転生先の異世界で温泉ブームを巻き起こせ!

カエデネコ

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サニーサンデーVSクイーンバーガー

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 アイスクリーム店に新商品を置くことにした。

 理由は大したことない。私が食べたいからだ!

 無論、スタッフ達の工夫や提案もあり、アイスクリームボックス、アイスケーキ、季節のアイスクリームなど色々な物があった。しかし……だ!女子が学校帰りに食べたいものといえば何かがまだ足りないだろう。

 そう。今こそ!女子高生スキルを使う時がきた!

 アイスクリーム商品開発部の会議に出席中の私はプレゼンテーションを始める。

「アイスクリームが浸透し、ますます皆に愛されているお店になっていることを嬉しく思います。いつも頑張ってくれてるスタッフには感謝しております」

 前口上にパチパチパチパチと拍手が起こる。

「新製品『クレープ』を提案します。トッピングはいろんな組み合わせです。クリーム、チョコレート、いちご、バナナ……アイスクリームを入れても良いです。後、しょっぱい系のも美味しいです。卵、唐揚げ、フライドポテトとレタス、ケチャップとかもいけます!」

 皆にどうぞどうぞと試作品を食べてもらう。

「ホイップクリームとバナナとチョコレートの組み合わせ美味しー!これは流行りそう!」

 女性スタッフが早くも甘い系のクレープに目を輝かせる。

「こっちのプリンクレープ!面白い!トロッとしたプリンともっちり生地クレープと合う!」

 私もそれ好きですと頷く。

「ポイントは学校帰り、仕事帰り、買い物の途中……手に持って気軽に食べれるという食べやすさです」

「確かに、これはアイスクリームの次に流行りますよ……でも……」

 メガネをかけた男性スタッフが言いにくそうにしょっぱい系の物を指差す。

「このポテト、唐揚げ、タマゴ、フライなどは『クイーンバーガー』とかぶっているので、どうでしょう?」

「なるほど……確かに」

 クイーンバーガーのポテトとハンバーガーは美味しかった。

「でも生地が違うからいけるんじゃない?」

「しかもクレープの形、可愛いから女子も買いやすいかも!」

 女性スタッフが推している。

「公園でデートしながら食べるなら、絶対クレープのほうが可愛くない?」

「あー、言えてる。後、持ち手の紙の部分はサニーちゃんのイラストの方が可愛いよね」

 『可愛い』連発来ました。……女子には必須の単語。スタッフの反応は悪くないわ。

「よし。試しに王都ウィンディアで売ってみましょう!」

『おー!』

 スタッフと私はとりあえず、お試しにクレープを販売することにした。

 その日は着ぐるみサニーちゃんも登場し、チラシや風船を配る。

「新しい商品!『クレープ』いかがですかーっ!?」

「食べやすく、可愛い『クレープ』でーす!」

 スタッフ達が通行人に声をかける。私はせっせとクレープ生地を焼く。

「これおいしー!」

「生地が具と合うわよねー」

 王都の流行り物好きの女の子達が集まる。なんと日傘をさして貴族の娘たちも来てくれた。普段はあまり交流がない女子同士のようだが、キャッキャッと楽しげに『何味食べてるのー?』『こっちのやつもオススメよ!』とか仲良く会話している。

 日本で言うと違う学校の友達と街で仲良くなってる感じだなぁと微笑ましく私は眺める。

 買い物帰りのおばちゃんがドドーンとやってきて、ピッと指を一本立てた。

「一つですねー!何味にされますかー!?」

「十個よ!近所の人も食べたてみたいんですって!」

 じゅ、じゅっこおおおお!?私は生地をさらに焼いていく。くっ……貯めておいた生地が!!まさかの襲来により大幅に無くなった。だが、とてもありがたいことではある。

 そこへ思いがけない人が並んでいた。

「ええええ!?ゼキさんとハリト!?どうしたの?」

「やあ!新しいものを売り出すと聞いて、敵情視察さ☆」

「敵??なんの敵ですか?」

 私がキョトンとしていると横から、スタッフが驚いだ声をあげた。

「うわ!クイーンバーガーのしゃ、社長だーっー!!」

 どうもどうもと愛想よくゼキが手を挙げている。ハリトは女子の中で気まずそーに落ち着かずソワソワしている。

「社長なの!?」

「シンがクイーンバーガーを設立したんだけと、それも譲り受けたんだ」

 なるほどー!お祖父様がハンバーガー屋さんを作ったのね!

「納得したわ……あのポテトの再現率。知っている人じゃないと無理よね」

 ブツブツと言う私にゼキは声高々に言う。

「チョコバナナクレープバニラアイスをつけて1つ☆あ、ハリトは何にする?」

「い、いちごスペシャルで……」

 めっちゃカワイイやん……関西弁に思わず心の中でツッコミをハリトに入れてしまった。

「かしこまりましたー」

 クルクルとホイップクリームを生地の上に置いていく。

「うーん、新しいことを始める才能って遺伝するのかなぁ?いいね☆これ!」

 楽しそうに作る様子を見ている。まるで子どものようだ。

「コロンブスの会社の『遊び心』という社訓に通ずる何かがあるね☆」

 そんな大層なものではない。
 繰り返す。……私が食べたかったのだ!

 ふむ……美味しいな☆と食べた後、ゼキは言った。

「クイーンバーガーも負けないよっ☆」

 その数日後、クイーンバーガーも売り出したものがあった……それは…。

「これはシェイクーーっ!!」

「アイスクリームドリンクって言ってましたよ」

 あ、つい……日本での名前が出てしまった。やるわね。転生者でもないのに。スタッフが買ってきてくれたシェイクを飲んで関心した。

「でもアイスクリームの売り上げが落ちてることはありません」

「なるほど……つまりドリンクとして頼むから影響はさほどないのね。データありがとう」

 スタッフは私達も安心しました!と言う。
 でも久しぶりのシェイク美味しいわ……。飲みきって、ふぅと溜息を吐いた。

 まさかこんなところでお祖父様の店と競うことになるとはね。転生者同士の水面下での戦いだった。
 ……なんてね。お祖父様も私も『食べたい』という衝動だけよねとクスッと笑った。
 お祖父様、私、大好きなフライドポテトを堪能させていただきました。

「思いの外、クイーンバーガーを敵に回さないで済みそうですね!あちらも売り上げ落ちてないみたいですし……」

「お食事ポジションだもね。こっちはおやつ要素が強いからねー。関係にヒビが入らなくて良かったわ」

 スタッフは負けませんけどね!とアツイ闘志を燃やしていた。

 店ではカワイイサニーちゃんが手を振っているのに、その裏では戦いが起こっているのであった。頼もしい……スタッフ達だ。
 
 領地経営の書類各種に認可の印を押していると、ふと目に止まった。『クイーンバーガーナシュレ支店の出店願い届』

 とうとうクイーンバーガーが乗り込んできた!

 ポンッと私は認可の印を押したのだった。

 
 



















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