能無しクソニートの借金返済

第1話「マイナスからのスタート」

「おら！出て来いや！いるのは分かってんだ！」

　ボロボロのアパートの扉を叩きながらスーツ姿の男が2人いた。部屋の中では豚のように太った男が欠伸をしながら居留守を決め込んでいた。

「毎日のようにしつこいな、返す宛も金もねーんだよ、ヤクザってのは頭までおかしいのか？」

　しばらくすると、扉を叩く音が消え、人の気配も消えた。男はようやく帰ったと意気揚々としながら財布を持って玄関を開けた。

「今日こそ万勝ちして、ミアちゃんのところに行くーーー」

　男は後ろからスーツ姿の男に殴られ黒いバンに詰められて走り去った。

「おい、起きろデブ！」

　椅子に縛られた男は頭から水をかけられた。
　男は暴れたが身動きが取れないため、大声を上げた！

「おい！なんだよこれ！何しやがる！」

　男の周りにはスーツを着た筋骨隆々の男たちが囲っていた。それぞれ手には銃や角材、鉄バットなどを持っていた。
　男がわめき続けていると、一人の女性が前までやってきた。

「おめーが返すもの返さねぇし居留守使うからこうやって呼び出したんだろーがよ。このデブが！」

　女性は男を蹴り飛ばし縛り付けられた椅子ごと男が倒れる

「下沢聖しもさわひじり、一切働かずに借金まみれ、親は既に死亡済、酒とギャンブルと風俗通い、消費者金融にも多数借り入れして、ウチにも借金して、生産能力皆無で能無しのゴミクズクソ野郎じゃねぇか、名前負けしてるし酷い有様だぜ」

女性は男の名前を読み上げながら罵倒を始めた。
聖と呼ばれた男は顔を真っ赤にして叫んだ

「うるせぇ！俺が働けなかったのはじじいとババアと世間が悪いんだ！俺は悪くねぇよ！」

女性は聖をまるでゴミを見るような目をしながら

「まあいいわ、どうせ嫌でも働かなきゃ行けないし、連れてって処置をお願い」

近くのスーツ男に指示を出したあと、女性は聖の前から立ち去り、スーツ男は聖に目隠しをしたあと、注射をしだした。

「おい！何する！やめ－－」

聖が拒否する前に注射は打たれ、聖は全身が砕かれるような痛みに襲われた。