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プロローグ
㉓
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NOT THE GAMEがサービスを開始して2日目の朝8時。
より正確に言うならば、サービス開始は日本時間12時だったため、1日目終了まで6時間といったところ。
NOT THE GAMEは世界的に大きな話題の中心となっていた―――。
それも当然。
NOT THE GAMEをプレイして、またはプレイした者から齎される情報の数々。
街を歩けば監視カメラが存在している管理社会と比べてもあまりある程にリアルな世界がそこにあったのだ。
一体誰が。
何の為に。
どんな技術を使って。
多くの自称有識者が名乗りを上げて、メディアとマスメディア双方から様々な推測と不確定情報が垂れ流された。
科学技術に聡い研究者、倫理や人権問題に詳しい専門家、有名オカルト雑誌の編集長、単なるテレビマン、有象無象の一般人。
真実は何かなんて関係無く、どれもこれもNOT THE GAMEを面白可笑しく取り上げている。
当然プライバシーの問題にも焦点が当てられ、NOT THE GAMEは禁止して、今すぐゲーム機を回収すべきという声も上がった。
いつものヒステリックで声の大きな集団だが、その意見にはそれなりの支持が集まった。
しかし反対の支持も大きく、誰が仕掛けたかすら判明しないNOT THE GAMEを禁止するまでには至らない。
一部の独裁国家と共産主義国家、それらに近い国ではNOT THE GAMEを危険な物として早々に禁止とする発表をしたが、それが逆にNOT THE GAMEをプレイしたい欲を駆り立てた。
誰が。
何の為に。
どんな技術を使って。
煮ても焼いても叩き潰そうとしても、傷一つ付ける事の出来ない謎のゲーム機。
この技術を軍事転用すれば、世界の覇権を握るのも容易と言って過言ではない。
件の国々では、政府によるゲーム機の回収が進められている―――。
さて、そんなこんながあれど、変わらぬ日常という時間の流れる国もある。
例えば日本なんかは、その国の一つであり、NOT THE GAMEのプレイヤーが1人、成木原裕哉は、いつもと変わらぬ時間に校門を潜った。
口元を押えて大欠伸している原因は、寝る前にスマートフォンを触りながら考え事をしていて、中々寝付けなかったせいだ。
緩く結んだネクタイが少々だらしなく、細くて柔らかい髪が寝癖でぴょこんと跳ねている。
それらはほんのり寝坊した事に起因しない、いつも通りの日常的光景であった。
そう、これが成木原裕哉にとっての日常。
日常が、昨日までの非日常に染め挙げられるのは、校舎に入る直前の事だった。
「おーい!成木原君!おはよーう!」
背後、随分と遠くから聞こえる女声。
あまり学校で目立ちたくない成木原としては、無視して校舎に入ろうかとも考えた。
しかし一瞬にして考えを改める。
『昨日招木猫にしていた激ヤバなムーブ。あれをされたら事だ』
成木原は立ち止まって振り向くと、カモシカのような足で全力疾走する東雲鈴音の姿があった。
相変わらず、眩しいぐらいに完成度の高い外見をしている。
「ふにゃぁ、ナルキンにゃ。おはようにゃ」
そして眠そうな声で背中に抱き着く招木猫。
前門のカモシカ後門の猫。
兎にも角にも、朝から非日常な注目を集めたモブキャラの成木原裕哉は、決まりが悪そうに苦笑してやれやれと首を振ったのであった。
より正確に言うならば、サービス開始は日本時間12時だったため、1日目終了まで6時間といったところ。
NOT THE GAMEは世界的に大きな話題の中心となっていた―――。
それも当然。
NOT THE GAMEをプレイして、またはプレイした者から齎される情報の数々。
街を歩けば監視カメラが存在している管理社会と比べてもあまりある程にリアルな世界がそこにあったのだ。
一体誰が。
何の為に。
どんな技術を使って。
多くの自称有識者が名乗りを上げて、メディアとマスメディア双方から様々な推測と不確定情報が垂れ流された。
科学技術に聡い研究者、倫理や人権問題に詳しい専門家、有名オカルト雑誌の編集長、単なるテレビマン、有象無象の一般人。
真実は何かなんて関係無く、どれもこれもNOT THE GAMEを面白可笑しく取り上げている。
当然プライバシーの問題にも焦点が当てられ、NOT THE GAMEは禁止して、今すぐゲーム機を回収すべきという声も上がった。
いつものヒステリックで声の大きな集団だが、その意見にはそれなりの支持が集まった。
しかし反対の支持も大きく、誰が仕掛けたかすら判明しないNOT THE GAMEを禁止するまでには至らない。
一部の独裁国家と共産主義国家、それらに近い国ではNOT THE GAMEを危険な物として早々に禁止とする発表をしたが、それが逆にNOT THE GAMEをプレイしたい欲を駆り立てた。
誰が。
何の為に。
どんな技術を使って。
煮ても焼いても叩き潰そうとしても、傷一つ付ける事の出来ない謎のゲーム機。
この技術を軍事転用すれば、世界の覇権を握るのも容易と言って過言ではない。
件の国々では、政府によるゲーム機の回収が進められている―――。
さて、そんなこんながあれど、変わらぬ日常という時間の流れる国もある。
例えば日本なんかは、その国の一つであり、NOT THE GAMEのプレイヤーが1人、成木原裕哉は、いつもと変わらぬ時間に校門を潜った。
口元を押えて大欠伸している原因は、寝る前にスマートフォンを触りながら考え事をしていて、中々寝付けなかったせいだ。
緩く結んだネクタイが少々だらしなく、細くて柔らかい髪が寝癖でぴょこんと跳ねている。
それらはほんのり寝坊した事に起因しない、いつも通りの日常的光景であった。
そう、これが成木原裕哉にとっての日常。
日常が、昨日までの非日常に染め挙げられるのは、校舎に入る直前の事だった。
「おーい!成木原君!おはよーう!」
背後、随分と遠くから聞こえる女声。
あまり学校で目立ちたくない成木原としては、無視して校舎に入ろうかとも考えた。
しかし一瞬にして考えを改める。
『昨日招木猫にしていた激ヤバなムーブ。あれをされたら事だ』
成木原は立ち止まって振り向くと、カモシカのような足で全力疾走する東雲鈴音の姿があった。
相変わらず、眩しいぐらいに完成度の高い外見をしている。
「ふにゃぁ、ナルキンにゃ。おはようにゃ」
そして眠そうな声で背中に抱き着く招木猫。
前門のカモシカ後門の猫。
兎にも角にも、朝から非日常な注目を集めたモブキャラの成木原裕哉は、決まりが悪そうに苦笑してやれやれと首を振ったのであった。
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