという感じはしない。夜になっても門が閉まることはなくて、夜も冒険者が出入りをしているそうだ。
「とりあえず、ギルドにいくぞ」
街を見物したい気持ちもあるけれど、ルフィのパーティメンバーを探す方が先だ。
私はきょろきょろと街の様子を見回しつつ、ルフィの案内でギルドに向かった。
「おはよう」
クラウディオの低い声が私の耳に響く。
「な、なんでぇ?」
私は目をこすりながら起き上がる。
「明け方、寝ようと、思ったんだが、寝場所が、なかった」
あー、ルフィに寝床を譲っちゃったのはいいけど、ヴィートが起きてくれなかったと。まあ温かかったからいいけどさ……。
クラウディオがテントを出ていったあとで、私は着替えてテントを片づける。
ヴィートが起きて朝食の準備をしていた。
「おはよう。ルフィは?」
「クラウディオが起こしてる」
昨日よりはかなりましな顔でルフィが起きてきた。
「はよ~」
「おはよう」
みんなが軽く朝ごはんを食べている間、私はいつものように果物をかじる。
「お前、そんなんで足りるのか?」
ヴィートが作った炙ったベーコンをはさんだパンを口にしつつ、ルフィが聞いてくる。
「平気だよ~。私竜人だし」
「はあっ?」
ルフィは口を大きく開けている。
「ルチアはいつも、果物ばかりだな」
「そうなのか~。まあ、お前がいいならいいけどさぁ」
この人、口は悪いけどいい人っぽい。
「近くに、人がいた、痕跡は、なかった」
付近でルフィのパーティメンバーを探していたクラウディオが合流してきた。
「そっか……」
ルフィは見るからにしょんぼりとしている。きっとパーティの仲間が自分を探してくれていると思ったんだろうな。
「じゃあ、そろそろ行こうか」
そんなわけで、私たちはコルシニに向けてキャンプを出発した。
「お前は無理しないで、ついてくればいい」
そう声をかけたヴィートに、クラウディオもうなずく。
「パーティ登録も、してないし、無理に、戦う必要は、ない」
「すまない。そうしてもらえると助かる」
ルフィはとても申し訳なさそうな表情で、私たちに向かって頭を下げた。
そんな話をしていると、さっそく魔物のご登場だ。
「大猪だ!」
ルフィが大声で叫んだ。
あの魔物が、ルフィたちが負けちゃった相手かぁ。気を付けてかからないと。
「燃やしちゃっていい?」
「大猪の毛皮は炎に耐性がある。ダメだ!」
フレイムウォールを使おうと思ってたけど、ヴィートのアドバイスに従って、使う魔法を変えよう。
「りょうかーい!」
クラウディオの攻撃タイミングを見計らって、新しい魔法を使ってみる。
青藍、アイスランス!
地面から氷の槍が何本か突き出て、大猪の無防備な腹部を貫く。
大猪はぶひぃとブタみたいな悲鳴を上げた。
身体を貫かれ、ほとんど身動きのできなくなった大猪は、クラウディオの攻撃に命を刈り取られていく。
ほとんど防御の必要がないと見て取ったヴィートも、攻撃に加わる。
「……すげえ」
ほとんど役割を終えてしまった私が声に振り向くと、戦う様子をうしろで見ていたルフィの口は、顎が外れそうに大きく開いていた。
私が魔物に視線を戻すと、大猪の命は尽きていた。
「大猪の討伐証明部位はどこだ?」
ヴィートに問われたルフィは、はっとして自分が呼ばれていたことに気づく。
「耳か尻尾だよ。ああ保存魔法のかかった魔道具さえ持ってればなぁ……。毛皮もいい値で売れるし、肉も食べられるのに……」
地面に倒れ伏した大猪の死骸を前に、ルフィはとても残念そうに、うなった。
大猪を貫いていた氷の槍はすでに消えていて、跡形もない。
「俺は、いつも、面倒だから、そこまで、解体、したことが、ない」
「私も討伐証明部位くらいしか採集しないな……」
以前に、二人は私に素材採集には技術がいるって教えてくれたことを思い出す。
「ええぇ! すげえもったいないよ、それ」
「魔道具は、持って、いないことも、ない」
「ええっ、まじ? じゃあ、俺が解体してもいいか?」
「え? ルフィは剥ぎ取りとかできるの?」
「ああ、得意だぜ? ナイフさえあればって、ありがと」
クラウディオが差し出したサバイバルナイフほどの大きさの採集ナイフを受け取って、ルフィは喜々として大猪を解体し始めた。
ルフィはあっという間に死骸を綺麗に毛皮と肉に分け、魔石も見つけ出してくれた。
「ほらよ」
ルフィは血抜きの終わった肉を、大きな葉でくるんでクラウディオに手渡した。
クラウディオは受け取った肉の塊を、そのまま私に差し出してきた。
「ルチア、頼む」
「はーい」
持ってるって、私の魔改造麻袋のことだったのね。
間違ってはいないので、肉を受け取って袋に突っ込む。
「皮はもう少し加工したほうが高く売れるけど、このままでもそれなりに値段がつくはずだ」
私は黙って毛皮も受け取って、麻袋にしまった。
「ギルドで換金したら、分けようね」
「俺はいい。少しでも助けてもらった礼になればと、思ってさ」
ついでに討伐証明の耳も麻袋に突っ込む。
「よーし、この調子でどんどん行こう!」
そのあとは二体の大猪を狩ったところで、私たちはけがを負うこともなく無事コルシニの街に到着した。
私たちが到着したのは夕方近くだったけれど、人通りがとても多い。
行き交う人の姿の中には獣人らしき人もいて、私のテンションは知らず知らずのうちに上がる。
ヴェルディの街は森の中の街という印象だったけど、コルシニは建物ばかりで、緑が多いという感じはしない。夜になっても門が閉まることはなくて、夜も冒険者が出入りをしているそうだ。
「とりあえず、ギルドにいくぞ」
街を見物したい気持ちもあるけれど、ルフィのパーティメンバーを探す方が先だ。
私はきょろきょろと街の様子を見回しつつ、ルフィの案内でギルドに向かった。
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