転生先の異世界で温泉ブームを巻き起こせ!

カエデネコ

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カボチャパーティー

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「リヴィオと喧嘩でもしたのか?最近、リヴィオも口数少ないし、セイラも元気ないように思うんだが?」

 ジーニーがそう言う。喧嘩はしてないわよと笑ってみせた。それ以上聞かずにそうかと引くジーニー。

 トトとテテがやって来て、新作の発明品の犬のからくり人形を見せる。なんだか……日本でこれと似たロボット犬を見たことある気がする。

「口のところがワンワンと鳴き声出すために改良中なのだ!」

 トトが口を開けさせようとすると、からくり犬は怒って噛もうとする。意外と凶暴!?

「うわー!追いかけてくるのだー!」

 逃げる双子ちゃん。なんとか捕まえて持ってくる。

「躾けてくるのだ……」

「これはダメなのだ」

 と、失敗したのがくやしいようでトボトボ帰っていった。
 
 私が屋敷に入ろうとすると玄関に巨大なカボチャが積まれていた。ハロウィンイベント?……はこの世界にないし、なにかしら!?

「あっ!奥様ーー!」

 庭師トーマスがやってきた。

「すごいでしょう?先日、奥様はナシュレの農場へ行かれたでしょう?その時に元気がなさそうだったと言って、農場主がこれを食べて元気を出してくださいと持ってきたんですよ」

「えええー!?」

 元気が無いと気を遣わせちゃったわ。申し訳ないわ。今度、農場の方にお礼しよう。

「そうねぇ……うん……カボチャのお祭りでもしようかな」

 私もリヴィオも元気がないわけじゃない。ただ……あまりにもショックだったのだ。トーラディム王国で見た物が……。

 そのせいで、皆に心配かけちゃったわ。ジーニーもトトとテテも心配して来てくれたのね。こんなことではダメねと私は笑う。そして秋晴れの空を見上げる。青く澄んでいて、心地良い日だ。

 私はトトとテテを誘い、一緒にカボチャの中身をくり抜く。

「これはオバケなのだ?」

「でもちょっと可愛いのだ」

 カボチャの顔を作る。ランタンを持ってきて、周りに置いてみる。

「なんだか良い雰囲気だわ!ハロウィンに近づいてる!」

 カゴも置いてキャンディー、チョコレート、クッキーを入れる。布で、小さいオバケも作った。ハロウィンの飾りって怖そうだけど可愛いのよね。楽しくなってきた。

 くり抜いたカボチャはコック長のところへ持っていく。

「カボチャ料理を作りますよ!任せてください!」

 屋敷はハロウィン風で、まるでネズミの国のホーンテッ○マンション気分。メイドさんたちの服装も合うことに気づいた。私も深緑のメイド服に着替えてみる。

 トトとテテは黒の服に魔女のとんがり帽子……その姿、とってもかわいい!かわいすぎる!

「アオー!ちょっと来て!」

「なんなのじゃ?」
 
 アオは呼ばれてやって来てくれた。トトとテテと並ばせてみる。

「しばらく双子ちゃんと居てくれる?絵になるわーっ!」

「それくらい別に良いが……何の遊びをしておるのじゃ?」

 変な顔をしつつもアオは眠そうにあくびをし、双子ちゃんの横に立つ。

 ジーニーが、あれ?元気になってると笑っていた。良いところにきた。私はスーツと黒マントを渡した。

「ジーニーはこれよね。着替えて!」

「なんだこれ?」

 仮装よ!という説明になんのために?と首を傾げつつ、トトとテテにも着替えるのだ!と誘われると、とりあえず着てみてくれた。

「うわ!ジーニーとても似合う!吸血鬼スタイルが!!」

『かっこいーのだー!』

 私達に称賛されて、そうかな?と満更でもないようだった。そこへ新たな犠牲者……ではなく、リヴィオがきた。さすがに彼は日本の記憶があるから、ひと目で何をしているのか察知した。

「げっ!ま、まさか……オレの仮装の衣装もあるとかじゃ……」

 私はにーっこりほほ笑む。後退りしたリヴィオにハイッと渡した。

「まさか、リヴィオは逃げるとか言わないのだ?」

「ちゃんとパーティーに参加するのだ!」

 ジリッと追い詰められるリヴィオ。いつの間にかパーティーをすることになっているが……良いか。

 リヴィオがオレのは何の仮装だよ?と中身を見てみる。固まっている。

「リヴィオには、いかにもだけど、可愛くない?私、見てみたいなー!すごくすごーく見てみたいの!」

 期待を込めて私が言うと、うっ……と言葉に詰まりつつ、着替えてきた。

『可愛い!可愛いのだー!』
 
 トトとテテが絶叫気味に言う。私も両手を合わせて、感動する。黒服、黒の猫耳、黒い尻尾を着用している。

「ちょっとすね気味、クールな黒猫スタイル!猫耳が可愛くて……リヴィオ、いい感じよ!」
 
「褒められているのに嬉しくねーな……」

 憮然としつつ言うが、本当に似合っていた。ここまで似合うとは……。

「さて、本日のメイン!カボチャパーティーよ!」

 コック長がおまたせしましたー!とカボチャづくしの料理を披露してくれた。

 カボチャポタージュ、パン、お肉とカボチャの炒めもの、カボチャコロッケ、カボチャグラタン、カボチャのクリームパスタ、カボチャのタルト、カボチャのパイ、カボチャのプリンなど、黄金色のカボチャ料理が並ぶ。

 屋敷の使用人達にもカボチャパーティーに参加しない?と声をかける。皆、喜び、私達の姿が面白い!可愛い!と盛り上がってくれた。

「カボチャおいしい!セイラ様はメイド服になぜしたんです?」

「案内人だからよ。キャストさんなのよ」

 ???となる周りの人達。気分はホーンテッ○マンションなのよ。テーマパークとか作ってみたいかも……と頭をよぎる。

「おい?やめとけよ?ディズ○ーランドは経営大変すぎるだろ!?」  

「あら?顔に出ていた?」

 リヴィオが私の考えに気づいたようだ。これ以上、忙しいのはゴメンだと肩をすくめる。リヴィオの黒猫姿にキャー!可愛い!素敵ー!とメイドたちが興奮しているのだが、彼は気づいていない……。

「カボチャプリン、おいしーのだ!」

「セイラも食べるのだ!」

 双子ちゃんがカボチャプリンを持ってきてくれる。アオもカボチャポタージュをなかなかうまいのじゃとペロリとしている。

 ジーニーがカボチャタルトを片手にやれやれとやって来て、私とリヴィオの顔を見て、言う。

「皆、セイラとリヴィオのことを心配していたんだが、元気になってよかったよ」

「心配かけてたのね。ごめんね」

「悪かったな……」

 私とリヴィオは暗い過去の記録を見て、心が落ち込んでいたのだ。友達だけでなく、ナシュレの人達まで私達のことを気にかけてくれていた事実に驚くいたが、とても嬉しかった。

 カボチャパーティーは夜更けまで続き、ランタンの温かな灯りと共に、ジャック・オ・ランタンは笑っていた。
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