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帰宅後の岡家
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岡家。
マオから伊織に関する話を聞いたあと、一旦ライブハウスに戻った稔琉。
しかし予想通りと言うべきかVOLCANYOSの次に出演したバンドは、フロアにまで緊張感が伝染するほどにガチガチだった。
見ているのも辛い惨状だったので早々に退散。伊織の姿も既になかった。
そうして帰宅をした訳だが、帰って早々先に帰宅していた妹の里菜に呼び止められて部屋へと押し込まれた。
「お兄ちゃん。本気で仮性神様とバンドを組むつもりなら今日から特訓だから」
そう言った里菜の顔には強い圧を感じさせる迫力がある。
「は?ギターの練習は毎日してるぜ?」
稔琉はそう言って返した。
今日はライブを見に行っていたのでまだだが、少なくとも毎日1時間はギターを弾いているし、気分が乗っている時には3から4時間も練習をする時もある。
部屋を自作の防音室にしているから外まで音が聴こえずに、何もやっていないと思われているなら心外だと思って反論をしたのだが…。
「それじゃあ全然足りないから。1日8時間は練習すること」
里菜が言い出したのはとんでもなくハードな内容だった。
稔琉は部活に入っていないし、今のところアルバイトもしていないので時間はある。
しかし8時間ともなれば16時頃に帰宅したとしてぶっ続けで練習したとしても24時だ。
宿題は無視するとして、夕食や風呂などの時間を考えたらどう考えても無理だろう。
「8時間!?学生には学校もあるんだぞ!?社会人の実働時間じゃねぇんだから!」
そう抗議したが、里菜は引く様子を見せない。
「朝5時に起きれば2時間は練習出来るでしょ」
「5時起き!?」
確かに夜に出来ないなら朝起きればいいというのはある。
口で言うのは簡単だが、実際にやるのはちょっとした試練だろうが。
「それから学校にもギターを持って行って休み時間も練習すること。
お兄ちゃんはギター歴だけ長くて上手じゃないんだから、今のままだったらいつまで経っても上手くならないよ?
VOLCANYOSさん達の演奏見たでしょ?仮性神様はあんな上手い人たちとバンドを組んでたんだからね?お兄ちゃんは相応しい実力があると思ってるの?」
「ぐはっ!」
正論も正論である。
VOLCANYOSの面々は明らかに稔琉よりも楽器の修練を積んでいるだろう。
日に1時間や2時間であそこまで上手くなれる筈がないし、その上で頭のおかしいフロントマンの存在によって実践でも相当に鍛えられているのだ。
稔琉も遊びでバンドをやったりサポートをしたりはしていたが、彼らと比べて練習量が経験も足りていないのは明らかだった。
「お兄ちゃんが本気で努力する気があるんだったら、私も協力してあげるから」
そう言った里菜の表情は真剣そのものだ。
きっとマオが期待していると言ったのが相当に効いているのだろう。
それに、伊織が日本オナニー最前線とはまるで違うバンドを組むことへの期待感も抱いている。
だから稔琉が本気でやる気があるのなら、里菜は身内として応援するつもりはあるのだ。
もし怠けて推しに少しでも迷惑を掛けるようだったら身内でも…身内だからこそ容赦はしないだろうが。
「お…おう…。頑張る」
こうして稔琉の特訓生活が幕を開けたのであった。
マオから伊織に関する話を聞いたあと、一旦ライブハウスに戻った稔琉。
しかし予想通りと言うべきかVOLCANYOSの次に出演したバンドは、フロアにまで緊張感が伝染するほどにガチガチだった。
見ているのも辛い惨状だったので早々に退散。伊織の姿も既になかった。
そうして帰宅をした訳だが、帰って早々先に帰宅していた妹の里菜に呼び止められて部屋へと押し込まれた。
「お兄ちゃん。本気で仮性神様とバンドを組むつもりなら今日から特訓だから」
そう言った里菜の顔には強い圧を感じさせる迫力がある。
「は?ギターの練習は毎日してるぜ?」
稔琉はそう言って返した。
今日はライブを見に行っていたのでまだだが、少なくとも毎日1時間はギターを弾いているし、気分が乗っている時には3から4時間も練習をする時もある。
部屋を自作の防音室にしているから外まで音が聴こえずに、何もやっていないと思われているなら心外だと思って反論をしたのだが…。
「それじゃあ全然足りないから。1日8時間は練習すること」
里菜が言い出したのはとんでもなくハードな内容だった。
稔琉は部活に入っていないし、今のところアルバイトもしていないので時間はある。
しかし8時間ともなれば16時頃に帰宅したとしてぶっ続けで練習したとしても24時だ。
宿題は無視するとして、夕食や風呂などの時間を考えたらどう考えても無理だろう。
「8時間!?学生には学校もあるんだぞ!?社会人の実働時間じゃねぇんだから!」
そう抗議したが、里菜は引く様子を見せない。
「朝5時に起きれば2時間は練習出来るでしょ」
「5時起き!?」
確かに夜に出来ないなら朝起きればいいというのはある。
口で言うのは簡単だが、実際にやるのはちょっとした試練だろうが。
「それから学校にもギターを持って行って休み時間も練習すること。
お兄ちゃんはギター歴だけ長くて上手じゃないんだから、今のままだったらいつまで経っても上手くならないよ?
VOLCANYOSさん達の演奏見たでしょ?仮性神様はあんな上手い人たちとバンドを組んでたんだからね?お兄ちゃんは相応しい実力があると思ってるの?」
「ぐはっ!」
正論も正論である。
VOLCANYOSの面々は明らかに稔琉よりも楽器の修練を積んでいるだろう。
日に1時間や2時間であそこまで上手くなれる筈がないし、その上で頭のおかしいフロントマンの存在によって実践でも相当に鍛えられているのだ。
稔琉も遊びでバンドをやったりサポートをしたりはしていたが、彼らと比べて練習量が経験も足りていないのは明らかだった。
「お兄ちゃんが本気で努力する気があるんだったら、私も協力してあげるから」
そう言った里菜の表情は真剣そのものだ。
きっとマオが期待していると言ったのが相当に効いているのだろう。
それに、伊織が日本オナニー最前線とはまるで違うバンドを組むことへの期待感も抱いている。
だから稔琉が本気でやる気があるのなら、里菜は身内として応援するつもりはあるのだ。
もし怠けて推しに少しでも迷惑を掛けるようだったら身内でも…身内だからこそ容赦はしないだろうが。
「お…おう…。頑張る」
こうして稔琉の特訓生活が幕を開けたのであった。
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