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三話 海で女友達と出会う
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「邦史郎くん泳がないの? 」
砂浜に敷いたシートの上に座り、地平線を眺めていたら、女友達にそう声をかけられる。
(なんで海来てんだ!俺!)
京馬とケンカして家を飛び出した後、大学時代の男友達に連絡したら、みんなそろって近くの海水浴場に来ているというから合流した。
断じて、浮気などではない。
海パン姿の男たち、ビキニの女たちが、海で泳いだり、砂浜で駆け回っている。
それを見て、邦史郎の胸が本能的にさわぐ。
(きゃー。筋肉きゃー。きゃー。ビキニきゃー)
京馬と違って、バイである邦史郎には最高のご褒美だった。
「ねえ、ってば」
「ああ、ごめん。海パン持ってくるの忘れてさ」
「なんで海来るのに、水着忘れるのよー」
彼女は大学の頃のゼミの仲間で、就職してからもよく遊んでいた。
手足が細いわりには巨乳で巨尻、そんでもって、腹まわりにも若干の肉がついている。
最高だ。
邦史郎の大好物である。
服を着た姿を見ていたときは、こんなにも肉付きのいい子だとは思ってなかった。
しかし何度も言うが、浮気をするつもりは毛頭ない。
邦史郎は、へらっと笑って
「家飛び出し来ちゃってさ」
と応えた。
「あーもしかして同棲中?」
「まあ、はい」
察しがいい。
「邦史郎くん、格好いいもんね」
「え」
「人の話聞くの上手いし。ほら、あそこの三人なんてさ」ーーなんて言って、彼女は海ではしゃぎまくる男友達を指差す。
「えー、あいつら格好いいじゃん!俺より筋肉あるしさ!ほらあの上腕二頭筋なんて…!」
「あれは筋肉つきすぎ。もう少し華奢な方がいいのよ」
「そ、そうなの? 」
「私はね。ーーねえ邦史郎くんは、どんな人が好み?」
「うーん、女だったら脱いだら凄いんです系? 」
「女だったら、って何?」
「ああいや……。ーーあ、そうそう! 腹フェチだから、座った時にお腹が2段になる子がいい! 」
「ちょっと、お腹周り見ないでよ~?」
女の子は笑ってそう言った。
その時、強い海風が吹き、二人は思わず体勢を崩す。
慌てて後ろに手をつくが、吹き上がった砂で目はやられた。
「だ、大丈夫…?」
目を擦りながら、邦史郎はそう言った。
顔を上げた時には、女の子が邦史郎に被さるようにして、倒れていた。
「ごめん!」
驚いた彼女は慌てて体勢を戻した全然大丈夫、と邦史郎は笑って言う。
ある異変に気付いたのはその時だ。
(げ。)
下半身がおかしい。下半身がおかしかったのだ。
隠すように膝を立てると、咄嗟に女の子が呟いた。
「あの…さ、ちょっと勃、ってる…よね?」
(ひ…っ!)
まさか友達に指摘されるなんて。
顔から火が出そうなほど恥ずかしかった。
ていうか、なんで倒れた拍子に反応するんだ、オレ。
むしろそっとしておいて欲しかったと、邦史郎は切実に思った。
「ご、ごめん…! 」
「いや、いいんだけど。ちょっとびっくりした」
彼女は笑った。
「最近、ご無沙汰?」
「は?!」
「その……同棲中の彼女とうまくいってないのかなって 」
女の子は真剣な眼差しでそう尋ねてくる。邦史郎は羞恥でその場を何とかしたい一心だったが、どういうわけか彼女は逃がしてくれない。
それどころか、邦史郎の熱を帯びたそれを見てこう言った。
「触っていい…? 」
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