265 / 319
トトとテテ②
しおりを挟む
「トト、なんで今日はテテの服を着てるの?それとも名札を間違えたの?」
セイラがそう言う。
「えっ?セイラはどっちがどっちか……わかるのだ?」
トトが反射的に尋ねると、セイラがわかるわよ?と首を傾げる。
「今まで、両親意外に見破られたことはなかったのだ!」
「す、すごいのだーーっ!」
「どうでもいいけど、着替えるか名札を変えるかしないと、先生に叱られるわよ?」
……トトの方が若干、実技試験が得意なので、頼もうとしていたのがバレたのだ。惜しかったのだと思いつつ、セイラの洞察力に驚いたのだ。
「はー、ネジはピカピカしてて、きれいなのだー」
「この部品のラインのカーブ……これも捨てがたい美しさなのだー」
うっとりしていると、ダフネがドン引きして言う。
「ちょ……ちょっと?大丈夫?そういえば、花壇と薬草ハウスの水やり当番したの?」
『大丈夫なのだー!』
我らは元気よく答えたのだ。なぜなら自動水やり器を設置したからなのだ!
「きゃああああ!」
ムッ!?叫び声が窓の外からきこえてきたのだ!
全員、立ち上がり、窓の外を見た。
「なんか……水柱がいくつも見えるんだけど、あんたらの仕業じゃないわよね?」
ダフネが確認するように我らに聞いた。
『知らないのだー』
「いや、絶対、知ってるだろ!?」
横にいたリヴィオがこっちを見て言った。余計なことを言わないでほしいのだ。
「……これは叱られるよね」
ジーニーがボソッと言った瞬間、我らは逃げ出した。バーンと扉を勢いよく開けて教室に入ってきたハウスを管理している先生。
『危機一髪だったのだー!』
逃げるが勝ちなのだーーーっ!
またある日は歌姫と呼ばれるニナに出会う。
「あら?あなたたちが問題児の双子ちゃん?」
『天才発明家のトトとテテなのだ』
「ふーん。私にもなにか面白いものつくりなさいよ」
「……断るのだ」
「作る気がしないのだー」
「なんでよっ!?」
「ニナの態度が好きじゃないのだ」
「ニナが気に入らないからなのだー」
歌姫はなんですってええええ!とせっかくの綺麗な顔を歪めて怒っている。そこへセイラが本を抱えて通りすがる。目の前が見えなくなりそうなくらい本を抱えている。
「あーら、学園の天才と言われるセイラ=バシュレだったかしら?」
誰?とセイラが首を傾げる。……演技?演技なのだ?まさか歌姫ニナを知らない学生がいるとは思えないのだ。
「リヴィオとジーニーが先日、悪質なファンに絡まれているところを助けてくれたのよ!」
「え?なぜ私にそんな話を?でも元気そうだし、無事だったようでなによりね」
得意げに言うニナに、セイラは表情を崩すことなく、山積みの本を落とさないように気をつけて歩いて行った。
「あなた達の学年って変人ばっかりなの?」
そうニナが言う。
………そこに我らは含まれているのであろうか?失礼なのだ!!
セイラがそう言う。
「えっ?セイラはどっちがどっちか……わかるのだ?」
トトが反射的に尋ねると、セイラがわかるわよ?と首を傾げる。
「今まで、両親意外に見破られたことはなかったのだ!」
「す、すごいのだーーっ!」
「どうでもいいけど、着替えるか名札を変えるかしないと、先生に叱られるわよ?」
……トトの方が若干、実技試験が得意なので、頼もうとしていたのがバレたのだ。惜しかったのだと思いつつ、セイラの洞察力に驚いたのだ。
「はー、ネジはピカピカしてて、きれいなのだー」
「この部品のラインのカーブ……これも捨てがたい美しさなのだー」
うっとりしていると、ダフネがドン引きして言う。
「ちょ……ちょっと?大丈夫?そういえば、花壇と薬草ハウスの水やり当番したの?」
『大丈夫なのだー!』
我らは元気よく答えたのだ。なぜなら自動水やり器を設置したからなのだ!
「きゃああああ!」
ムッ!?叫び声が窓の外からきこえてきたのだ!
全員、立ち上がり、窓の外を見た。
「なんか……水柱がいくつも見えるんだけど、あんたらの仕業じゃないわよね?」
ダフネが確認するように我らに聞いた。
『知らないのだー』
「いや、絶対、知ってるだろ!?」
横にいたリヴィオがこっちを見て言った。余計なことを言わないでほしいのだ。
「……これは叱られるよね」
ジーニーがボソッと言った瞬間、我らは逃げ出した。バーンと扉を勢いよく開けて教室に入ってきたハウスを管理している先生。
『危機一髪だったのだー!』
逃げるが勝ちなのだーーーっ!
またある日は歌姫と呼ばれるニナに出会う。
「あら?あなたたちが問題児の双子ちゃん?」
『天才発明家のトトとテテなのだ』
「ふーん。私にもなにか面白いものつくりなさいよ」
「……断るのだ」
「作る気がしないのだー」
「なんでよっ!?」
「ニナの態度が好きじゃないのだ」
「ニナが気に入らないからなのだー」
歌姫はなんですってええええ!とせっかくの綺麗な顔を歪めて怒っている。そこへセイラが本を抱えて通りすがる。目の前が見えなくなりそうなくらい本を抱えている。
「あーら、学園の天才と言われるセイラ=バシュレだったかしら?」
誰?とセイラが首を傾げる。……演技?演技なのだ?まさか歌姫ニナを知らない学生がいるとは思えないのだ。
「リヴィオとジーニーが先日、悪質なファンに絡まれているところを助けてくれたのよ!」
「え?なぜ私にそんな話を?でも元気そうだし、無事だったようでなによりね」
得意げに言うニナに、セイラは表情を崩すことなく、山積みの本を落とさないように気をつけて歩いて行った。
「あなた達の学年って変人ばっかりなの?」
そうニナが言う。
………そこに我らは含まれているのであろうか?失礼なのだ!!
1
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜
ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。
死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
侯爵家の愛されない娘でしたが、前世の記憶を思い出したらお父様がバリ好みのイケメン過ぎて毎日が楽しくなりました
下菊みこと
ファンタジー
前世の記憶を思い出したらなにもかも上手くいったお話。
ご都合主義のSS。
お父様、キャラチェンジが激しくないですか。
小説家になろう様でも投稿しています。
突然ですが長編化します!ごめんなさい!ぜひ見てください!
【完結】憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる