9 / 44
プロローグ
⑨
しおりを挟む
NOT THE GAMEと現実の時間は剥離している。
そんな奇想天外な仮説が万が一正しいとして、気になってくるのはゲーム開始時に聞いた言葉。
NOT THE GAMEは現実とリンクする―――。
それも、【努々忘れるな】という念押しまでして、だ。
現実的に現実世界とゲームがリンクするか?
常識的に考えて、答えはノーだ。
しかし、あれだけに現実世界に似せて作り込まれたゲーム世界だけに、常識という物差しで考えるのは危険と思わざるを得ない。
なので、一つの実験を行うことにした。
一度ログアウトして戻った現実の部屋。
ここにある物の状態を変化させてみて、NOT THE GAME内の部屋に反映されるのかという実験だ。
1つだと偶然の可能性もあるので、念の為3つ仕掛けをしておく。
1つ目。
部屋に貼っている巨乳グラビアアイドルのポスターを剥がす。
幼い頃にめちゃくちゃ嵌って、結婚発表で完全に冷めたグラドル森川玲々のポスター。
さっさと剥がしても良かったのだが、何となくそのままにしてたってだけのものだ。
2つ目。
ノートに文字を書いて学習机に広げておく。
文字は何でも良いが、分かりやすいようにマジックでNOT THE GAMEとでも書いておくとしよう。
3つ目。
ベッドの下に隠してあるエロ本を、ベッドの上に置いておく。
母親に見付かったのかな?ってぐらい堂々と、ベッドの上に鎮座させる。
見付かるリスクは気にしない。
後は昼飯を済ませて、2時間ぐらい潰してからログインすれば良いだろう。
「あら、まだいたのね。今日はお出掛けしないの?」
「ちょっとしたら出掛けるよ。母さん、何か食べる物ある?」
「お母さんさっき食べちゃったから、これどうぞ」
手渡されたのは、薬局の紙袋?
「これは?」
「1本で満足なカロリーバーよ」
「ああ…いただきます…」
代わり映えの無い会話。
1本で満足出来たので家を出る。
検証実験の一つとして、出来れば【今】の東雲鈴音と接触してみたいと思っているが、恐らく【今】の東雲鈴音は、何処かに出掛けてしまっている。
東雲鈴音の家は近所でも有名なので、訪ねる事は可能だが、『君は娘のストーカーかね』とかって疑われてお縄につく事になったら目も当てられない。
あそこの親父さん、すげぇ怖いって有名だからな。
【まだ】友達でないかもしれない東雲鈴音を訪ねていくのは、少々リスクが高過ぎる。
戻って来るまで張り込むってのも、大分問題があるだろう。
「となると、ただ時間を潰して戻るだけか…」
それなら別に、外に出た意味なくないか?
部屋でスマホを弄っていた方が、余程気分転換になるかもしれない。
うーん、うーんと唸っている間に、気付けば隣の家の前に来ていたらしい。
扉が開いて、幼馴染の柊京香が現れた。
柊は俺に気付くと、NOT THE GAMEのNPCと同じ感じで近付いて。
「裕ちゃん?家の前で何をしているの?もしかして私に用かな?」
「え…?」
俺の記憶違いでなければ、現実の柊がNPCの柊と同じ台詞を言った…?
「い、いや…。ちょっと散歩でもしようかと思って」
少しばかり動揺してどもってしまった。
「柊の方こそ、俺に何か用か?」
「あはは。ほら、お買い物だよ。お米が切れちゃったから買い物に行かなきゃいけなくて」
「は…?」
2度目だ。
現実の柊がゲームの柊と同じ事を言った…?
これは一体、どういう事なんだ―――?
そんな奇想天外な仮説が万が一正しいとして、気になってくるのはゲーム開始時に聞いた言葉。
NOT THE GAMEは現実とリンクする―――。
それも、【努々忘れるな】という念押しまでして、だ。
現実的に現実世界とゲームがリンクするか?
常識的に考えて、答えはノーだ。
しかし、あれだけに現実世界に似せて作り込まれたゲーム世界だけに、常識という物差しで考えるのは危険と思わざるを得ない。
なので、一つの実験を行うことにした。
一度ログアウトして戻った現実の部屋。
ここにある物の状態を変化させてみて、NOT THE GAME内の部屋に反映されるのかという実験だ。
1つだと偶然の可能性もあるので、念の為3つ仕掛けをしておく。
1つ目。
部屋に貼っている巨乳グラビアアイドルのポスターを剥がす。
幼い頃にめちゃくちゃ嵌って、結婚発表で完全に冷めたグラドル森川玲々のポスター。
さっさと剥がしても良かったのだが、何となくそのままにしてたってだけのものだ。
2つ目。
ノートに文字を書いて学習机に広げておく。
文字は何でも良いが、分かりやすいようにマジックでNOT THE GAMEとでも書いておくとしよう。
3つ目。
ベッドの下に隠してあるエロ本を、ベッドの上に置いておく。
母親に見付かったのかな?ってぐらい堂々と、ベッドの上に鎮座させる。
見付かるリスクは気にしない。
後は昼飯を済ませて、2時間ぐらい潰してからログインすれば良いだろう。
「あら、まだいたのね。今日はお出掛けしないの?」
「ちょっとしたら出掛けるよ。母さん、何か食べる物ある?」
「お母さんさっき食べちゃったから、これどうぞ」
手渡されたのは、薬局の紙袋?
「これは?」
「1本で満足なカロリーバーよ」
「ああ…いただきます…」
代わり映えの無い会話。
1本で満足出来たので家を出る。
検証実験の一つとして、出来れば【今】の東雲鈴音と接触してみたいと思っているが、恐らく【今】の東雲鈴音は、何処かに出掛けてしまっている。
東雲鈴音の家は近所でも有名なので、訪ねる事は可能だが、『君は娘のストーカーかね』とかって疑われてお縄につく事になったら目も当てられない。
あそこの親父さん、すげぇ怖いって有名だからな。
【まだ】友達でないかもしれない東雲鈴音を訪ねていくのは、少々リスクが高過ぎる。
戻って来るまで張り込むってのも、大分問題があるだろう。
「となると、ただ時間を潰して戻るだけか…」
それなら別に、外に出た意味なくないか?
部屋でスマホを弄っていた方が、余程気分転換になるかもしれない。
うーん、うーんと唸っている間に、気付けば隣の家の前に来ていたらしい。
扉が開いて、幼馴染の柊京香が現れた。
柊は俺に気付くと、NOT THE GAMEのNPCと同じ感じで近付いて。
「裕ちゃん?家の前で何をしているの?もしかして私に用かな?」
「え…?」
俺の記憶違いでなければ、現実の柊がNPCの柊と同じ台詞を言った…?
「い、いや…。ちょっと散歩でもしようかと思って」
少しばかり動揺してどもってしまった。
「柊の方こそ、俺に何か用か?」
「あはは。ほら、お買い物だよ。お米が切れちゃったから買い物に行かなきゃいけなくて」
「は…?」
2度目だ。
現実の柊がゲームの柊と同じ事を言った…?
これは一体、どういう事なんだ―――?
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ミックスブラッドオンライン・リメイク
マルルン
ファンタジー
ある日、幼馴染の琴音に『大学進学資金』の獲得にと勧められたのは、何と懸賞金付きのVRMMOの限定サーバへの参加だった。名前は『ミックスブラッドオンライン』と言って、混血がテーマの一風変わったシステムのゲームらしい。賞金の額は3億円と破格だが、ゲーム内には癖の強い振るい落としイベント&エリアが満載らしい。
たかがゲームにそんな賞金を懸ける新社長も変わっているが、俺の目的はどちらかと言えば沸点の低い幼馴染のご機嫌取り。そんな俺たちを待ち構えるのは、架空世界で巻き起こる破天荒な冒険の数々だった――。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します
miigumi
ファンタジー
VRが当たり前になった時代。大学生の瑞希は、親の干渉に息苦しさを感じながらも、特にやりたいことも見つからずにいた。
そんなある日、友人に誘われた話題のVRMMO《ルーンスフィア・オンライン》で目にしたのは――「あなたが求める自由を」という言葉。
軽い気持ちでログインしたはずが、気づけば彼女は“ソロ”で世界を駆けることになる。
誰にも縛られない場所で、瑞希は自分の力で強くなることを選んだ。これは、自由を求める彼女のソロ成長物語。
毎日22時投稿します。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる