82 / 100
第2章 アリタリカ帝国に留学
82 課外実習『未踏のダンジョン』
しおりを挟む
アリタリカ神学院4年生の1学期も、アッという間にもう終わりです。
期末試験が終われば夏休みになりますが、アリタリカ神学院もアストリア魔法学院と同様に夏休みの宿題はありません。
そしてやはり、期末試験の後に課外実習があり『未踏のダンジョン』にパーティで潜るそうです。
今回は1階を攻略するだけで良いそうで、ダンジョンに慣れる事が目的だそうです。
この世界には彼方此方にダンジョンが有りますので、上級貴族と言えどそれを認識せずに暮らすことはできません。むしろ為政者としては上手に活用する事が求められるのです。
私たちのクラスは各国の王族が転入して来ているので、本来は学院の1年生で行うダンジョン1階の攻略を、1学期の最後に経験させるのだそうです。
レクシ〈アストリア王国第1王子〉が私に近寄ってきて耳打ちします。
「アストリア魔法学院1年生の時を思い出すね」
「はい、あの時は罠に掛かって10階に飛ばされてしまいましたわ」
「ふふふ、もう今回は大丈夫だよ」
「そうですわね」
「僕としては2人きりでダンジョンを冒険できるから、デート気分でむしろご褒美だけどね」
そう言ってレクシはウインクをしました。
「まぁ……」
レクシはあの時よりも成長して、すっかり大人っぽく成っています。王家は美男美女が代々結ばれますので、生まれてくる子供も美男美女ばかりなのです。レクシ王子も例外なくイケメン王子に成っていました。
リュルラルが私に近づいてきました。
「あのぅ、マリエル様。わたくしまだ転入したばかりでマリエル様以外のお友達が少ないので、一緒のパーティに入れて貰えないでしょうか?」
「もちろん大歓迎です、よろしくお願いしますね」
「あぁ、良かったわ。よろしくお願いいたします」
私と一緒のパーティの女子はマルグレーテ、モモリル、リュルラルの3名です。
男子はアレクシス、ロズガルド、ブランシュ、セフィロス、レイモンドと、アストリアから一緒の5名です。
合計9名でダンジョンに入ることになりました。経験する事が目的なので人数に制限は無いそうです。
「自由にパーティを組んでいいですが、4人以上でダンジョンに入ってくださいね」
先生が仲立ちをして、積極的にパーティを組ませていきましたので仲間外れはできませんでした。
「今回は王族の子息が多いので、特別に【転移門】でダンジョンまで移動するように言われています。こちらは特別講師補助員のケンちゃんさんです。よろしくお願いいたします」
「エッヘン! よろしく~」
「まぁ、恥ずかしい……」
「そこっ、恥ずかしいって言わないっ!」
「は~い」
「うおっほん、それでは『未踏のダンジョン』前広場に【転移門】オープン!」
ブゥウウウウウンッ!
複雑な魔法陣が幾重にも重なり浮かび上がり、グルグルと回りだします。
虹色のゲートが広がり直径5メートルほどの空間が裂けました。
「さぁ、皆さん。慌てずユックリ遅れないように入って下さいませ」
先生に促されてパーティ毎にゲートを潜って行きました。
一旦、ダンジョン前の広場にパーティー毎に整列します。
「ダンジョン奥のとある場所に、皆さんの名前を書いた木札が置いてあります。それを各自持って帰ってきてください。木札は宝箱の中に入っていますからね」
「「「は~い」」」
『未踏のダンジョン』1階は、やはりスライムしか出てきませんでした。
「最初に来た時は低級魔族が出てきて驚きましたけど、あれはイレギュラーな事だったのでしょうね」
「まぁ、そんな事があったのですね」
「そうそう、確かこの部屋だったと思います」
「今は魔族はいませんね」
「はい」
うしろから、リュルラルがそっとマリエルに囁きます。
「マリエル様、御免なさい。私は一族の命運を背負っているのです。父の命令に背く事はできません。せめて友達としてフォローさせて頂きますね」
リュルラルは突然マリエルに抱き付きました。
「マリエル様大好きです、御武運を! ブッチュウウウウウ……」
リュルラルが私の頬を両手で挟んで、強引に唇を重ねます。私の口の中に、飴玉の様な物を口移しで入れました。
(わたしのファーストキッスがあああっ!)
リュルラルがギュッと両手に力を入れて私を抱き上げます。
ゴック~ンッ!
得体の知れない飴玉を飲み込んでしまいました!
シュィイイイイインッ!
「ノ、ノーカウントって事にしといてくださぁぁぁぃ……」
キュッィイイイイインッ!
マリエルは何処かに1人で転移してしまいました。
〇 ▼ 〇
「ここは何処? 私は誰?」
意識が戻ると、マリエルは鍾乳洞の様な洞穴に1人きりで立っていました。
「そうだ、とりあえずお約束のセリフを……『知らない天井だ!』 んっ?……鍾乳洞でも天井って言うのかしら?」
私はゴツゴツとした岩の暗い天井を見回します。
「私の名前は?……マリエルだっけ? イタタタタ……」
私は酷い頭痛に襲われました。
「何で、ここにいるのかしら? 洞窟なのにちょっと明るいのは何故?」
思い出そうとすると頭痛に襲われるので、あまり考えたくありません。
「まぁ、何とかなるかなぁ……とりあえず外に出ましょう」
マリエルの淡白でアッケラカンとした性格はそのままでした。
どちらの方角が出口か分からないのに、見えている方向にサクサクと歩いていきます。
突然、大きな蜘蛛の魔物に糸を吹き付けられて襲われました。
シュゥウウウウウッ!
ブゥウウウウウンッ!
オートマルチリフレクションシールドが発動して、逆に蜘蛛を糸で絡めて拘束してしまいます。
「まぁ、今のは何でしょう? 蜘蛛が勝手に攻撃してきて、勝手に糸でグルグル巻になってしまいました。でも考えると頭が頭痛になるから、考えるのは止めておきましょう」
私は顎に指を当てて首を傾げました。
「まぁ、頭が頭痛ですって! 新しい新刊みたいなぁ。うふふふふ」
知らず知らずのうちに、癖で自分にツッコミを入れてしまいました。
期末試験が終われば夏休みになりますが、アリタリカ神学院もアストリア魔法学院と同様に夏休みの宿題はありません。
そしてやはり、期末試験の後に課外実習があり『未踏のダンジョン』にパーティで潜るそうです。
今回は1階を攻略するだけで良いそうで、ダンジョンに慣れる事が目的だそうです。
この世界には彼方此方にダンジョンが有りますので、上級貴族と言えどそれを認識せずに暮らすことはできません。むしろ為政者としては上手に活用する事が求められるのです。
私たちのクラスは各国の王族が転入して来ているので、本来は学院の1年生で行うダンジョン1階の攻略を、1学期の最後に経験させるのだそうです。
レクシ〈アストリア王国第1王子〉が私に近寄ってきて耳打ちします。
「アストリア魔法学院1年生の時を思い出すね」
「はい、あの時は罠に掛かって10階に飛ばされてしまいましたわ」
「ふふふ、もう今回は大丈夫だよ」
「そうですわね」
「僕としては2人きりでダンジョンを冒険できるから、デート気分でむしろご褒美だけどね」
そう言ってレクシはウインクをしました。
「まぁ……」
レクシはあの時よりも成長して、すっかり大人っぽく成っています。王家は美男美女が代々結ばれますので、生まれてくる子供も美男美女ばかりなのです。レクシ王子も例外なくイケメン王子に成っていました。
リュルラルが私に近づいてきました。
「あのぅ、マリエル様。わたくしまだ転入したばかりでマリエル様以外のお友達が少ないので、一緒のパーティに入れて貰えないでしょうか?」
「もちろん大歓迎です、よろしくお願いしますね」
「あぁ、良かったわ。よろしくお願いいたします」
私と一緒のパーティの女子はマルグレーテ、モモリル、リュルラルの3名です。
男子はアレクシス、ロズガルド、ブランシュ、セフィロス、レイモンドと、アストリアから一緒の5名です。
合計9名でダンジョンに入ることになりました。経験する事が目的なので人数に制限は無いそうです。
「自由にパーティを組んでいいですが、4人以上でダンジョンに入ってくださいね」
先生が仲立ちをして、積極的にパーティを組ませていきましたので仲間外れはできませんでした。
「今回は王族の子息が多いので、特別に【転移門】でダンジョンまで移動するように言われています。こちらは特別講師補助員のケンちゃんさんです。よろしくお願いいたします」
「エッヘン! よろしく~」
「まぁ、恥ずかしい……」
「そこっ、恥ずかしいって言わないっ!」
「は~い」
「うおっほん、それでは『未踏のダンジョン』前広場に【転移門】オープン!」
ブゥウウウウウンッ!
複雑な魔法陣が幾重にも重なり浮かび上がり、グルグルと回りだします。
虹色のゲートが広がり直径5メートルほどの空間が裂けました。
「さぁ、皆さん。慌てずユックリ遅れないように入って下さいませ」
先生に促されてパーティ毎にゲートを潜って行きました。
一旦、ダンジョン前の広場にパーティー毎に整列します。
「ダンジョン奥のとある場所に、皆さんの名前を書いた木札が置いてあります。それを各自持って帰ってきてください。木札は宝箱の中に入っていますからね」
「「「は~い」」」
『未踏のダンジョン』1階は、やはりスライムしか出てきませんでした。
「最初に来た時は低級魔族が出てきて驚きましたけど、あれはイレギュラーな事だったのでしょうね」
「まぁ、そんな事があったのですね」
「そうそう、確かこの部屋だったと思います」
「今は魔族はいませんね」
「はい」
うしろから、リュルラルがそっとマリエルに囁きます。
「マリエル様、御免なさい。私は一族の命運を背負っているのです。父の命令に背く事はできません。せめて友達としてフォローさせて頂きますね」
リュルラルは突然マリエルに抱き付きました。
「マリエル様大好きです、御武運を! ブッチュウウウウウ……」
リュルラルが私の頬を両手で挟んで、強引に唇を重ねます。私の口の中に、飴玉の様な物を口移しで入れました。
(わたしのファーストキッスがあああっ!)
リュルラルがギュッと両手に力を入れて私を抱き上げます。
ゴック~ンッ!
得体の知れない飴玉を飲み込んでしまいました!
シュィイイイイインッ!
「ノ、ノーカウントって事にしといてくださぁぁぁぃ……」
キュッィイイイイインッ!
マリエルは何処かに1人で転移してしまいました。
〇 ▼ 〇
「ここは何処? 私は誰?」
意識が戻ると、マリエルは鍾乳洞の様な洞穴に1人きりで立っていました。
「そうだ、とりあえずお約束のセリフを……『知らない天井だ!』 んっ?……鍾乳洞でも天井って言うのかしら?」
私はゴツゴツとした岩の暗い天井を見回します。
「私の名前は?……マリエルだっけ? イタタタタ……」
私は酷い頭痛に襲われました。
「何で、ここにいるのかしら? 洞窟なのにちょっと明るいのは何故?」
思い出そうとすると頭痛に襲われるので、あまり考えたくありません。
「まぁ、何とかなるかなぁ……とりあえず外に出ましょう」
マリエルの淡白でアッケラカンとした性格はそのままでした。
どちらの方角が出口か分からないのに、見えている方向にサクサクと歩いていきます。
突然、大きな蜘蛛の魔物に糸を吹き付けられて襲われました。
シュゥウウウウウッ!
ブゥウウウウウンッ!
オートマルチリフレクションシールドが発動して、逆に蜘蛛を糸で絡めて拘束してしまいます。
「まぁ、今のは何でしょう? 蜘蛛が勝手に攻撃してきて、勝手に糸でグルグル巻になってしまいました。でも考えると頭が頭痛になるから、考えるのは止めておきましょう」
私は顎に指を当てて首を傾げました。
「まぁ、頭が頭痛ですって! 新しい新刊みたいなぁ。うふふふふ」
知らず知らずのうちに、癖で自分にツッコミを入れてしまいました。
0
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす
遊鷹太
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。
第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。
黒ハット
ファンタジー
前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる