天才と呼ばれた彼女は無理矢理入れられた後宮で、怠惰な生活を極めようとする

カエデネコ

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噂は憶測を呼ぶ

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「リアンのことを?」

 エリックが王家の諜報部からの報告をしている。その中で引っかかるものがあった。

 『魔女の王妃』とリアンを呼ぶ集団がいるという。

 しばらく前から民たちの間で、王国の危機を王妃様が共に戦い、魔法のようなことを行い、救ってくれたと囁かれ始めたらしい。

 民たちは本当が嘘かわからないが、王妃様が国のためにしてくれたことに感謝していると……そこまではよかった。

 まるで宗教のようにリアンを神格化し『強大な魔法を使える王妃様を崇拝する』そんな輩が他の民も誘って集団を作っているという。

 グシャッとオレは紙を握りつぶした。これが大きくなればリアンにとって良くないものになる予想はできる。そのうち国にとっての難局が来た時、神格化されたリアンに期待を寄せ、なにもできない王妃だ!と矛先がいきかねない。

 そんな責任を負うのは王であるオレだけで良い。 

「リアンに内緒で、その集団を追い、ぶっ潰すぞ」

「了解しました」
 
 エリックはワクワクした顔でこちらを見ると踵を返す。すぐ行動に移す。三騎士はもともと血の気が多い。

「しかしいったい……噂の出どころはどこなんてしょうね?流してる人はいますよね」

 セオドアが後ろで佇みながら考えていたらしい。

「さぁな。リアンが戦に参加し、現場にいる者なら、あれが魔法などではないことくらいわかる。神がかった策かもしれないが、そんなものではない」

「たしかに緻密な計算のもと用いられてます」

「そうだ。だからこそオレも起用している」

 例えばリアンは天候を使った策の時も、この国の何十年という天気の統計を調べ、この時期に発生しやすい条件であると予測し、霧の中の作戦を立てている。魔法で発生させれる範囲の霧では到底ない。
 
「リアン様の努力を魔法という一言で片付けてほしくありませんね」

「そうだな……」

 セオドアもめずらしく悔しそうだった。いや、リアンの努力を知る者なら、きっとだれもがそう思うだろうな。

「とりあえず、リアンの護衛を強化する。トラスにしばらく傍につくように言っておいてくれ」

 わかりましたとセオドアは頷いて部屋を出ていく。

 この噂の出どころを突き止め、さっさと宗教じみた集団を捕まえて、吐かせるか。リアンに手を出せばどうなるか、わからせてやろう。

 そしてリアンに気づかせないように処理してしまいところだが、もしかして、もう情報を手に入れてるか?気づけばどうにかしようとするだろう。こっそり早急に片付けたいものだ。

 はあ……と頭をかかえる。リアンとまったり怠惰にすごす時間はいつくるんだーーー!?
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