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第一章 大いなる海竜種
28 いついかなる時も冷静に
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「ハルイチ、さん……?」
ハルイチさんはフンと鼻を鳴らすと担いでいる旗を示す。……いつの間にそんなの出してたんだろう。
「何の為に戦う術を持たん我が付いてきたと思っているをどうせあいつは無茶無謀が標準装備、こうなることは想定内だ」
意味が分からない。つたり彼はこの事態を予想していたってこと?
訝しげな目を向ける私に彼は肩を竦めると待っていろ、と言った。
「三分……いや、一分で見つけよう」
すると担いでいた旗を下ろしてそれを地面に突き刺す。重みで旗の先が地面に刺さって周りの土が盛り上がる。
それと同時に旗に霊力が流し込まれ、旗を基点として霊力が地面に、壁に沿って広がっていく。薄暗い洞窟を翡翠みたいな薄緑色の霊力が駆け巡り、一瞬洞窟中が輝いて歓声のような声が上がった。
やがて、その霊力がするすると旗に集結してきて、吸い込まれるように消える。霊術、道具、そして文字の未使用。
古代霊術だ。
反射的にそう感じた。
霊力が収まると彼は閉じていた目を開き、すらすると言葉を紡ぎ始める。
「……ここから約三十メートル下、西へ大体百メートル。四人一緒だ。あの医師の小僧と共にいた竜もいる。別の子竜もいるが問題はあるまい。
あとメイ、アカリは通信魔術に用いる魔術具を持っているぞ。この距離なら性能はともかく、こちらから魔力を流し込めば通じるだろう」
言われてハッとする。この間ランさんを二人でつけた時に使ったブレスレット。それだ。それをポケットを弄って取り出した。魔力を流し込んで、通信を開始する。少しして繋がった気配がしたので、応答を待たずに言った。
「兄ちゃん‼ 無事⁉ 生きてる⁉」
向こうからうおっという声が聞こえて応答が来た。
“あ、ああ。こっちはなんとか。そっちはどうだ?”
そのいつもどおりの声に安心して思わずへたれこむ。泣きそうになったけど唇を噛んで耐えた。ここで泣いたら兄ちゃんが心配する。
「こっちも大丈夫。四人一緒みたいだけど、全員怪我とかはない?」
“おー、元気元気。ワーナーさんが助けてくれたから。ランはルリといるし、ベネディクトは付いてきた子竜と遊んでる”
のんきだなぁ。それに苦笑すると横からハルイチさんが言う。
「ハルイチだ、元気そうでよかった。ところで、伝えたいことがあるからベネットかワーナーに代われるか?」
“わかった”
小さくワーナーさーん、と聞こえる。雑音がして、はい、というワーナーさんの綺麗な声が聴こえた。
「ワーナーの方か」
“王子は子竜と戯れるのに忙しいようなので、俺が聞きます”
確かに彼の声の背後からベネディクトさんの笑い声が聞こえる。あ、兄ちゃんのも聞こえてきた。楽しそう、いいなぁ。てか子竜ってなに。
「まったくあいつは……。まあいい、お前たちが今いる場所は謂わばこの巣のメインストリート、一番主要な通路だ。竜玉までの最短ルートとも言える。しかしその分多くの竜の存在を察知した。我は言うことしかできんが……。心して、進め」
“……了解しました”
では、切りますねという声と共に通信が途切れる。それを確認したハルイチさんは黙ってずっと聞いていた隊長さんとレヴィさんに向いた。
「わかったろう、ベネットは無事だ。我々はこの道を行こう」
それに無言で頷いた二人を見て彼は満足そうに笑う。
隊長さんが声を上げた。
「王子は無事だ。竜玉の間で合流、我々はこれまで通り進むぞ」
_________________
「では、切りますね」
俺と代わって通話をしていたワーナーさんが通信を切る。そしてこちらに向くと手に持ったブレスレットを示して言った。
「ハルイチ殿から伝言ですよォ。ここはこの巣の最も主要な通路で、竜玉までの最短ルートらしいです。ですがその分竜も多くいるそうなので、心して進めとのお言葉でした」
「ああ。ありがとう、レニー」
ずっと竜と遊んでいたベネディクトが竜を抱えて立ち上がる。
……割と重かった気がするのだが片手で軽々と抱えているのは筋肉量の違いだろうか。鍛え方が違うのだろうか。……駄目だ遠い目になる。俺は平均より少しはあるはず、うん。……うん。
「ここはまだ巣の上層部だから、この下流の方に竜玉があるだろう。ラッキーなことにこの岸は暫く続いているみたいだし、このまま歩いて行けばなんとかなるだろう」
水に落ちたらまずいから気をつけろな、子竜に笑いかけた彼はワーナーさんに言った。
「レニー。浄化と結界、頼めるか?」
「勿論ですよォ」
ワーナーさんが進む方角に手をかざすと瞬く間に瘴気が晴れ、同時に結界も張られていく。まるで水で洗い流されたかのようだ。
「おぉ……」
「うわぁ……」
ランと二人で息を飲んでそれを見ていると、ベネディクトが笑って行こうぜ、と言った。
「そういやさ」
浄化をしながら歩くワーナーさんの後ろを歩きながらランに聞く。
「ルリって、浄化出来ただろ?」
あの森ではそれに随分助けられた。だが、その能力をここで使用していないのは何故だろうと思ったのだ。
「……ああ、何でしないかってことだね」
彼はすぐに察したようで説明を始めてくれた。
……時々、これだけ知識があるランはそれだけいい家の生まれなんじゃないかと思う。あくまで俺の勘だけど。
「ルリはさっきも言ったけど、淡水の竜なんだ。それで海水がそばにあるここでは思い通りに魔力を使えなくてね。だから浄化できないんだよ」
「へぇ……」
これでルリへの疑問は晴れたが、他にも疑問がある。竜が浄化をすることが可能なら、何故この巣は生き残った竜たちによって浄化されていないのか。
するとそれも察したのかランが付け加えた。
「ここの竜の魔力は由来が竜玉だから、その竜玉を通された瘴気には通用しなかったんだと思うよ。瘴気は魔力や霊力が変質したものだからね。自分で自分を攻撃するようなものだよ」
分かりやすい彼の説明で理解できた。彼に礼を言って気分が晴れると、ふとこれまで忘れていた感覚を覚える。
腹減った……。
ポケットに手を入れて何かないか探してみるが残念なことに何も入っていない。よくよく考えたら島で色々と貰ってポケットに詰め込んだお菓子はここまでの船旅で全部食べてしまっていた。くっそもっと持って来ときゃよかった。
「ん、アカリ、腹減ったのか?」
「まあ、おう……」
ベネディクトが振り向いて言う。彼は意外だな、と笑った。
「街でも思ったけど、お前って結構大食らいだよな。けっこう細いのに」
「ヒョロいって言うな」
「言ってないって」
仕方ないだろ、と口を尖らせてしまう。
霊術に使う霊力は魔力のように自身で生成することが出来ないので、他から摂取するしかない。ストックしておかないといざという時に大変な事になるし、俺の使う舞刀術は霊力の消費がハンパじゃない。いつでも使えるように刀に常に微量の霊力を流し込んでりゃ、そりゃ腹も減る。
すると目の前に手が出された。見るとベネディクトが俺にパンを差し出している。
「非常食で持って来たけど、俺はいらないから。……あ、空間魔術で作った異空間に入れてたから濡れてないぞ‼」
「……いいのか?」
微笑んで頷く彼にありがとうと言って齧り付く。
パンは固めに焼かれたレーズンパンで、少し咀嚼に苦労するがレーズンの酸味がアクセントで美味い。
はぐはぐと食べながら歩いていると、ワーナーさんに踏み外さないでくださいよォ、と呆れたように言われた。さすがにそこまでドジじゃない。
ハルイチさんはフンと鼻を鳴らすと担いでいる旗を示す。……いつの間にそんなの出してたんだろう。
「何の為に戦う術を持たん我が付いてきたと思っているをどうせあいつは無茶無謀が標準装備、こうなることは想定内だ」
意味が分からない。つたり彼はこの事態を予想していたってこと?
訝しげな目を向ける私に彼は肩を竦めると待っていろ、と言った。
「三分……いや、一分で見つけよう」
すると担いでいた旗を下ろしてそれを地面に突き刺す。重みで旗の先が地面に刺さって周りの土が盛り上がる。
それと同時に旗に霊力が流し込まれ、旗を基点として霊力が地面に、壁に沿って広がっていく。薄暗い洞窟を翡翠みたいな薄緑色の霊力が駆け巡り、一瞬洞窟中が輝いて歓声のような声が上がった。
やがて、その霊力がするすると旗に集結してきて、吸い込まれるように消える。霊術、道具、そして文字の未使用。
古代霊術だ。
反射的にそう感じた。
霊力が収まると彼は閉じていた目を開き、すらすると言葉を紡ぎ始める。
「……ここから約三十メートル下、西へ大体百メートル。四人一緒だ。あの医師の小僧と共にいた竜もいる。別の子竜もいるが問題はあるまい。
あとメイ、アカリは通信魔術に用いる魔術具を持っているぞ。この距離なら性能はともかく、こちらから魔力を流し込めば通じるだろう」
言われてハッとする。この間ランさんを二人でつけた時に使ったブレスレット。それだ。それをポケットを弄って取り出した。魔力を流し込んで、通信を開始する。少しして繋がった気配がしたので、応答を待たずに言った。
「兄ちゃん‼ 無事⁉ 生きてる⁉」
向こうからうおっという声が聞こえて応答が来た。
“あ、ああ。こっちはなんとか。そっちはどうだ?”
そのいつもどおりの声に安心して思わずへたれこむ。泣きそうになったけど唇を噛んで耐えた。ここで泣いたら兄ちゃんが心配する。
「こっちも大丈夫。四人一緒みたいだけど、全員怪我とかはない?」
“おー、元気元気。ワーナーさんが助けてくれたから。ランはルリといるし、ベネディクトは付いてきた子竜と遊んでる”
のんきだなぁ。それに苦笑すると横からハルイチさんが言う。
「ハルイチだ、元気そうでよかった。ところで、伝えたいことがあるからベネットかワーナーに代われるか?」
“わかった”
小さくワーナーさーん、と聞こえる。雑音がして、はい、というワーナーさんの綺麗な声が聴こえた。
「ワーナーの方か」
“王子は子竜と戯れるのに忙しいようなので、俺が聞きます”
確かに彼の声の背後からベネディクトさんの笑い声が聞こえる。あ、兄ちゃんのも聞こえてきた。楽しそう、いいなぁ。てか子竜ってなに。
「まったくあいつは……。まあいい、お前たちが今いる場所は謂わばこの巣のメインストリート、一番主要な通路だ。竜玉までの最短ルートとも言える。しかしその分多くの竜の存在を察知した。我は言うことしかできんが……。心して、進め」
“……了解しました”
では、切りますねという声と共に通信が途切れる。それを確認したハルイチさんは黙ってずっと聞いていた隊長さんとレヴィさんに向いた。
「わかったろう、ベネットは無事だ。我々はこの道を行こう」
それに無言で頷いた二人を見て彼は満足そうに笑う。
隊長さんが声を上げた。
「王子は無事だ。竜玉の間で合流、我々はこれまで通り進むぞ」
_________________
「では、切りますね」
俺と代わって通話をしていたワーナーさんが通信を切る。そしてこちらに向くと手に持ったブレスレットを示して言った。
「ハルイチ殿から伝言ですよォ。ここはこの巣の最も主要な通路で、竜玉までの最短ルートらしいです。ですがその分竜も多くいるそうなので、心して進めとのお言葉でした」
「ああ。ありがとう、レニー」
ずっと竜と遊んでいたベネディクトが竜を抱えて立ち上がる。
……割と重かった気がするのだが片手で軽々と抱えているのは筋肉量の違いだろうか。鍛え方が違うのだろうか。……駄目だ遠い目になる。俺は平均より少しはあるはず、うん。……うん。
「ここはまだ巣の上層部だから、この下流の方に竜玉があるだろう。ラッキーなことにこの岸は暫く続いているみたいだし、このまま歩いて行けばなんとかなるだろう」
水に落ちたらまずいから気をつけろな、子竜に笑いかけた彼はワーナーさんに言った。
「レニー。浄化と結界、頼めるか?」
「勿論ですよォ」
ワーナーさんが進む方角に手をかざすと瞬く間に瘴気が晴れ、同時に結界も張られていく。まるで水で洗い流されたかのようだ。
「おぉ……」
「うわぁ……」
ランと二人で息を飲んでそれを見ていると、ベネディクトが笑って行こうぜ、と言った。
「そういやさ」
浄化をしながら歩くワーナーさんの後ろを歩きながらランに聞く。
「ルリって、浄化出来ただろ?」
あの森ではそれに随分助けられた。だが、その能力をここで使用していないのは何故だろうと思ったのだ。
「……ああ、何でしないかってことだね」
彼はすぐに察したようで説明を始めてくれた。
……時々、これだけ知識があるランはそれだけいい家の生まれなんじゃないかと思う。あくまで俺の勘だけど。
「ルリはさっきも言ったけど、淡水の竜なんだ。それで海水がそばにあるここでは思い通りに魔力を使えなくてね。だから浄化できないんだよ」
「へぇ……」
これでルリへの疑問は晴れたが、他にも疑問がある。竜が浄化をすることが可能なら、何故この巣は生き残った竜たちによって浄化されていないのか。
するとそれも察したのかランが付け加えた。
「ここの竜の魔力は由来が竜玉だから、その竜玉を通された瘴気には通用しなかったんだと思うよ。瘴気は魔力や霊力が変質したものだからね。自分で自分を攻撃するようなものだよ」
分かりやすい彼の説明で理解できた。彼に礼を言って気分が晴れると、ふとこれまで忘れていた感覚を覚える。
腹減った……。
ポケットに手を入れて何かないか探してみるが残念なことに何も入っていない。よくよく考えたら島で色々と貰ってポケットに詰め込んだお菓子はここまでの船旅で全部食べてしまっていた。くっそもっと持って来ときゃよかった。
「ん、アカリ、腹減ったのか?」
「まあ、おう……」
ベネディクトが振り向いて言う。彼は意外だな、と笑った。
「街でも思ったけど、お前って結構大食らいだよな。けっこう細いのに」
「ヒョロいって言うな」
「言ってないって」
仕方ないだろ、と口を尖らせてしまう。
霊術に使う霊力は魔力のように自身で生成することが出来ないので、他から摂取するしかない。ストックしておかないといざという時に大変な事になるし、俺の使う舞刀術は霊力の消費がハンパじゃない。いつでも使えるように刀に常に微量の霊力を流し込んでりゃ、そりゃ腹も減る。
すると目の前に手が出された。見るとベネディクトが俺にパンを差し出している。
「非常食で持って来たけど、俺はいらないから。……あ、空間魔術で作った異空間に入れてたから濡れてないぞ‼」
「……いいのか?」
微笑んで頷く彼にありがとうと言って齧り付く。
パンは固めに焼かれたレーズンパンで、少し咀嚼に苦労するがレーズンの酸味がアクセントで美味い。
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