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数人の子供と言葉を使い分けて対応するユーリに感心の目を向けられる。
子供達と話を終えたユーリは大地がいる席に戻ってくる。
「ユーリは何ヶ国も言葉を覚えているのだね」
「ん? そう? 普通に話をしただけなのだけど?」
無自覚に話をしていたと言う事なのだろう。
大地はユーリが異世界から着ている事を知っているので、深くは聞かない様にしている。
まぁ何らかのスキルがあるのだろうと思うぐらいである。
「さすがだね。疲れただろう? 何か飲む?」
「そうね。何かいただくわ」
近くに通った使用人に声をかけて飲み物を貰い飲み始める。
ふと料理が並んでいる方向に目を向けると、美味しそうなデザートが並べられている。
色取り取りな色をしたデザートを食べようと席を外すユーリ。
高級なだけあってユーリも見たことの無い様な物が多数あって、何を取るか悩んでいる。その姿は立派な女性に見える程自然体である。
デザート選びに満足したユーリは席に戻ろうと通った場所戻ろうとすると、席に座っている初老の男性が咳をして苦しそうにしている。
気になったユーリは男性に近づく。
「大丈夫ですか?」
少しでも楽になる様にと背中を擦る。
「すまないね。こんな綺麗なお嬢さんに心配をかけるなんて……」
「気にしないでください。苦しいならお部屋に行きますか?」
「少し経てば治まるのでお気遣いなく」
「そうですか? 無理はなさらない様に……」
席を立とうとすると先ほどの少女、ドロシーが駆け寄ってくる。
「お父様……。大丈夫ですか? 私が無理を言ったばかりに……」
二人が並ぶと親子だなとわかる程に似ている。
「ドロシーのお父様だったのですね。ドロシーお父様は何処か悪いのかしら?」
「はい……。頭の中に悪い病気があるのですが、手術が出来ない程らしくて、それなのに私はこのパーティーに参加したいと無理を言ってしまい」
悲しげな顔をして俯くドロシー。
多分父親との思い出を作りたくて参加したのであろう。
それが父親に負荷をかけてしまい調子を崩したのであろう。
「それならもっと楽しまないと、せっかく連れて来てもらったのにドロシーがそんな顔をしていると、お父様が悲しいわよ?」
「あぁ、そうだよ。ドロシー悲しまないでおくれ? 私は大丈夫だから……」
とても苦しいのか額から汗がにじんでいるが、それでも娘に悟られない様に笑顔を作る。
「ドロシー? 貴方の父上とお話がしたいわ。少し席を外してもらっても?」
「わかりました」
といって席を外してくれるが、それでも調子を崩した父親が気になるのだろう。
チラチラと何度も振り返っている。
「愛されているのですね」
「私が父親で不甲斐無いばかりだよ。病気が発覚してからと言うものあの子に構ってあげられなくてね。そんな娘が、初めてわがまま言って嬉しかったよ。最後に神様が私に慈悲をくれたのだろう。もう私は長くないと分かっているからね」
「そうね…… 神様ね。ふふ」
「何か私は面白い事でも言ったのだろうか?」
首を傾げながらユーリを見る。
ユーリは人であって人であらず。
ドロシーの思いが通じて、この巡り合わせだと思うと可笑しくて仕方が無かったようだ。
「ごめんなさいね」
そういうとテーブルの上に透明な小さな小瓶を置く。
「これは?」
驚くのも無理はない。
小瓶に入っている液体の透明度が異常である。
近くで見ても良く見ないと中に液体が入っているかどうわからないほどである。
「これは万病に効く薬ですよ? 我が国の薬剤と言えばいいでしょうか? 飲むか飲まないかは貴方次第です」
ユーリが出したのはアリスがいるエルフの村でとれた千年樹の雫である。
だがそれは、この世界では異質な物あることが見てわかる。
これ程までの透明度の液体など口に含むことすら躊躇してしまう。
だがドロシーの父親は現代医術で治すことが出来ないと言われているので、ユーリが出した物に興味は持っている。
ユーリが自信満々に出したと言う事も含まれている。もし治る可能性があるのなら娘のために直したいと思っている。
しばらくビンを手に持ち眺めて、ビンの蓋に手をかける。
「あっ、飲むのなら部屋に戻ってからの方がいいですよ?」
言葉の意味が分からないが、ドロシーの父親は軽く頷いて席を立つ。
それを見たドロシーも後を追うように部屋でる。
子供達と話を終えたユーリは大地がいる席に戻ってくる。
「ユーリは何ヶ国も言葉を覚えているのだね」
「ん? そう? 普通に話をしただけなのだけど?」
無自覚に話をしていたと言う事なのだろう。
大地はユーリが異世界から着ている事を知っているので、深くは聞かない様にしている。
まぁ何らかのスキルがあるのだろうと思うぐらいである。
「さすがだね。疲れただろう? 何か飲む?」
「そうね。何かいただくわ」
近くに通った使用人に声をかけて飲み物を貰い飲み始める。
ふと料理が並んでいる方向に目を向けると、美味しそうなデザートが並べられている。
色取り取りな色をしたデザートを食べようと席を外すユーリ。
高級なだけあってユーリも見たことの無い様な物が多数あって、何を取るか悩んでいる。その姿は立派な女性に見える程自然体である。
デザート選びに満足したユーリは席に戻ろうと通った場所戻ろうとすると、席に座っている初老の男性が咳をして苦しそうにしている。
気になったユーリは男性に近づく。
「大丈夫ですか?」
少しでも楽になる様にと背中を擦る。
「すまないね。こんな綺麗なお嬢さんに心配をかけるなんて……」
「気にしないでください。苦しいならお部屋に行きますか?」
「少し経てば治まるのでお気遣いなく」
「そうですか? 無理はなさらない様に……」
席を立とうとすると先ほどの少女、ドロシーが駆け寄ってくる。
「お父様……。大丈夫ですか? 私が無理を言ったばかりに……」
二人が並ぶと親子だなとわかる程に似ている。
「ドロシーのお父様だったのですね。ドロシーお父様は何処か悪いのかしら?」
「はい……。頭の中に悪い病気があるのですが、手術が出来ない程らしくて、それなのに私はこのパーティーに参加したいと無理を言ってしまい」
悲しげな顔をして俯くドロシー。
多分父親との思い出を作りたくて参加したのであろう。
それが父親に負荷をかけてしまい調子を崩したのであろう。
「それならもっと楽しまないと、せっかく連れて来てもらったのにドロシーがそんな顔をしていると、お父様が悲しいわよ?」
「あぁ、そうだよ。ドロシー悲しまないでおくれ? 私は大丈夫だから……」
とても苦しいのか額から汗がにじんでいるが、それでも娘に悟られない様に笑顔を作る。
「ドロシー? 貴方の父上とお話がしたいわ。少し席を外してもらっても?」
「わかりました」
といって席を外してくれるが、それでも調子を崩した父親が気になるのだろう。
チラチラと何度も振り返っている。
「愛されているのですね」
「私が父親で不甲斐無いばかりだよ。病気が発覚してからと言うものあの子に構ってあげられなくてね。そんな娘が、初めてわがまま言って嬉しかったよ。最後に神様が私に慈悲をくれたのだろう。もう私は長くないと分かっているからね」
「そうね…… 神様ね。ふふ」
「何か私は面白い事でも言ったのだろうか?」
首を傾げながらユーリを見る。
ユーリは人であって人であらず。
ドロシーの思いが通じて、この巡り合わせだと思うと可笑しくて仕方が無かったようだ。
「ごめんなさいね」
そういうとテーブルの上に透明な小さな小瓶を置く。
「これは?」
驚くのも無理はない。
小瓶に入っている液体の透明度が異常である。
近くで見ても良く見ないと中に液体が入っているかどうわからないほどである。
「これは万病に効く薬ですよ? 我が国の薬剤と言えばいいでしょうか? 飲むか飲まないかは貴方次第です」
ユーリが出したのはアリスがいるエルフの村でとれた千年樹の雫である。
だがそれは、この世界では異質な物あることが見てわかる。
これ程までの透明度の液体など口に含むことすら躊躇してしまう。
だがドロシーの父親は現代医術で治すことが出来ないと言われているので、ユーリが出した物に興味は持っている。
ユーリが自信満々に出したと言う事も含まれている。もし治る可能性があるのなら娘のために直したいと思っている。
しばらくビンを手に持ち眺めて、ビンの蓋に手をかける。
「あっ、飲むのなら部屋に戻ってからの方がいいですよ?」
言葉の意味が分からないが、ドロシーの父親は軽く頷いて席を立つ。
それを見たドロシーも後を追うように部屋でる。
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