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成瀬 海兎

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2話「被害」

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眩しい。清々しい朝の光が瞳に差し込む。
「ここどこだ?」
空を見上げると限りない青空がひろがっていて鷲も優雅に飛んでいる。
「ハザマ・カイト様。マスター認証完了デス。」
機械音が頭で鳴り響く。
「ううっ」
不意の音に頭を抱える。
その機械音と同時に今まで広大に広がっていた青空が、優雅に飛んでいた鷲が真っ白な四角い空間へと変わる。
「アナタはジンセイをヤリナオシタイデスか?」
白い空間にパネルが現れ「はい」と「いいえ」が出てくる。
「どういうことだ?」
疑問に思いながらも快斗の指は「はい」の場所を押そうとしている。
「カクニン。よろしいですか?」
めんどくさいな。どうせ生き返るなんて無理なんだから。早くしてくれ。
「リョウカイシマシタ。それではミライをカエテ…クダサイ……。」
音にノイズがかかり始めパネルから煙が出始める。
「おい!?どういうことだ。これじゃ…この空間に逃げ場なんてないし…。」
煙を大量に吸ったのか意識が遠退く。
「まだ…だ。」
ハッと目を覚ますとそこはあの日災害にあった場面だ。快斗は目を擦って夢かと疑うがこの感覚は現実だ。
「時刻は…。災害がおきる2分前か…。」
この後何が起きるのかを知っているのは快斗のほかにいるはずもない。
「おーい。聞いてるのか?」
「少し顔色悪いわね。どこか悪くしたのかしら」
肩をぽんっと叩かれ気づく。
「あー悪ぃ。ボーッとしてた。」
「腑抜けた顔しちゃってー。」
で、何の話だか。災害がくるまで残り30秒。
とりあえず二人を救えたら合格点。それを考えて動かなければ。
まず涼にあたる瓦礫から避けなければ。
「しゃがめ!」
全力で叫ぶ俺。完全にタイミングをミスった。
不意に大声を出した俺に引く二人にまわりの生徒。
しゃがんでくれと必死に説明している最中に地震がおき始めた。
あたりは騒然としている。
二人をしゃがませることには成功した。あとは飛んでくる物から守るだけ。
「パリィンッ!」
予想通りの場所に飛んでくる。
二人も俺をみてどうしてわかった?と聞きたそうな顔をしている。
「説明は後でする。だから今は生き残るぞ。」
災害はどんどんと強さを増して地面が隆起し始め荒くなっていく。
「そろそろここも危ないから動こうか」
涼が言うと夏季も頷き動きだす。
すると奥の方からゴォォォと爆音が響く。
何事かと見ていると飛行機がこちらめがけて飛んでくる。
「おいおい…ここまでの不運って…。」
一か八か二人の手を引き昇降口へと走る…。
がしかし間に合わない。飛行機は右翼が欠けていて操縦どころではない様子。
飛行機が学校の屋上に墜落してからはあの感覚だ。校舎がくずれその断片に貫かれ視界が遠退く。夏季は…涼は…。薄れ行く記憶の中少年は祈るも途方に暮れる。
__________________________「被害」___________
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