264 / 319
トトとテテ①
しおりを挟む
「フォスター家の双子は甘やかしすぎだ!」
「ちゃんと躾けろ!魔導士にさせろ!」
「変な物ばかり作らせるな!」
そんな声がいつも家にいると聞こえてきて、飽き飽きしていた。何故、皆はこの楽しい発明品たちに心を動かされないのだろう?
だけど我らは幸運だった。生まれたときから、この気持ちをわかり合えるもう一人の存在がいたから。
ある程度の年齢にくると、エスマブル学園に入学することになった。家にいては我らの良いところを潰される!と両親が心配したからだ。『特別扱いするな』と、ブーブー文句を言う兄弟たちは無視されていた。
当然なのだ!我らは未来の天才発明家なのだ!
家から出て、自由になったが、学校のカリキュラムはしっかりこなさねばならなかった。めんどくさいが、仕方ない。その代わりエスマブル学園の先生方は理解があった。『発明部』というものを立ち上げて、発明を心ゆくまでしなさいと、言ってくれた。
「また教室を吹き飛ばすなよぉ?双子ちゃーん?」
ニヤニヤとからかい出すエイデン。将軍の息子というだけのくせにいつも偉そうなのだ。
「毎回、声をかけるなんて暇人なのだ?」
「教室の前にお前を吹き飛ばしてやるのだ」
ガタッとエイデンが椅子の音をさせて、飛び退いた。いい反応なのだ。
「でも本当に、いつも変なものばーっかり作ってて、変人よね」
「ほんとほんと」
クラスメイト達がそう言う。やっぱりここでもそうなのだ。我らは異端児。誰にも理解はされないのだ。
……と、思って過ごしていた矢先だった。
「またトトとテテか!?こんな変なものを教室において!どかせよ!」
「なんだこれ!?壊してやる!」
「邪魔すぎるわ!」
その日の教室は暑かった。涼しくなれば良いと思って、巨大な羽根を取り付けた風を起こすものを置いた。
『やめるのだ!』
我らがそう言うのに、手に棒やドライバーを持ってきて壊そうとする。
「……面白そうで、良いじゃない」
ボソッと言った声は存在感があった。小さい声だったが、その一言にざわめく教室。
「セイラ………バシュレ!!」
入学してから常に首席で謎めいた雰囲気のいつも読書をしているセイラだった。本を置いて、立ち上がる。
「一生懸命作ったものを壊すなんて、どうかと思うの。私はトトとテテの作ったもの、面白くて好きよ」
「別に邪魔になんてならねーだろ?むしろスイッチいれてみよーぜ」
「リヴィオ、君ってやつは……怖いもの見たさだろう?でも今日は暑いから涼しい風を起こしてもいいかもしれないね」
廊下から公爵家のリヴィオと学園長の息子のジーニーがやってきて、セイラの意見に同意する。
「さすがなのだ!」
「じゃあ、共犯者ということで、失敗した場合、罰は一緒に受けるのだ」
『えっ!?それはちょっと!?』
3人の言葉と同時にスイッチが入れられた。
ゴオオオオオと暴風が起こる。キャー!うわー!誰かー!助けてー!飛ばされるー!と教室は大騒ぎとなった。
リヴィオがゼーゼー言いつつ、スイッチを止めに行ってくれた。さすが黒猫。身体能力が高いのだー。
「ちょっと、風が強すぎたのだ」
「ちょっと、回転を起こしすぎたのだ」
『ちょっと!?』
セイラとリヴィオとジーニーがまた声を合わせた。
その日の罰掃除は5人でしたのだった。
我らはみつけたかもしれない。我らを認めてくれる人たちと居場所を。
「ちゃんと躾けろ!魔導士にさせろ!」
「変な物ばかり作らせるな!」
そんな声がいつも家にいると聞こえてきて、飽き飽きしていた。何故、皆はこの楽しい発明品たちに心を動かされないのだろう?
だけど我らは幸運だった。生まれたときから、この気持ちをわかり合えるもう一人の存在がいたから。
ある程度の年齢にくると、エスマブル学園に入学することになった。家にいては我らの良いところを潰される!と両親が心配したからだ。『特別扱いするな』と、ブーブー文句を言う兄弟たちは無視されていた。
当然なのだ!我らは未来の天才発明家なのだ!
家から出て、自由になったが、学校のカリキュラムはしっかりこなさねばならなかった。めんどくさいが、仕方ない。その代わりエスマブル学園の先生方は理解があった。『発明部』というものを立ち上げて、発明を心ゆくまでしなさいと、言ってくれた。
「また教室を吹き飛ばすなよぉ?双子ちゃーん?」
ニヤニヤとからかい出すエイデン。将軍の息子というだけのくせにいつも偉そうなのだ。
「毎回、声をかけるなんて暇人なのだ?」
「教室の前にお前を吹き飛ばしてやるのだ」
ガタッとエイデンが椅子の音をさせて、飛び退いた。いい反応なのだ。
「でも本当に、いつも変なものばーっかり作ってて、変人よね」
「ほんとほんと」
クラスメイト達がそう言う。やっぱりここでもそうなのだ。我らは異端児。誰にも理解はされないのだ。
……と、思って過ごしていた矢先だった。
「またトトとテテか!?こんな変なものを教室において!どかせよ!」
「なんだこれ!?壊してやる!」
「邪魔すぎるわ!」
その日の教室は暑かった。涼しくなれば良いと思って、巨大な羽根を取り付けた風を起こすものを置いた。
『やめるのだ!』
我らがそう言うのに、手に棒やドライバーを持ってきて壊そうとする。
「……面白そうで、良いじゃない」
ボソッと言った声は存在感があった。小さい声だったが、その一言にざわめく教室。
「セイラ………バシュレ!!」
入学してから常に首席で謎めいた雰囲気のいつも読書をしているセイラだった。本を置いて、立ち上がる。
「一生懸命作ったものを壊すなんて、どうかと思うの。私はトトとテテの作ったもの、面白くて好きよ」
「別に邪魔になんてならねーだろ?むしろスイッチいれてみよーぜ」
「リヴィオ、君ってやつは……怖いもの見たさだろう?でも今日は暑いから涼しい風を起こしてもいいかもしれないね」
廊下から公爵家のリヴィオと学園長の息子のジーニーがやってきて、セイラの意見に同意する。
「さすがなのだ!」
「じゃあ、共犯者ということで、失敗した場合、罰は一緒に受けるのだ」
『えっ!?それはちょっと!?』
3人の言葉と同時にスイッチが入れられた。
ゴオオオオオと暴風が起こる。キャー!うわー!誰かー!助けてー!飛ばされるー!と教室は大騒ぎとなった。
リヴィオがゼーゼー言いつつ、スイッチを止めに行ってくれた。さすが黒猫。身体能力が高いのだー。
「ちょっと、風が強すぎたのだ」
「ちょっと、回転を起こしすぎたのだ」
『ちょっと!?』
セイラとリヴィオとジーニーがまた声を合わせた。
その日の罰掃除は5人でしたのだった。
我らはみつけたかもしれない。我らを認めてくれる人たちと居場所を。
1
あなたにおすすめの小説
規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜
ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。
死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる