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帰宅後の亀頭家
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ところ変わって亀頭家。
VOLCANYOSのライブを見て、元メンバー達との交流をした伊織は一人自宅へと帰宅した。
家には母と妹の小春がいて、ダイニングテーブルには夕食が並んでいた。
共働きの亀頭家では食事の時間が遅めの20時頃となっている。
「お兄ちゃんお帰り。ライブどうだった?」
「お話を始める前に手を洗って来なさい。ご飯の用意しておきますから」
母に促されて手洗いうがいをした伊織は、テーブルに着くとライブの話をしながらいつもと変わらぬ家族団欒の時間を過ごした。
そして部屋に戻り食休みをしていると、スマホが振動して通知を知らせた。
どうやら誰かからメッセージが届いたらしい。
伊織がスマホの画面を見ると、メッセージの相手は茉央と表示されていた。
『いおちん』
『私に声掛けずに帰ったでしょう』
『おう』
『いつでも会えるんだから話す必要なくね』
相手から怒りマーク付きのメッセージが届いているのに、そっけない返しの伊織。
茉央は元日本オナニー最前線で現VOLCANYOSのドラム、マオのことである。
伊織と茉央は家が近い。というか伊織の家の裏が茉央の家なので、いつでも会えるというのは紛れもない事実である。
『そういうんじゃないでしょ』
『心にも鮮度があるんだから感想とかはその場で伝えるものじゃん』
そんなメッセージが届いて伊織は少し考え。
『?』
『?』
『?』
言ってることがわからなかったので延々とクエスチョンマークを送り続けた。
但し絵文字も使ってバリエーションは出しているのだが。
『罰としていおちんには買い物に付き合って貰います』
『?』
一体何の罰なのか理解が出来ないのだから、伊織のこのリアクションも仕方がないだろう。
『死ぬほど面倒臭い』
『それ死ぬほど失礼だからね!
女の子から誘われて死ぬほど面倒臭いとか言うな!』
『女の子?』
『通話にする』
茉央からそのメッセージの通知が入って、すぐさま通話の着信があった。
伊織はうーん…と1分少々どうするかと悩んだ結果、このままだと一生切ってくれそうにないので通話ボタンをスライドさせた。
「もしもし。いおちん、ライブどうだった?」
通話を繋げると真っ先にライブの感想を求めてきた茉央に、伊織は少しだけ考えてから返事をする。
「まぁまぁかな」
あの途轍もないライブを見てまぁまぁと評価するのも中々だ。
普通であれば会心のライブをまぁまぁと評価されれば多少なりとも不快に思いそうなものだが、茉央の反応はそうではなかった。
「最上級の誉め言葉をありがとうございます」
「いえいえ、どういたしまして」
茉央は伊織との付き合いが長いので、伊織のまぁまぁが絶賛と同等の評価であることを知っている。
伊織は対象が女の子となると非常に細かい評価をするのだが、それ以外は音楽も含めて大雑把なのだ。
因みにまぁまぁは褒めたくないけど褒めるしかない場合に使われる言葉である。
「それはいいとして。いおちん週末暇でしょ?服とかスネアとか化粧品とか見たいから付き合ってよ」
服と化粧品の間にスネアドラムを挟むのは如何なものなのか。
「死ぬほど面倒臭い」
一貫して面倒臭がる伊織。
「そういう訳だから日曜日開けておいてね。付き合ってくれたお礼はお昼ご飯をご馳走します」
伊織の意向をガン無視の茉央。
「あ、これから打ち上げだから切るね。日曜10時K駅で待ってるから」
「おい」
言いたいことを言って通話を切った茉央に溜息を吐いて、伊織はゴロンとベッドに寝転がったのであった。
VOLCANYOSのライブを見て、元メンバー達との交流をした伊織は一人自宅へと帰宅した。
家には母と妹の小春がいて、ダイニングテーブルには夕食が並んでいた。
共働きの亀頭家では食事の時間が遅めの20時頃となっている。
「お兄ちゃんお帰り。ライブどうだった?」
「お話を始める前に手を洗って来なさい。ご飯の用意しておきますから」
母に促されて手洗いうがいをした伊織は、テーブルに着くとライブの話をしながらいつもと変わらぬ家族団欒の時間を過ごした。
そして部屋に戻り食休みをしていると、スマホが振動して通知を知らせた。
どうやら誰かからメッセージが届いたらしい。
伊織がスマホの画面を見ると、メッセージの相手は茉央と表示されていた。
『いおちん』
『私に声掛けずに帰ったでしょう』
『おう』
『いつでも会えるんだから話す必要なくね』
相手から怒りマーク付きのメッセージが届いているのに、そっけない返しの伊織。
茉央は元日本オナニー最前線で現VOLCANYOSのドラム、マオのことである。
伊織と茉央は家が近い。というか伊織の家の裏が茉央の家なので、いつでも会えるというのは紛れもない事実である。
『そういうんじゃないでしょ』
『心にも鮮度があるんだから感想とかはその場で伝えるものじゃん』
そんなメッセージが届いて伊織は少し考え。
『?』
『?』
『?』
言ってることがわからなかったので延々とクエスチョンマークを送り続けた。
但し絵文字も使ってバリエーションは出しているのだが。
『罰としていおちんには買い物に付き合って貰います』
『?』
一体何の罰なのか理解が出来ないのだから、伊織のこのリアクションも仕方がないだろう。
『死ぬほど面倒臭い』
『それ死ぬほど失礼だからね!
女の子から誘われて死ぬほど面倒臭いとか言うな!』
『女の子?』
『通話にする』
茉央からそのメッセージの通知が入って、すぐさま通話の着信があった。
伊織はうーん…と1分少々どうするかと悩んだ結果、このままだと一生切ってくれそうにないので通話ボタンをスライドさせた。
「もしもし。いおちん、ライブどうだった?」
通話を繋げると真っ先にライブの感想を求めてきた茉央に、伊織は少しだけ考えてから返事をする。
「まぁまぁかな」
あの途轍もないライブを見てまぁまぁと評価するのも中々だ。
普通であれば会心のライブをまぁまぁと評価されれば多少なりとも不快に思いそうなものだが、茉央の反応はそうではなかった。
「最上級の誉め言葉をありがとうございます」
「いえいえ、どういたしまして」
茉央は伊織との付き合いが長いので、伊織のまぁまぁが絶賛と同等の評価であることを知っている。
伊織は対象が女の子となると非常に細かい評価をするのだが、それ以外は音楽も含めて大雑把なのだ。
因みにまぁまぁは褒めたくないけど褒めるしかない場合に使われる言葉である。
「それはいいとして。いおちん週末暇でしょ?服とかスネアとか化粧品とか見たいから付き合ってよ」
服と化粧品の間にスネアドラムを挟むのは如何なものなのか。
「死ぬほど面倒臭い」
一貫して面倒臭がる伊織。
「そういう訳だから日曜日開けておいてね。付き合ってくれたお礼はお昼ご飯をご馳走します」
伊織の意向をガン無視の茉央。
「あ、これから打ち上げだから切るね。日曜10時K駅で待ってるから」
「おい」
言いたいことを言って通話を切った茉央に溜息を吐いて、伊織はゴロンとベッドに寝転がったのであった。
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