我が愛しのチング

kazuayano

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我が愛しのチング

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七.
なかなか、3年2ヶ月の獄中生活をすると、ムショ呆けとゆうものが残っている。脳は機能し言葉も話せても刑務作業中は口談禁止、
脇見禁止、社会の仕事の様に世間話しをしながらおっ?ええ女がおるなぁ?なんて事は絶対に無い。
まず何の目的か、女性を観る機会がない。良く出所後にすぐ強姦、
痴漢なんて事件を見かけるが
ここら辺にも問題はあるのだろう
この獄中生活は全体的に独居生活
3畳一間で過ごす施設だった。
考えて欲しい、刑務作業中は短い休憩時間、I日30分の運動時間、
以外人と話す機会が無いのだ。
24時間中1時間ほどのものか、
そして3畳一間に戻る。ひたすら読書に励む者もいる、がお金の無い者(刑務作業で得れる作業報奨金はひと月600円程から始まる)家族、友達から差し入れの無い人間は本も買えず何も出来ず
毎日壁に染み付いた同じシミを見て過ごす。語り出すのだ1人で、
隣から大笑いが聞こえて来たり
誰かと電話でもしているのか?
当然に電話など無い。大声で唄ってる人もいる。これは何とか理解出来る。が大声で唄うと規則違反となり刑務官と喧嘩しだす者もいる。「歌ぐらい唄わせろや」
「はい、担当抗弁ね。」取調べとなり5日か10日かの懲罰となる。
これが笑えない。同じ3畳一間だが7:40頃から4:40頃まで部屋の中央にドア側、担当通路を向いて正座でも安座でも良いが座るのだ。私物物品は全て取り上げられた上で。この期間に自分の行いを反省しなさい。とは言われるけど
見てきた中ではそんな人間はまぁいなかった。懲罰仲間とでも言うのか話しまくっている。奇声を叫んでる者もいる。ドアを蹴りまくってる者もいる。厳しい、緩い施設の違いはある。ここは緩い方だった。俺は公務員とゆうのが好きになれない性格ですぐ怒鳴りつけてしまう。警察官、刑務官、何を勘違いしているのか、偉い存在だと思い込んでいる。逆らうだけで
公務執行妨害、一言の文句で簡単に懲罰と言える立場が勘違いさせているのだろう。一番嫌いな部分は高卒の様なガキが御老人に対してもおいっコラっお前、と話す所だ。これらも検事、弁護士にはペコペコだ。だからこそ六法全書を勉強しだした。
勉強したら全てがいいかげんな事に気付く、保護室内での暴行事件
これは何をするか?分からない人間を保護している。本来、起訴も出来ない警察官の不安全行動だ。
良く無期懲役や死刑が再審、逆転無罪なんて事もある。恐らくその人は必死に真剣に法律を調べ上げて光を見つけたのだろう。
そして3年2ヶ月が過ぎ独り言のスペシャリストとなって出所した真夏の暑い日だった。出所者が一番に自由を味わう瞬間は触れなかった家族、恋人に触れレストランでも行き自由に注文をしビールでも呑み、タバコでも吸った瞬間だろう。チョコレートパフェなど食べたら顔も脳も痺れてしまう。
出所寸前に想いに想った鮨や焼肉はタバコのせいなのか忘れてる。
胃が小さくなり過ぎてコンビニのまんじゅうで腹もいっぱいになる
この8月の出所から百合音との出逢い迄1年近く在ったのは幸運だった。この30回ほどの懲罰にて壁のシミと話してるままでは何度も店に呼んでくれなかっただろう。
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