我が愛しのチング

kazuayano

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我が愛しのチング

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百合音と出逢い、3ヶ月程して知った百合音の病。先ず何故チングなのか?百合音は左目の動きを悟られまいとしたのか?顔色が悪い事を見られたくないのか?大好きと言った焼肉にも今日はごめん、
とにかく付き合ってくれなかった
焼肉など何でも良い、百合音の笑った顔が見たかった。
店での百合音との会話
「百合音?チングって知ってるか?」
「あぁ私はお友達って事ね」
「普通は、一般にはそうなのかも知れない。俺は今、子供の頃からヤクザをした兄弟分に対しても言った事の無い、百合音をチングと呼ぶこれから。」
「だから、友達宣言でしょ?」
「違う、俺も韓国映画で観ただけだ。そのチングとは同朋、お前の為に死ぬのに躊躇わない。お前が死ぬ時、代わりに俺が死んでやろうって意味だ」
「はぁ?なんであんたが私の代わりに死ぬの?相変わらずアホね」

ここらの話しが百合音に通じたのかは分からない。がそのあとに店への誘いの時には
「ち~んぐ~?今日来れる?
百合音お久の出勤なのよ」

この一言に心は震えた、痺れた
チングとはお前の為に死ぬ存在だと話した上で俺をち~んぐ~と
言ってくれた。

26歳の百合音には遊び言葉だったのかも知れない

俺にだけは違った。
まだ目も肝臓も病は知らなかったが人生で初めての生命を掛けてもいいチングだったから。

酔って色気ムンムンにする女はどこにでもいる
百合音は違った、本人は呑まないのにこちらの酔い加減を見抜き
酔ったフリをし甘えた事を言ったりする、俺も散々呑み屋の女には見定める目が思う

が、最初の「こら~約束破り~」
2度とクスリをしないで!
ちゃんと仕事をしなさい。
言葉の端々に感じる母性

一方的では有るのかも知れない
が、親も何もかも越えた存在が
この百合音、いわゆるチングに生命を掛ける事に何の違和感を無くしたのかも知れない

この後数回の店での会話で
チングが自らの病を語った
これは誰も知らないから
絶対に言わないで
と半泣きになりながら
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