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第1話 幽香さんは幽霊になる
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『あれ?私、生きてる?』
まさに今、商品の下敷きになった筈の私、明瀬幽香。
落ちて来たのは組み立て式の家具が入った重い箱だったから、死んだって思ったし、少なくとも大怪我はするだろうって思った。
それなのに、私は普通に意識があるし、普通に喋れてしまっている。
『これは一体、何?って言うまでもない光景が目の前に広がっちゃってるね』
私がいるのはアルバイト先の倉庫だけれど、私の目の前に横たわった私がいるんだよね。
「明瀬さん!明瀬さん!」
私に連絡先を聞いてきた男の社員さん(ごめんなさい、名前は覚えてません)が大声で呼び掛けてる。
首に手を当てて脈を測ったり、息をしてるかを必至に確認してるけれど、多分私の意識が戻ることはないよ。
だって、私もう経帷子みたいな服を着て、足が無くなっちゃってるんだもん。
『ちょっとこの格好は気が早いけれど、未練も無いし、お父さんお母さんのところに行けるって考えたら悪くないかな』
そう考えて、ずっと待ってるんだけれど、なかなかお迎えが来てくれない。
救急隊員が来て私の体を運んで行って、夜になって倉庫の電気が落とされて暗くなっても、お迎えが来る気配は無い。
『と言うか。私、幽霊になった筈なのに、何だか寒気がしてきたんだけれど』
ここは電気が落とされた、暗くて誰もいない倉庫。
普段だったら幾つか電気は点けっぱなしなのかもしれないけれど、地震の影響なのか灯り一つ無い真っ暗。
それなのに幽霊だからなのか、視界は暗視カメラの映像みたいに、妙にはっきりと見える。
『子供の頃から妖怪とか幽霊の類って苦手なんだよね』
腕を擦ってブルリと身を震わせる。
私は、小学校の時の肝試しに参加しなかったし、遊園地のお化け屋敷にも入れない。
霊感なんてものは無いんだけれど、テレビをザッピングしてる時に見たホラー映画の怖いシーンが頭に残って、しばらくお風呂もトイレも怖くなるくらいのビビりだ。
まあ、今となっては自分自身が幽霊なんだけれど。
『これ、いるよね?何か、凄い寒いし。変な音もするし』
ヒタ、ヒタ、と何かが背後から近付いて来るのを感じる。
私は膝を抱え、、、る事は出来ないけれど、小さくなって、両手で耳を塞いだ。
耳を夫妻だのに、ヒタ、ヒタ、と何かが近付く音は大きくなっていった。
怖くて体がブルブル震える。
嫌だ、怖い、そうやって声に出したいけれど、何かに見付かるのが怖くて声は出せない。
ヒタ、ヒタ、ヒタ。
音は私のすぐ後ろで止まり、何かが私の肩に触れた。
『ひゃあ!』
それがあまりにも冷たくて、私は思わず声を出してしまった。
肩に触れたのは恐らく手で、その手が私の肩を叩く。
怖い、怖い、怖い、怖い、怖い。
けれど、きっと振り向かなきゃ、これはいつまでも終わらない気がする。
私は決心して目を開き、後ろを振り返ると、そこには頭から血を流した男性の幽霊がいた。
『きゃぁぁぁああ!』
私の上げた悲鳴に驚いたのか、幽霊も一瞬ビクッとして、手が離れた。
このまま逃げてしまおうと、私が逃げ出すと、後ろから声が掛かった。
『明瀬さん!連絡先教えてよ!』
お互い幽霊なのに、連絡先なんて聞いてどうするんだ。
どうやら私と同じで、さっきの地震で亡くなった男性の幽霊を置いて、私は工場を後にした。
まさに今、商品の下敷きになった筈の私、明瀬幽香。
落ちて来たのは組み立て式の家具が入った重い箱だったから、死んだって思ったし、少なくとも大怪我はするだろうって思った。
それなのに、私は普通に意識があるし、普通に喋れてしまっている。
『これは一体、何?って言うまでもない光景が目の前に広がっちゃってるね』
私がいるのはアルバイト先の倉庫だけれど、私の目の前に横たわった私がいるんだよね。
「明瀬さん!明瀬さん!」
私に連絡先を聞いてきた男の社員さん(ごめんなさい、名前は覚えてません)が大声で呼び掛けてる。
首に手を当てて脈を測ったり、息をしてるかを必至に確認してるけれど、多分私の意識が戻ることはないよ。
だって、私もう経帷子みたいな服を着て、足が無くなっちゃってるんだもん。
『ちょっとこの格好は気が早いけれど、未練も無いし、お父さんお母さんのところに行けるって考えたら悪くないかな』
そう考えて、ずっと待ってるんだけれど、なかなかお迎えが来てくれない。
救急隊員が来て私の体を運んで行って、夜になって倉庫の電気が落とされて暗くなっても、お迎えが来る気配は無い。
『と言うか。私、幽霊になった筈なのに、何だか寒気がしてきたんだけれど』
ここは電気が落とされた、暗くて誰もいない倉庫。
普段だったら幾つか電気は点けっぱなしなのかもしれないけれど、地震の影響なのか灯り一つ無い真っ暗。
それなのに幽霊だからなのか、視界は暗視カメラの映像みたいに、妙にはっきりと見える。
『子供の頃から妖怪とか幽霊の類って苦手なんだよね』
腕を擦ってブルリと身を震わせる。
私は、小学校の時の肝試しに参加しなかったし、遊園地のお化け屋敷にも入れない。
霊感なんてものは無いんだけれど、テレビをザッピングしてる時に見たホラー映画の怖いシーンが頭に残って、しばらくお風呂もトイレも怖くなるくらいのビビりだ。
まあ、今となっては自分自身が幽霊なんだけれど。
『これ、いるよね?何か、凄い寒いし。変な音もするし』
ヒタ、ヒタ、と何かが背後から近付いて来るのを感じる。
私は膝を抱え、、、る事は出来ないけれど、小さくなって、両手で耳を塞いだ。
耳を夫妻だのに、ヒタ、ヒタ、と何かが近付く音は大きくなっていった。
怖くて体がブルブル震える。
嫌だ、怖い、そうやって声に出したいけれど、何かに見付かるのが怖くて声は出せない。
ヒタ、ヒタ、ヒタ。
音は私のすぐ後ろで止まり、何かが私の肩に触れた。
『ひゃあ!』
それがあまりにも冷たくて、私は思わず声を出してしまった。
肩に触れたのは恐らく手で、その手が私の肩を叩く。
怖い、怖い、怖い、怖い、怖い。
けれど、きっと振り向かなきゃ、これはいつまでも終わらない気がする。
私は決心して目を開き、後ろを振り返ると、そこには頭から血を流した男性の幽霊がいた。
『きゃぁぁぁああ!』
私の上げた悲鳴に驚いたのか、幽霊も一瞬ビクッとして、手が離れた。
このまま逃げてしまおうと、私が逃げ出すと、後ろから声が掛かった。
『明瀬さん!連絡先教えてよ!』
お互い幽霊なのに、連絡先なんて聞いてどうするんだ。
どうやら私と同じで、さっきの地震で亡くなった男性の幽霊を置いて、私は工場を後にした。
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