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第一章 大いなる海竜種
17 もうこれカリスマとかそういうレベルの話じゃない
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「……大丈夫か?」
「はは、見ての通りピンピンしてるぞ」
「いや、心が……」
大勢の冒険者の後に階段を上りきると、心配そうにベネディクトが声をかけてきた。そっ、と差し出されたふかふかのタオルに顔を埋める。
静かに蹲って身体を縮こまらせた。
泣いてなんかないやい。
背中をベネディクトにさすられて、余計心の汗が滲み出す。ベネディクト、お前本当に優しいな……。天はニ物を与えずとか言うけどこいつは美青年だし優しいし言うこと無しじゃねぇか……。
そうしていると、カツカツと足音が歩いてきて、すぐそばで止まった。目をやると、鎧に包まれた足が立っている。
「王子、出航の準備が整ったぞ」
「ああ、ハチス、ありがとう」
「そこの旅人殿も、掃除を徹底させているとはいえ、そんなに蹲っていると汚れるぞ?」
「あ、はいすみません」
取り敢えず立ちあがるとパンパン、とその声の主が服をはたいて埃を落としてくれた。
その人は鎧を身に纏った長身の女性で、勝気そうな目をしている。
ありがとうございます、と礼を言うと彼女は気にするな、と言って胸に手を当てた。
「私はマリテ王国護衛隊隊長、ハチス·サマウィングだ。位は大佐、今回の総指揮の役を受け持っている」
「和ノ国のアカリといいます。今回は援護役として参加させてもらいます」
続いた自己紹介に返すと、アカリ殿だな、よろしく。と、手を差し出された。
それを握って、よろしくお願いします、と言う。
彼女の手は甲まで鋼に覆われているが、手の平は手袋に覆われていた。力強く握られた手に心強さを感じる。布の上からでも、鍛錬を積み重ねてきた証拠である堅い手がよく分かった。
「既に妹君は船室に、医師殿は医務室に案内させてもらった。貴殿にも簡単に艦内の案内を私の部下にさせよう。
……おーい、誰か手の空いてる奴来ーい‼」
ふと乱暴な口調に変わった大佐が声を上げると、至るところからわらわらと船員が集まってくる。
「呼びましたか隊長‼」
「どうも来ました貴女の犬です隊長‼」
「機関班を代表して来ました隊長‼」
大佐からブチっと音が聞こえた気がした。
「馬鹿野郎私が呼んだのは手が空いてる奴っつったろ‼
ボブ手前今日の飯当番だろあとリサお前は人間だそして仕事に戻れレオ並びに機関班ブッ飛ばされてぇのか出航直前だろ機関班誰一人欠ける事なく機関室にいろ‼」
ノンブレスで言い放った彼女にきゃいきゃいと集まってきた船員達が騒ぐ。
きゃぴきゃぴしすぎてなんか少しこわい。
「分かりました隊長野菜好きですもんね野菜多めに入れときます‼」
「きゃー、人間って言って貰っちゃった私には勿体無いお言葉です隊長ぉ‼」
「機関班としてこの隊の心臓という機関の隊長の元に来ました‼」
「頼むから言葉の通じる奴が来てくれ‼」
とうとう大佐が頭を抱えてしまった。
うわぁ、大変そう……。というかこれ、カリスマとかそういうので括っていいもんなのか……?
他にも船員が集まってくるが、皆ことごとく追い返される。
「ちゃんと仕事終わらせてから来い‼」
「呼びました?」
「だーかーらー、仕事を……って、ヴェーチェル」
「はい、ヴェーチェルです」
聞こえた柔らかな声に大佐が言おうとして、その勢いが弱くなった。
その声の持ち主は髪の長い穏やかそうな女性で、耳の形からエルフ族であることが伺えた。
彼女は大佐と俺を見て、なるほど案内ですね、と頷く。
「船室でよろしいでしょうか?」
「ああ、頼んだ。お前なら安心だ」
「分かりました。……私は副隊長のヴェーチェルと申します。位は中佐、今回は後方支援を任されています」
「ヴェーチェル中佐ですね、アカリです、よろしくお願いします」
挨拶をして、こちらですと歩き出した彼女を追う前に大佐とベネディクトに向き直る。
「では大佐殿、失礼します。……ベネディクトも、気を遣ってくれてありがとうな」
「ああ、また後で」
「別にいいって。朝食は沖に出てからだから、その時また呼びに行く」
「ありがとう」
言葉を交わした後、船内へと入る。扉のところで待っていてくれていた中佐の元へと走った。
「わざわざ待って貰ってすみません」
「いえいえ。では簡単に医務室と食堂をご案内してからお部屋までお連れしますね」
「お願いします」
中佐に声をかけて歩きだす。鎧ではなく、丈の長い軍服の裾がひらひらと揺らめいた。後方支援の彼女は重い鎧よりも動きやすい布の軍服なのだろう。海の王国の軍服らしく青を基調としたそれは涼やかに見える。
歩いていると、中佐が口を開いた。
「アカリ殿はこの護衛隊についてどれ程ご存知ですか?」
「……一般に知られている事位なら」
マリテ王国軍護衛隊。
主に王族の護衛や特殊な作戦を遂行する精鋭部隊。戦闘班、機関班、調査班、医務班に分かれており、それらをまとめるのが参謀部。そしてその上に隊長や副隊長などの指揮官がいる。
あとは、直線戦争等には関わらない部隊の為か、ベテランよりも実力で選ばれた若い隊員が多いという事だ。……その分変人揃いだという噂だが。
そう言うと、中佐はニコリと微笑んだ。
「そこまでご存知なら十分です。……あと、変人揃いというのは噂ではなく事実ですね」
隊員も大体十代二十代ですし、と話す彼女にそっと気になったことを聞く。
「中佐殿もとてもお若そうに見えますが、そのお年で中佐で副隊長って凄いですね。……えっと失礼ですが、おいくつなんですか?」
そろりと言った俺の言葉に彼女はあらまあ‼ と目を細めて笑った。
「若いだなんて、いくつに見えます?」
「……えっ、十九とか、二十くらいに……」
「あらあら‼」
堪えられない、というように手を口元に持っていって笑いながら言う。
「私、こう見えてもうすぐ二十七なんですよ」
「ええっ⁉」
嘘でしょもう三十路前なんですか。
驚愕の俺の表情を見てひとしきり笑った彼女は元は傭兵であったことを教えてくれた。
「ある程度稼いだら帰るつもりだったのですが、祖国が滅ぼされてしまい、帰るところが無くなったので稼いだ報酬でこの国の士官学校に入ったんです。ハチスちゃんはその時の同級生なんですよ」
「ちょ、そんなこと軽く教えてくれていいんですか」
「ふふふ、十年も前の事です。もう痛くも痒くもありませんよ。……元々半分滅びかけだったので傭兵に出たのですし」
国に残った兄も無事でしたし。
そう言うのを見て、本人がそう言うのならいいのだろうか、と考える。今二十七歳で十年前と言ったら十七歳、俺と同い年だ。もし俺が今和ノ国が滅びたと言われて、十年後、こんなふうに割り切ることができるだろうか。わからない。
気まずくなって、ああそうだ、と話題を変える。
「中佐殿や大佐殿って、けっこう王宮に出入りしているんですか?」
これも気になっていたことだ。
三日前、王宮で出会ったアルバート王子。彼が部屋から出て行った直後に聞こえた怒鳴り声がどうも大佐の声に似ていた気がするのだ。
ガシャンガシャンという鎧を着たまま走っているような足音も同時に聞こえたし。もしこの予感が当たっているならば、護衛隊隊長とはいえ、一応仕えている立場である彼女が何故あのような口のききかたをしているのかが気になる。それにベネディクトにも敬語を使っていなかった。
中佐はそりゃ護衛隊ですからね、と言う。
「けっこう、というより職場がそこですね。入ったばかりの新人の人とかは門番などの外の仕事ですが。
ああでも、ハチスちゃんは王国軍の将軍の娘さんでして。幼い頃から遊び相手として出入りしていたそうで、王子たちの幼馴染なんですよ。
中でもアルバート王子とは同い年ということもあって、一際仲がいいようです」
「なるほど」
そう頷くと、彼女は何かを察したように続ける。
「ちなみに三日前アルバート王子がハチスちゃんに追いかけ回されていたのは貴族の娘さんとのお見合いをその方と二人で画策してバックレたからですね」
「そりゃ追いかけ回されますね……」
何やってんですか、アルバート王子。そんなに結婚したくないんですか。
その必死さに苦笑いをすると中佐はそのままピッと指を立て、これは有名な話なのですが、と付け加える。
「アルバート王子はハチスちゃんを自分のお嫁さんにしたいようで、しょっちゅう求婚しては蹴り飛ばされているんですよ」
「蹴るって……。それって一蹴って意味ですか、物理的にって意味ですか?」
「物理的にですねー」
昨晩の飛び膝蹴りはすごかったです。と真面目な顔で言うので思わず吹き出してしまった。彼女もくすくすと笑う。
「ハチスちゃんも悪くは思ってないはずなんですけどね、私がいなかったらこの隊の馬鹿共の面倒は誰が見るんだって聞かないんですよ。
……まぁ、隊長大好きな私たち隊員からすると嬉しいんですけどね」
「愛されてますねー」
「ふふふ、もう本当に」
他にも色んなことを話しながら歩いていると、すぐに医務室に着いた。
「はは、見ての通りピンピンしてるぞ」
「いや、心が……」
大勢の冒険者の後に階段を上りきると、心配そうにベネディクトが声をかけてきた。そっ、と差し出されたふかふかのタオルに顔を埋める。
静かに蹲って身体を縮こまらせた。
泣いてなんかないやい。
背中をベネディクトにさすられて、余計心の汗が滲み出す。ベネディクト、お前本当に優しいな……。天はニ物を与えずとか言うけどこいつは美青年だし優しいし言うこと無しじゃねぇか……。
そうしていると、カツカツと足音が歩いてきて、すぐそばで止まった。目をやると、鎧に包まれた足が立っている。
「王子、出航の準備が整ったぞ」
「ああ、ハチス、ありがとう」
「そこの旅人殿も、掃除を徹底させているとはいえ、そんなに蹲っていると汚れるぞ?」
「あ、はいすみません」
取り敢えず立ちあがるとパンパン、とその声の主が服をはたいて埃を落としてくれた。
その人は鎧を身に纏った長身の女性で、勝気そうな目をしている。
ありがとうございます、と礼を言うと彼女は気にするな、と言って胸に手を当てた。
「私はマリテ王国護衛隊隊長、ハチス·サマウィングだ。位は大佐、今回の総指揮の役を受け持っている」
「和ノ国のアカリといいます。今回は援護役として参加させてもらいます」
続いた自己紹介に返すと、アカリ殿だな、よろしく。と、手を差し出された。
それを握って、よろしくお願いします、と言う。
彼女の手は甲まで鋼に覆われているが、手の平は手袋に覆われていた。力強く握られた手に心強さを感じる。布の上からでも、鍛錬を積み重ねてきた証拠である堅い手がよく分かった。
「既に妹君は船室に、医師殿は医務室に案内させてもらった。貴殿にも簡単に艦内の案内を私の部下にさせよう。
……おーい、誰か手の空いてる奴来ーい‼」
ふと乱暴な口調に変わった大佐が声を上げると、至るところからわらわらと船員が集まってくる。
「呼びましたか隊長‼」
「どうも来ました貴女の犬です隊長‼」
「機関班を代表して来ました隊長‼」
大佐からブチっと音が聞こえた気がした。
「馬鹿野郎私が呼んだのは手が空いてる奴っつったろ‼
ボブ手前今日の飯当番だろあとリサお前は人間だそして仕事に戻れレオ並びに機関班ブッ飛ばされてぇのか出航直前だろ機関班誰一人欠ける事なく機関室にいろ‼」
ノンブレスで言い放った彼女にきゃいきゃいと集まってきた船員達が騒ぐ。
きゃぴきゃぴしすぎてなんか少しこわい。
「分かりました隊長野菜好きですもんね野菜多めに入れときます‼」
「きゃー、人間って言って貰っちゃった私には勿体無いお言葉です隊長ぉ‼」
「機関班としてこの隊の心臓という機関の隊長の元に来ました‼」
「頼むから言葉の通じる奴が来てくれ‼」
とうとう大佐が頭を抱えてしまった。
うわぁ、大変そう……。というかこれ、カリスマとかそういうので括っていいもんなのか……?
他にも船員が集まってくるが、皆ことごとく追い返される。
「ちゃんと仕事終わらせてから来い‼」
「呼びました?」
「だーかーらー、仕事を……って、ヴェーチェル」
「はい、ヴェーチェルです」
聞こえた柔らかな声に大佐が言おうとして、その勢いが弱くなった。
その声の持ち主は髪の長い穏やかそうな女性で、耳の形からエルフ族であることが伺えた。
彼女は大佐と俺を見て、なるほど案内ですね、と頷く。
「船室でよろしいでしょうか?」
「ああ、頼んだ。お前なら安心だ」
「分かりました。……私は副隊長のヴェーチェルと申します。位は中佐、今回は後方支援を任されています」
「ヴェーチェル中佐ですね、アカリです、よろしくお願いします」
挨拶をして、こちらですと歩き出した彼女を追う前に大佐とベネディクトに向き直る。
「では大佐殿、失礼します。……ベネディクトも、気を遣ってくれてありがとうな」
「ああ、また後で」
「別にいいって。朝食は沖に出てからだから、その時また呼びに行く」
「ありがとう」
言葉を交わした後、船内へと入る。扉のところで待っていてくれていた中佐の元へと走った。
「わざわざ待って貰ってすみません」
「いえいえ。では簡単に医務室と食堂をご案内してからお部屋までお連れしますね」
「お願いします」
中佐に声をかけて歩きだす。鎧ではなく、丈の長い軍服の裾がひらひらと揺らめいた。後方支援の彼女は重い鎧よりも動きやすい布の軍服なのだろう。海の王国の軍服らしく青を基調としたそれは涼やかに見える。
歩いていると、中佐が口を開いた。
「アカリ殿はこの護衛隊についてどれ程ご存知ですか?」
「……一般に知られている事位なら」
マリテ王国軍護衛隊。
主に王族の護衛や特殊な作戦を遂行する精鋭部隊。戦闘班、機関班、調査班、医務班に分かれており、それらをまとめるのが参謀部。そしてその上に隊長や副隊長などの指揮官がいる。
あとは、直線戦争等には関わらない部隊の為か、ベテランよりも実力で選ばれた若い隊員が多いという事だ。……その分変人揃いだという噂だが。
そう言うと、中佐はニコリと微笑んだ。
「そこまでご存知なら十分です。……あと、変人揃いというのは噂ではなく事実ですね」
隊員も大体十代二十代ですし、と話す彼女にそっと気になったことを聞く。
「中佐殿もとてもお若そうに見えますが、そのお年で中佐で副隊長って凄いですね。……えっと失礼ですが、おいくつなんですか?」
そろりと言った俺の言葉に彼女はあらまあ‼ と目を細めて笑った。
「若いだなんて、いくつに見えます?」
「……えっ、十九とか、二十くらいに……」
「あらあら‼」
堪えられない、というように手を口元に持っていって笑いながら言う。
「私、こう見えてもうすぐ二十七なんですよ」
「ええっ⁉」
嘘でしょもう三十路前なんですか。
驚愕の俺の表情を見てひとしきり笑った彼女は元は傭兵であったことを教えてくれた。
「ある程度稼いだら帰るつもりだったのですが、祖国が滅ぼされてしまい、帰るところが無くなったので稼いだ報酬でこの国の士官学校に入ったんです。ハチスちゃんはその時の同級生なんですよ」
「ちょ、そんなこと軽く教えてくれていいんですか」
「ふふふ、十年も前の事です。もう痛くも痒くもありませんよ。……元々半分滅びかけだったので傭兵に出たのですし」
国に残った兄も無事でしたし。
そう言うのを見て、本人がそう言うのならいいのだろうか、と考える。今二十七歳で十年前と言ったら十七歳、俺と同い年だ。もし俺が今和ノ国が滅びたと言われて、十年後、こんなふうに割り切ることができるだろうか。わからない。
気まずくなって、ああそうだ、と話題を変える。
「中佐殿や大佐殿って、けっこう王宮に出入りしているんですか?」
これも気になっていたことだ。
三日前、王宮で出会ったアルバート王子。彼が部屋から出て行った直後に聞こえた怒鳴り声がどうも大佐の声に似ていた気がするのだ。
ガシャンガシャンという鎧を着たまま走っているような足音も同時に聞こえたし。もしこの予感が当たっているならば、護衛隊隊長とはいえ、一応仕えている立場である彼女が何故あのような口のききかたをしているのかが気になる。それにベネディクトにも敬語を使っていなかった。
中佐はそりゃ護衛隊ですからね、と言う。
「けっこう、というより職場がそこですね。入ったばかりの新人の人とかは門番などの外の仕事ですが。
ああでも、ハチスちゃんは王国軍の将軍の娘さんでして。幼い頃から遊び相手として出入りしていたそうで、王子たちの幼馴染なんですよ。
中でもアルバート王子とは同い年ということもあって、一際仲がいいようです」
「なるほど」
そう頷くと、彼女は何かを察したように続ける。
「ちなみに三日前アルバート王子がハチスちゃんに追いかけ回されていたのは貴族の娘さんとのお見合いをその方と二人で画策してバックレたからですね」
「そりゃ追いかけ回されますね……」
何やってんですか、アルバート王子。そんなに結婚したくないんですか。
その必死さに苦笑いをすると中佐はそのままピッと指を立て、これは有名な話なのですが、と付け加える。
「アルバート王子はハチスちゃんを自分のお嫁さんにしたいようで、しょっちゅう求婚しては蹴り飛ばされているんですよ」
「蹴るって……。それって一蹴って意味ですか、物理的にって意味ですか?」
「物理的にですねー」
昨晩の飛び膝蹴りはすごかったです。と真面目な顔で言うので思わず吹き出してしまった。彼女もくすくすと笑う。
「ハチスちゃんも悪くは思ってないはずなんですけどね、私がいなかったらこの隊の馬鹿共の面倒は誰が見るんだって聞かないんですよ。
……まぁ、隊長大好きな私たち隊員からすると嬉しいんですけどね」
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