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これは偶然?
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お気に入りの帽子をかぶって、そんなに手持ちの服は多くなく、一番新しくて良いグリーンのお出かけ用の服を着て劇場へ向かった。お嬢様がくれたのは、巷で流行っている恋愛ものの観劇だった。そういえば、すごい人気らしく、3回も観に行った人もいると聞いたことがある。
男の方と一緒に劇場へ来ている人も多かったが、中には一人で観に来ている人もいるようだった。わたしが誰かと一緒に来るとしたら誰がいいでしょうか?もしできるなら、セオドア様と来れたら嬉しいかもしれ……な、なにを考えてるのでしょう?そんなことありえません。
チケットを拝見しまーすと声をかけられて、見せる。
「アナベル?」
ふと背後から声をかけられる。この声は!?
「セオドア様ーーっ!?」
なんでここにいるのでしょう!?わたしは驚きすぎて挨拶がしっかりできず、名前だけ叫んでしまった。
「アナベルも、この劇を観に来たのか?」
「は、はいっ。リアン様にチケットを頂いて、その……内容を教えてほしいと言われまして。セオドア様はこの劇に興味を持たれて……?」
セオドア様が劇に興味を持っているなんて知らなかった。ましてや恋愛ものでとは意外すぎます。首を横に倒し、腕を組んで考える仕草をする。この反応はなんでしょう?
「それが、陛下が、この劇の内容を知りたがっていて、俺に観てこいと言われたんだ。しかし、この内容を俺一人で理解できるだろうか?無理だという気がしてきたから一緒に隣に座って観てくれないか?後で感想などを聞かせてほしい。ダメだろうか?」
「ダメじゃありませんっ!わたしの隣でよろしければ!」
「よかった」
淡々とした表情の中に安堵の色が浮かぶのが、なんだか可愛らしく感じた。可愛らしいなんて言うと、失礼になると思ったから口に出さずにおく。
「じゃあ、行くか。しっかりと陛下に内容を伝えなければならない」
「わたしもです。リアン様へきちんとお話しなくてはなりません」
そう言うと顔を互いに見合わせてしまった。ふと気づく。
「まさか、陛下、お忍びで王妃様とでかける予定だったんじゃないか!?」
「今、わたしもそう思いました!」
二人がこっそり別々にチケットを手に持っていたことを考えると、そうとしか思えなかった。今は王と王妃という立場のため、自由が制限されている二人だけれど、わりと最近まで、リアン様も陛下も市井の私塾へ通われていたため、街をフラフラとぶらつくことなんて実はなんとも思っていないだろう。
むしろジッと王宮にいることが窮屈に感じられているのかもしれない。
「あの方が真剣に本気で頭脳を使って護衛を巻こうと思ったら、巻けるだろうな。まったく陛下に気を付けなくては」
「本当です。リアン様もそういう能力は全力で使いますからね」
「お互い、大変な人に仕えているな」
「ふふっ。セオドア様もそう考えているなんて知りませんでした」
わたしが笑うとセオドア様がまぶしそうに眼を細めて、それからそっとわたしの手をとって、言った。
「行こう。任務を遂行しよう」
はいと返事をして、握られた手が気恥ずかしくて、ドキドキする。これは仕事!仕事の一環なのよ。しっかりしなきゃ!!
そう思うのに、恋人がするようなデートの雰囲気にも似ていて、心が弾むのを抑えられない自分がいるのだった。
男の方と一緒に劇場へ来ている人も多かったが、中には一人で観に来ている人もいるようだった。わたしが誰かと一緒に来るとしたら誰がいいでしょうか?もしできるなら、セオドア様と来れたら嬉しいかもしれ……な、なにを考えてるのでしょう?そんなことありえません。
チケットを拝見しまーすと声をかけられて、見せる。
「アナベル?」
ふと背後から声をかけられる。この声は!?
「セオドア様ーーっ!?」
なんでここにいるのでしょう!?わたしは驚きすぎて挨拶がしっかりできず、名前だけ叫んでしまった。
「アナベルも、この劇を観に来たのか?」
「は、はいっ。リアン様にチケットを頂いて、その……内容を教えてほしいと言われまして。セオドア様はこの劇に興味を持たれて……?」
セオドア様が劇に興味を持っているなんて知らなかった。ましてや恋愛ものでとは意外すぎます。首を横に倒し、腕を組んで考える仕草をする。この反応はなんでしょう?
「それが、陛下が、この劇の内容を知りたがっていて、俺に観てこいと言われたんだ。しかし、この内容を俺一人で理解できるだろうか?無理だという気がしてきたから一緒に隣に座って観てくれないか?後で感想などを聞かせてほしい。ダメだろうか?」
「ダメじゃありませんっ!わたしの隣でよろしければ!」
「よかった」
淡々とした表情の中に安堵の色が浮かぶのが、なんだか可愛らしく感じた。可愛らしいなんて言うと、失礼になると思ったから口に出さずにおく。
「じゃあ、行くか。しっかりと陛下に内容を伝えなければならない」
「わたしもです。リアン様へきちんとお話しなくてはなりません」
そう言うと顔を互いに見合わせてしまった。ふと気づく。
「まさか、陛下、お忍びで王妃様とでかける予定だったんじゃないか!?」
「今、わたしもそう思いました!」
二人がこっそり別々にチケットを手に持っていたことを考えると、そうとしか思えなかった。今は王と王妃という立場のため、自由が制限されている二人だけれど、わりと最近まで、リアン様も陛下も市井の私塾へ通われていたため、街をフラフラとぶらつくことなんて実はなんとも思っていないだろう。
むしろジッと王宮にいることが窮屈に感じられているのかもしれない。
「あの方が真剣に本気で頭脳を使って護衛を巻こうと思ったら、巻けるだろうな。まったく陛下に気を付けなくては」
「本当です。リアン様もそういう能力は全力で使いますからね」
「お互い、大変な人に仕えているな」
「ふふっ。セオドア様もそう考えているなんて知りませんでした」
わたしが笑うとセオドア様がまぶしそうに眼を細めて、それからそっとわたしの手をとって、言った。
「行こう。任務を遂行しよう」
はいと返事をして、握られた手が気恥ずかしくて、ドキドキする。これは仕事!仕事の一環なのよ。しっかりしなきゃ!!
そう思うのに、恋人がするようなデートの雰囲気にも似ていて、心が弾むのを抑えられない自分がいるのだった。
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・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
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