チートなんて簡単にあげないんだから~結局チートな突貫令嬢~

まきノ助

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第1章 アストリア王国に転生

48 マリエル騎士団の活躍!?

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 マリエルは騎士団と一緒にサンクトガレン城に【転移門】で移動してきました。

「ミミちゃん御免ね。長期滞在に成っても良いように準備をしていたので、チョット時間が掛かってしまったのです」

「いいえ、来て頂いて嬉しいです。 シュヴィーツの住民が逃げて来てますので、城壁内に受け入れたいのですが宜しいでしょうか?」

「はい、助けてあげましょう。マリエル騎士団は魔物を撃退しに、さっそく出撃いたします」


「着いて早々申し訳有りません。ゾンビが混ざってる為に兵士が手こずっているのです」

「ゾンビを倒すには首を切り落とさなければなりません。死体と言えども、脳からの指令が届かなければ体は動かないのですよ」

「マリちゃん、それは映画で見た知識だよね。この世界で通用すると良いね」

「そうだよねぇ……、ところでケンちゃんの魔力は、今どのぐらい溜まっているの?」

「しばらく平和だったから、凄く溜まっているよ。毎日ジョギングしてるから5億ぐらいだったかな」


「5億有ればゾンビを全部浄化できるかなぁ? ゾンビウイルスも消毒しないと、死んだ人が又ゾンビになっちゃうでしょう?」

「マリエル様。シュヴィーツ地方は広いですので、簡単には浄化は出来ないと思われますが……」

「ミミちゃんありがとう。
 それでは少しづつ浄化地域を広げて行って、感染地域を縮小しましょう。ゾンビの侵入を防ぐ壁を土属性魔法で作って、一時的に隔離しても良いかも知れませんね。
 とりあえずマリエル騎士団は、この城に逃げてくるシュヴィーツ地方の人達を魔物から助けましょう」

「「「はいっ」」」


 マリエル騎士団はミスリル製の武器を装備しています。
 ミスリル銀には邪悪な魂の魔物を倒す力があると言われているのでした。
 更に武器の柄の部分に魔石を嵌め込んで、マリエルにより【浄化】効果が付与されたのです。

 マリエル達はまず城壁の上から外の様子を確認しました。
 城門の前には堀があり、跳ね橋が架かっています。
 逃げてくる人達を兵士が守りながら受け入れていますが。魔物の排除に苦慮しているのが見えました。


「まずは見える範囲のゾンビを浄化しますね。【聖域】サンクチュアリ!」

 シュィイイイイインッ!
 キラキラキラキラ!

 マリエルは、光属性魔法がレベル10に成ってから覚えたスキル【聖域】サンクチュアリを始めて使ってみました。

 雲の切れ間から強い太陽光が降り注ぎ、城門前に押し寄せている魔物達を眩しく照らします。
 光の帯がゾンビを照らしていくと、ゾンビが次々と土塊つちくれに成って崩れていきました。

 ボロボロ、ゴロゴロゴロ……、


 ゾンビが全滅すると、今度は光の粒子がキラキラと中空に集結して、無数の光る剣が出現しました。
 沢山の光る剣が城門前に群がっていた魔物に降り注ぎます。
 全ての魔物を光の剣が一斉に貫いていきました。

 ザザァアアアアアッ!
 ザクッ、ズブッ、グササァアアアアアッ!

 光の剣に突き刺された魔物は、光の粒になり空に消えていきます。
 後にはドロップアイテムと魔石が転がっているだけでした。


 城壁上から眺めていたエリザが、マリエルに苦情を言います。

「マリエル御嬢様。騎士団にせめて一太刀でも活躍の場を与えて欲しかったです……その為に毎日訓練してきたのですから」


 エリシャナも続いて言います。

「マリエル御嬢様は、お伺いしていた以上に大聖女で非常識なのですね。可愛い見た目とギャップがありすぎです」

「エヘへへヘッ……」
 ガクッ、

「「御嬢様っ!!」」

 マリエルは、その場に崩れ落ちて気を失ってしまいました。


「マリちゃん! 魔力が枯渇したのかも? マリちゃんに【魔力譲渡】!」

 シュィイイイイインッ!

「ケンちゃん…ありがと……」

 マリエルは貴賓室のベッドに運ばれました。
 スズちゃんが離れずズット付き添います。



 マリエルを見送った後、ケンちゃんとピーちゃんはマリエル騎士団と城外へ掃討戦に向かいました。

「とりあえず、侯爵領内の魔物を全て討伐しましょう!」

 エリザが騎士団員に声をかけました。

「「「はいっ」」」





 数時間後、マリエル騎士団とケンちゃん達が戻って来て、回復したマリエルに報告に来ました。

「マリエル御嬢様。侯爵領内の魔物は撃退しましたが、川が凍ってて渡河できる場所がある為、魔物の侵入を完全に防ぐ事は出来ません」

「エリザ、ご苦労様でした。兵士に橋を封鎖させ、川沿いに歩哨を立たせて警戒させるようにラジャル王に進言いたしますね」

「はい。ですが、それだけでは根本的な問題は解決しません。シュヴィーツ地方のゾンビを全て駆逐しないと、ウイルスによって増えた魔物が再びこの城に押し寄せるでしょう」


「フランク王国の騎士や兵士は見かけませんでしたか?」

「まったく見ませんでした。シュヴィーツの民を見殺しにしたとしか思えません」


「マリエル様。助けた住民達の話ですと、フランク王国はシュヴィーツ地方に対して完全隔離の防御姿勢を敷いていて、人も獣も寄せ付けないとの事です」

「ミミちゃん、それではシュヴィーツの民は魔物が居る限り、家に帰れないと言う事ですか?」

「はい、誰も魔物を駆除出来ないので諦めるしかありません」


 ミミちゃんやエリザ、それに騎士団員達の目が、期待を込めてマリエルをジーッと見つめています。

「それではシュヴィーツの民が可哀想です。越権行為を承知で国境を越えて、民の救済に参りましょう。
 広大なシュヴィーツ地方をスグに浄化する事は無理だと思いますが。街を一つ一つ攻略していくのです。東から西へ魔物を倒して行き、ゾンビを浄化しながら追い詰めて行きましょう。
 そして解放した街から順次、治安維持の為の兵士を入れて住民を戻して、再びゾンビが侵入しないように防御させるのです。
 街の西側に土壁を作るのも良いでしょう。少ない魔力で効率よく防御壁を作る為に家壁の間に壁を作るのも良いかもしれません」


「マリエル様。シュヴィーツ地方を手に入れるのですか?」

「いいえミミちゃん。今回はとりあえず助ける事だけを考えましょう。その後の処理はシュヴィーツの住民と良く話し合うのです。アストリア王国の保護を求めるならば、それも良しとします」


「フランク王国が苦情を言うと思いますが?」

「民を見殺しにする者の苦情を聞くつもりは有りませんが。それでもシュヴィーツの民がフランク王国の庇護を求めるのならば、しょうがありませんね」
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