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プロローグ
㊱オワリノハジマリはじまりはじまり
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7月8日 日曜日 天気は曇りのち雨
日記を書くのなんて小学校の夏休み以来だが、どうにも文字にして残しておかなければならないと思って筆を執っている。
筆を執るだなんて言い回しは、少しばかり気取り過ぎているだろうか。
兎に角、俺は今日起こった事を、出来るだけ詳細に、ここに書き残しておく。
8時起床。
平日よりはゆっくりな時間に目を覚まして、朝食は苺ジャムを塗った食パンとコーンポタージュのカップスープ、電子レンジで温めたホットミルクで済ませた。
ホットミルクには砂糖で甘さを加えると気分が落ち着く。
普段は入れない砂糖を入れたのは、何となく気持ちがそわそわしていたからだろうか。
母の様子は変わりなし。
オイラはリビングのソファーで腹を見せてグースカ寝ていた。
食事をしながらスマホを確認すると、東雲鈴音から『本当に今日は来ないのかい?』と残念顔のスタンプを添えたメッセージが入っていた。
東雲鈴音は招木猫と水族館へ遊びに行くらしく、数日前から一緒に行こうと何度もオファーを受けていた。
ふたりは現実世界がパラレルワールドになっているかもしれないという、俺の妄言を信用してくれているから、その面でも行動を共にする意味があると判断しての誘いだろうが。
行きたい欲求にドゴンドゴンぶち込まれる180㎞の直球に何とか耐えて、全ての誘いを跳ね除けた。
陰キャ寄りの俺が高校のトップ美女ふたりの誘いを断るとか、他の男子にバレたら一発ずつ尻にタイキックを食らう展開だろう。
閑話休題。
遊びの誘いを断った明確な理由は、特にない。
捻り出すとするならば、自分の中に燻る鬱々とした不安、NOT THE GAMEに対する疑念が大き過ぎて、遊びに出たところで一緒になって楽しめる自信がなかったからだ。
テレビを付けてザッピングしてみたが、興味をそそられる番組はなかった。
ニュース番組や情報番組でも、今やNOT THE GAMEの話題は殆んど見ない。
世間は些細な異常事態だったら案外すんなりと順応するし、順応すれば興味をなくす。
SNSには、早くもNOT THE GAME引退を宣言する者が溢れているし。
NOT THE GAMEについての新しい情報なんかは殆んど出なくなった。
9時頃に柊からメッセージが入って、窓越しに話をした。
暑いから俺の部屋にくればと誘ったが、「年頃の女の子を部屋に招き入れるのは、その子が好きって意味なんだよ?」と謎の論理を披露されて、そのまま話をする事になった。
オイラが暑いから閉めろと吠えるもんで、ついでに柊に紹介したら、「今すぐそっちに行くね」と言って、結局部屋に来たんだが。
好きか嫌いかで言えば間違いなく好きだけれど、恋愛感情かと言われると、よくわからないとしか言えない。
因みに柊の見立てでは、オイラは何度も姿は見掛けるけれど、絶対に触らせてくれない野良犬だったそうだ。
柊の膝がよっぽど気に入ったのか、腹を見せて爆睡して撫で放題だったけれど。
あんな蕩けるような雌顔の幼馴染は初めて見たぞ…。
11時。
両親と出掛ける予定があると言って、柊は帰っていった。
そこで何を血迷ったのか、俺は何となしに制服へ着替えて学校に向かった。
成績は並、出席日数も十分に足りている、3年間帰宅部の俺が、日曜に学校へ行く理由なんて一つもない。
そんな俺が閑散とした校舎を歩いていたら、合法不審者か3年生出会い厨としか思われないだろう。
けれども何となく、俺は学校の校門を潜った。
校庭では野球部がシートノックを行っていた。
毎年一回戦負けの野球部は、今年こそ甲子園出場だと言って盛り上がっていた。
弱小校には多過ぎる5人の女子マネージャーは、洗濯や備品の整理で忙しそうに動き回っていた。
1年生のマネージャーがすってんころりんとして洗濯物をぶちまけ。
ついでに体操着のズボンがずり落ちて純白の布をパンモロしていたのは鮮明に覚えている。
パンモロ自体にエロさはまるでなく、パンモロガン見勢の俺に気付いて恥ずかしそうに頬を赤らめた表情の方が、よっぽど癖を刺激したと記しておく。
誰かに読まれるリスクがあるのに、こんなん書いて失敗したなとは思っているし、気付いている。
体育館では毎年一回戦負けの男子バスケ部が『バスケがしたいです』ごっこに興じていて、そこそこ強豪の女子バスケ部にコートを明け渡していた。
奴らは今年も一回戦負けだろう。
校舎に入って1階から見て回ると、イケメン養護教諭のいる保健室が怪我をした女子で満員電車状態になっていた。
見なかった事にした。
2階に上がると、3つの教室で補習が行われていた。
美女外国人英語教師のケイティ先生と嫌われ数学教師の角田がいたので英語と数学は確定。
あと一つはよく知らない新任教師だからわからない。
3階に上がり、3‐Bの自分の席に着いてスマホを取り出した。
時間は11時50分。
東雲鈴音から、満面の笑みの東雲鈴音と口を尖らせた招木猫のツーショットが届いていた。
『どういう状況?』と返事をしておいた。
冷房の入っていない教室は暑い。
隣の席の女子が普段使っているハンディ扇風機を無断で借りて涼みながらスマホを操作していると、「成木原君?」と声がした。
廊下に目を向けると、痩せっぽちで眼鏡を掛けた齋藤真吾の姿があった。
俺は確か、「齋藤か。用も無いのに休みの日の学校に来ちゃう俺について、どう考える?」とか何とかって言葉を返したんだったか。
すると齋藤は、「勉強熱心で学校を愛する姿勢は生徒会長に相応しいと思う!成木原君が生徒会長だったら、とても平和な学校になるんじゃないかなって、心の底から思うよ!」って言ってた。
あいつ、俺と喋る時の目がガチだから、居心地悪いを通り越して、ちょっと気持ちが悪いんだ。
過大評価も甚だしいのもあるし。
好意を向けられるのは、別に悪い気分ではないんだけれど。
何となしに齋藤と合流して、何となしに世間話をしながら、何となしに屋上に移動した。
何となしに連絡先を交換すると、時間は11時55分。
街を見下ろしながら、NOT THE GAMEって良く出来てるよななんて話をしていると、屋上のドアが開いて一人の男が現れた。
鮫島凌。
胸ポケットに手を突っ込んでいるのを見るに、屋上で煙草でも吸いに来たのだろう。
ここからは更に詳細に書くが、「おお?齋藤じゃねぇか。今日の俺はツイてるぜぇ。パチンコ行くから1万貸せよ」と言って鮫島はこちらに近付いて来た。
齋藤は拳を強く握って震えていた。
単なる恐怖なのか、強い決意を秘めたものなのかは計りかねたが、確かに齋藤は震えていた。
鮫島は齋藤の前で立ち止まると、俺に目を向けて、「齋藤は俺の金蔓だかんな?こいつに手を出したら、成木原もどうなるかわかるよなぁ?」と言った。
鬼ヤンキー鮫島の鋭い視線。
誰彼構わず噛み付き、射殺すような視線を受けて。
俺は特に何の感想も抱かなかった。
普通ならば恐怖する場面なのだろうが、そう言えば鮫島って見た目は怖いし冷酷で残忍なヤンキーって言われてるけれど、具体的な武勇伝ってあったっけ?なんて冷静に考察していたりした。
その間に鮫島は震える齋藤の肩を抱いて、「さっさと出せや」と齋藤を脅した。
俺はただ成り行きを見守っていると、予想外の事が起こった。
齋藤が鮫島の腕を払い除けて、明確に反意を示したのだ。
齋藤は、「僕はもうお前の言う事なんて聞かない!」と口にして、鮫島の頬を殴った。
人を殴り慣れていないからだろう。
殴ると言うよりも撫でると言った方が正確だろうか。
鮫島は反抗されると思っていなかったのか、驚いた様子で目を剥いた。
そして俺でも恐ろしくなるくらいに齋藤を睨み、浮き出たこめかみの血管で、沸き立つ程に怒り狂っているのを見せ付けた。
ああ、齋藤終わったな…。
そんな感想を抱いた瞬間だった。
「かはっ…なん…だぁ…これぇ…」
突然鮫島の腹から多量の血が滲みだした。
血反吐を吐き、膝から崩れる鮫島。
何が起きているのかわからず、鮫島は首をぐらぐらさせながら腹を押える。
「何…だよ…。何…なん…だよぉ…」
そして鮫島はうつ伏せになって倒れた。
腹の血は止まる様子もなく、鮫島の周りに血溜まりを作る程に広がった。
「齋藤…。もしかしてこれって…」
口にしながら目を向けると、齋藤は見た事もない程に嬉々とした表情で鮫島を見下していた。
NOT THE GAMEがサービスを開始して8日目の日本時間12時。
全世界同時刻に大量死が起こった。
人類史上最大の死亡事件だと、全人類が理解した。
NOT THE GAMEで死亡した人間は、プレイヤーNPCを問わず、現実世界で同じ死に方をする。
死までの猶予は7日間。
NOT THE GAMEは現実世界とリンクした―――。
日記を書くのなんて小学校の夏休み以来だが、どうにも文字にして残しておかなければならないと思って筆を執っている。
筆を執るだなんて言い回しは、少しばかり気取り過ぎているだろうか。
兎に角、俺は今日起こった事を、出来るだけ詳細に、ここに書き残しておく。
8時起床。
平日よりはゆっくりな時間に目を覚まして、朝食は苺ジャムを塗った食パンとコーンポタージュのカップスープ、電子レンジで温めたホットミルクで済ませた。
ホットミルクには砂糖で甘さを加えると気分が落ち着く。
普段は入れない砂糖を入れたのは、何となく気持ちがそわそわしていたからだろうか。
母の様子は変わりなし。
オイラはリビングのソファーで腹を見せてグースカ寝ていた。
食事をしながらスマホを確認すると、東雲鈴音から『本当に今日は来ないのかい?』と残念顔のスタンプを添えたメッセージが入っていた。
東雲鈴音は招木猫と水族館へ遊びに行くらしく、数日前から一緒に行こうと何度もオファーを受けていた。
ふたりは現実世界がパラレルワールドになっているかもしれないという、俺の妄言を信用してくれているから、その面でも行動を共にする意味があると判断しての誘いだろうが。
行きたい欲求にドゴンドゴンぶち込まれる180㎞の直球に何とか耐えて、全ての誘いを跳ね除けた。
陰キャ寄りの俺が高校のトップ美女ふたりの誘いを断るとか、他の男子にバレたら一発ずつ尻にタイキックを食らう展開だろう。
閑話休題。
遊びの誘いを断った明確な理由は、特にない。
捻り出すとするならば、自分の中に燻る鬱々とした不安、NOT THE GAMEに対する疑念が大き過ぎて、遊びに出たところで一緒になって楽しめる自信がなかったからだ。
テレビを付けてザッピングしてみたが、興味をそそられる番組はなかった。
ニュース番組や情報番組でも、今やNOT THE GAMEの話題は殆んど見ない。
世間は些細な異常事態だったら案外すんなりと順応するし、順応すれば興味をなくす。
SNSには、早くもNOT THE GAME引退を宣言する者が溢れているし。
NOT THE GAMEについての新しい情報なんかは殆んど出なくなった。
9時頃に柊からメッセージが入って、窓越しに話をした。
暑いから俺の部屋にくればと誘ったが、「年頃の女の子を部屋に招き入れるのは、その子が好きって意味なんだよ?」と謎の論理を披露されて、そのまま話をする事になった。
オイラが暑いから閉めろと吠えるもんで、ついでに柊に紹介したら、「今すぐそっちに行くね」と言って、結局部屋に来たんだが。
好きか嫌いかで言えば間違いなく好きだけれど、恋愛感情かと言われると、よくわからないとしか言えない。
因みに柊の見立てでは、オイラは何度も姿は見掛けるけれど、絶対に触らせてくれない野良犬だったそうだ。
柊の膝がよっぽど気に入ったのか、腹を見せて爆睡して撫で放題だったけれど。
あんな蕩けるような雌顔の幼馴染は初めて見たぞ…。
11時。
両親と出掛ける予定があると言って、柊は帰っていった。
そこで何を血迷ったのか、俺は何となしに制服へ着替えて学校に向かった。
成績は並、出席日数も十分に足りている、3年間帰宅部の俺が、日曜に学校へ行く理由なんて一つもない。
そんな俺が閑散とした校舎を歩いていたら、合法不審者か3年生出会い厨としか思われないだろう。
けれども何となく、俺は学校の校門を潜った。
校庭では野球部がシートノックを行っていた。
毎年一回戦負けの野球部は、今年こそ甲子園出場だと言って盛り上がっていた。
弱小校には多過ぎる5人の女子マネージャーは、洗濯や備品の整理で忙しそうに動き回っていた。
1年生のマネージャーがすってんころりんとして洗濯物をぶちまけ。
ついでに体操着のズボンがずり落ちて純白の布をパンモロしていたのは鮮明に覚えている。
パンモロ自体にエロさはまるでなく、パンモロガン見勢の俺に気付いて恥ずかしそうに頬を赤らめた表情の方が、よっぽど癖を刺激したと記しておく。
誰かに読まれるリスクがあるのに、こんなん書いて失敗したなとは思っているし、気付いている。
体育館では毎年一回戦負けの男子バスケ部が『バスケがしたいです』ごっこに興じていて、そこそこ強豪の女子バスケ部にコートを明け渡していた。
奴らは今年も一回戦負けだろう。
校舎に入って1階から見て回ると、イケメン養護教諭のいる保健室が怪我をした女子で満員電車状態になっていた。
見なかった事にした。
2階に上がると、3つの教室で補習が行われていた。
美女外国人英語教師のケイティ先生と嫌われ数学教師の角田がいたので英語と数学は確定。
あと一つはよく知らない新任教師だからわからない。
3階に上がり、3‐Bの自分の席に着いてスマホを取り出した。
時間は11時50分。
東雲鈴音から、満面の笑みの東雲鈴音と口を尖らせた招木猫のツーショットが届いていた。
『どういう状況?』と返事をしておいた。
冷房の入っていない教室は暑い。
隣の席の女子が普段使っているハンディ扇風機を無断で借りて涼みながらスマホを操作していると、「成木原君?」と声がした。
廊下に目を向けると、痩せっぽちで眼鏡を掛けた齋藤真吾の姿があった。
俺は確か、「齋藤か。用も無いのに休みの日の学校に来ちゃう俺について、どう考える?」とか何とかって言葉を返したんだったか。
すると齋藤は、「勉強熱心で学校を愛する姿勢は生徒会長に相応しいと思う!成木原君が生徒会長だったら、とても平和な学校になるんじゃないかなって、心の底から思うよ!」って言ってた。
あいつ、俺と喋る時の目がガチだから、居心地悪いを通り越して、ちょっと気持ちが悪いんだ。
過大評価も甚だしいのもあるし。
好意を向けられるのは、別に悪い気分ではないんだけれど。
何となしに齋藤と合流して、何となしに世間話をしながら、何となしに屋上に移動した。
何となしに連絡先を交換すると、時間は11時55分。
街を見下ろしながら、NOT THE GAMEって良く出来てるよななんて話をしていると、屋上のドアが開いて一人の男が現れた。
鮫島凌。
胸ポケットに手を突っ込んでいるのを見るに、屋上で煙草でも吸いに来たのだろう。
ここからは更に詳細に書くが、「おお?齋藤じゃねぇか。今日の俺はツイてるぜぇ。パチンコ行くから1万貸せよ」と言って鮫島はこちらに近付いて来た。
齋藤は拳を強く握って震えていた。
単なる恐怖なのか、強い決意を秘めたものなのかは計りかねたが、確かに齋藤は震えていた。
鮫島は齋藤の前で立ち止まると、俺に目を向けて、「齋藤は俺の金蔓だかんな?こいつに手を出したら、成木原もどうなるかわかるよなぁ?」と言った。
鬼ヤンキー鮫島の鋭い視線。
誰彼構わず噛み付き、射殺すような視線を受けて。
俺は特に何の感想も抱かなかった。
普通ならば恐怖する場面なのだろうが、そう言えば鮫島って見た目は怖いし冷酷で残忍なヤンキーって言われてるけれど、具体的な武勇伝ってあったっけ?なんて冷静に考察していたりした。
その間に鮫島は震える齋藤の肩を抱いて、「さっさと出せや」と齋藤を脅した。
俺はただ成り行きを見守っていると、予想外の事が起こった。
齋藤が鮫島の腕を払い除けて、明確に反意を示したのだ。
齋藤は、「僕はもうお前の言う事なんて聞かない!」と口にして、鮫島の頬を殴った。
人を殴り慣れていないからだろう。
殴ると言うよりも撫でると言った方が正確だろうか。
鮫島は反抗されると思っていなかったのか、驚いた様子で目を剥いた。
そして俺でも恐ろしくなるくらいに齋藤を睨み、浮き出たこめかみの血管で、沸き立つ程に怒り狂っているのを見せ付けた。
ああ、齋藤終わったな…。
そんな感想を抱いた瞬間だった。
「かはっ…なん…だぁ…これぇ…」
突然鮫島の腹から多量の血が滲みだした。
血反吐を吐き、膝から崩れる鮫島。
何が起きているのかわからず、鮫島は首をぐらぐらさせながら腹を押える。
「何…だよ…。何…なん…だよぉ…」
そして鮫島はうつ伏せになって倒れた。
腹の血は止まる様子もなく、鮫島の周りに血溜まりを作る程に広がった。
「齋藤…。もしかしてこれって…」
口にしながら目を向けると、齋藤は見た事もない程に嬉々とした表情で鮫島を見下していた。
NOT THE GAMEがサービスを開始して8日目の日本時間12時。
全世界同時刻に大量死が起こった。
人類史上最大の死亡事件だと、全人類が理解した。
NOT THE GAMEで死亡した人間は、プレイヤーNPCを問わず、現実世界で同じ死に方をする。
死までの猶予は7日間。
NOT THE GAMEは現実世界とリンクした―――。
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