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第3章
別荘
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俺らが座席に大人しく座ると、篠宮は自分のリュックからトランプを出した。
それを見た真生は目を輝かせた。
「おー! カードゲーム! 優希、勝負しようぜ。負けたらジュース奢りだからな」
俺は「その話乗った」と言うと、篠宮からトランプを受け取り全員に配った。
1時間30分くらいかかっただろうか、電車は鎌倉駅に着き、俺らはそこから江ノ電という小さい電車に乗り換えた。
俺の片手には戦利品のジュース。ドヤ顔で真生の目の前で飲んでやった。
悔しがる真生の肩を篠宮がポンポンと叩き慰めていた。
そして、七里ヶ浜という駅で降りる。目の前はもう、すぐそこが海だ。
改札を出ると、そこに1人の同い年くらいの女が立っていた。
「優希~! 真生~!」
そいつは俺らを見つけると、名前を呼びながら手を振った。
俺と真生、そして篠宮、優珠、春野も彼女を見て固まる。
「な、だっ、誰だよ、あの美人!!」
篠宮が俺と真生を交互に見て「紹介しろよ!!」と言ってきたが、優希の記憶を探ってみてもその女は出てこない。
色白で髪は銀色ストレートロング。瞳は赤色と水色のオッドアイ。身長は俺と同じくらい。
ーー誰だこのスタイル抜群の異世界から抜け出たような美少女は。
俺と真生は顔を見合わせて、少し考えた。が、全て察するのに時間はかからなかった。
そして、その女のところまで2人して猛ダッシュ。
「「女神か!?」」
俺らが小声でそう聞くと、その女はニコッと笑った。
「気配消してるのによく分かったね!」
「俺ら2人のことを知ってるのは女神しかいないだろ」
真生が、呆れたように言う。
「何しに来た?」
俺がそう言うと女神はほっぺたを膨らましながら言う。
「最近つまらなかったのよねー。まさかここまで来て、私を仲間外れにするとか、ないよねえ?」
俺と真生は「うわーこの女……」って顔して女神から顔を背けた。
「あ、初めまして皆さん! 私、優希と真生の友達です! 雪白佳奈っていうので、よろしくね!」
ーーもう、好きなようにしてくれ。
俺はもう面倒くさくなり、全てどーでも良くなってきていた。
「ねえねえ! その瞳コンタクト!?」
「オッドアイっていうんだよな、めっちゃかっけえー!」
「髪、染めてるの? すごく綺麗!」
俺と真生がうんざりとした顔をしている横で、篠宮と春野と優珠3人は興味津々に女神に話しかけていた。
佳奈という女神も加わり、俺ら6人は駅から少し坂を登った所にある、小洒落た一軒家に到着した。
「素敵~~!!」
優珠と春野が目を輝かせる。
『電車に初めて乗ったってことは、お前も始めてきたんだろ?』
俺は真生にテレパシーで語りかけた。
『あぁ、記憶操作した時、家族の記憶も全部見させてもらって。その時、この別荘の存在も知ってさ。ずっと海外生活だったから、たまに日本に帰ってきた時は俺の家族、ここに泊まってたんだよ。家族の記憶では俺も一緒にな』
『なるほど』
俺らは、玄関の鍵を開けて中に入る真生に続く。なんだか新しい木の香りがした。
二階建てで、玄関入ると正面に2階に上がる階段。右には10帖はある開けたリビングスペースとキッチン。
「ここの部屋は、ばーちゃんの寝室だから開けないでな~」
真生は玄関入って左の部屋を指さしながら言った。
「トイレと風呂は?」
篠宮が聞くと、真生が指を指す。
「そこ。階段通り越して突き当たり」
「リビングひろーい! 窓おっきい~!」
春野が興奮気味にあっち見たりこっち見たりしている。
「夕方くらいに母さんも到着するから、とりあえず荷物置いて、俺らはそれまで楽しもうぜ!」
そう言って真生は階段を指さした。
「2階行くぞ!」
俺達は真生について2階に上がる。
階段を上がると左にはすぐに部屋があり、右には廊下。その先に2部屋あるようだった。
「この左の部屋は両親の寝室だから、立ち入り禁止な」
そして右の方向を指さして真生は言った。
「んで、そっちの2部屋、女子と男子で1部屋ずつ使おう」
俺らは男子と女子に分かれてそれぞれ部屋に入り、荷物を置きに行った。
「あー! 重かった!」
篠宮はそう言って荷物を置くと、その場に大の字に寝そべった。
部屋にはテーブルがひとつ置いてあるだけで何にも無かった。
ーー床は畳か。良いな。
俺はキョロキョロと周りを見渡し、奥まで進むと窓を開ける。
「ベランダ、隣の部屋と繋がってるのか」
「あー、そうそう。女子の部屋と繋がってるからな。特に篠宮、覗くなよ~」
「覗かねーよ!!」
「11時か……この後どうすんの?」
俺がそう聞くと真生は即答した。
「そりゃあ、ここまで来たんだから鎌倉観光しないでどうするのさ!」
篠宮がうなずく。
「確かにそうだ! とりあえず昼飯! んで観光だな!!」
それを見た真生は目を輝かせた。
「おー! カードゲーム! 優希、勝負しようぜ。負けたらジュース奢りだからな」
俺は「その話乗った」と言うと、篠宮からトランプを受け取り全員に配った。
1時間30分くらいかかっただろうか、電車は鎌倉駅に着き、俺らはそこから江ノ電という小さい電車に乗り換えた。
俺の片手には戦利品のジュース。ドヤ顔で真生の目の前で飲んでやった。
悔しがる真生の肩を篠宮がポンポンと叩き慰めていた。
そして、七里ヶ浜という駅で降りる。目の前はもう、すぐそこが海だ。
改札を出ると、そこに1人の同い年くらいの女が立っていた。
「優希~! 真生~!」
そいつは俺らを見つけると、名前を呼びながら手を振った。
俺と真生、そして篠宮、優珠、春野も彼女を見て固まる。
「な、だっ、誰だよ、あの美人!!」
篠宮が俺と真生を交互に見て「紹介しろよ!!」と言ってきたが、優希の記憶を探ってみてもその女は出てこない。
色白で髪は銀色ストレートロング。瞳は赤色と水色のオッドアイ。身長は俺と同じくらい。
ーー誰だこのスタイル抜群の異世界から抜け出たような美少女は。
俺と真生は顔を見合わせて、少し考えた。が、全て察するのに時間はかからなかった。
そして、その女のところまで2人して猛ダッシュ。
「「女神か!?」」
俺らが小声でそう聞くと、その女はニコッと笑った。
「気配消してるのによく分かったね!」
「俺ら2人のことを知ってるのは女神しかいないだろ」
真生が、呆れたように言う。
「何しに来た?」
俺がそう言うと女神はほっぺたを膨らましながら言う。
「最近つまらなかったのよねー。まさかここまで来て、私を仲間外れにするとか、ないよねえ?」
俺と真生は「うわーこの女……」って顔して女神から顔を背けた。
「あ、初めまして皆さん! 私、優希と真生の友達です! 雪白佳奈っていうので、よろしくね!」
ーーもう、好きなようにしてくれ。
俺はもう面倒くさくなり、全てどーでも良くなってきていた。
「ねえねえ! その瞳コンタクト!?」
「オッドアイっていうんだよな、めっちゃかっけえー!」
「髪、染めてるの? すごく綺麗!」
俺と真生がうんざりとした顔をしている横で、篠宮と春野と優珠3人は興味津々に女神に話しかけていた。
佳奈という女神も加わり、俺ら6人は駅から少し坂を登った所にある、小洒落た一軒家に到着した。
「素敵~~!!」
優珠と春野が目を輝かせる。
『電車に初めて乗ったってことは、お前も始めてきたんだろ?』
俺は真生にテレパシーで語りかけた。
『あぁ、記憶操作した時、家族の記憶も全部見させてもらって。その時、この別荘の存在も知ってさ。ずっと海外生活だったから、たまに日本に帰ってきた時は俺の家族、ここに泊まってたんだよ。家族の記憶では俺も一緒にな』
『なるほど』
俺らは、玄関の鍵を開けて中に入る真生に続く。なんだか新しい木の香りがした。
二階建てで、玄関入ると正面に2階に上がる階段。右には10帖はある開けたリビングスペースとキッチン。
「ここの部屋は、ばーちゃんの寝室だから開けないでな~」
真生は玄関入って左の部屋を指さしながら言った。
「トイレと風呂は?」
篠宮が聞くと、真生が指を指す。
「そこ。階段通り越して突き当たり」
「リビングひろーい! 窓おっきい~!」
春野が興奮気味にあっち見たりこっち見たりしている。
「夕方くらいに母さんも到着するから、とりあえず荷物置いて、俺らはそれまで楽しもうぜ!」
そう言って真生は階段を指さした。
「2階行くぞ!」
俺達は真生について2階に上がる。
階段を上がると左にはすぐに部屋があり、右には廊下。その先に2部屋あるようだった。
「この左の部屋は両親の寝室だから、立ち入り禁止な」
そして右の方向を指さして真生は言った。
「んで、そっちの2部屋、女子と男子で1部屋ずつ使おう」
俺らは男子と女子に分かれてそれぞれ部屋に入り、荷物を置きに行った。
「あー! 重かった!」
篠宮はそう言って荷物を置くと、その場に大の字に寝そべった。
部屋にはテーブルがひとつ置いてあるだけで何にも無かった。
ーー床は畳か。良いな。
俺はキョロキョロと周りを見渡し、奥まで進むと窓を開ける。
「ベランダ、隣の部屋と繋がってるのか」
「あー、そうそう。女子の部屋と繋がってるからな。特に篠宮、覗くなよ~」
「覗かねーよ!!」
「11時か……この後どうすんの?」
俺がそう聞くと真生は即答した。
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