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第十一章 運搬作業でCまでダウン?

第六話 ハーティア新公国に到着!…で、いつものパターンなんですよね…いてて…

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「うわ…!なんですかあれ!?めちゃくちゃ眩しいんですけど…!」

「エイミア!リルのデコ見て言うのは失礼ぶほっ!」

「私のおでこはそこまで光ってねえっ!眩しいのは砂漠のほうだよ!」

ず、ずびばぜん…。
最近平均より広いデコを気にして前髪を下ろしたリル。
…猫の額って言葉は獣人には当てはまらないらしい。

「あれが竜骨砂漠リザードボーンです。過酷さだけなら“八つの絶望”ディスペア・オブ・エイトを凌駕すると言われています」

「…だけなら?」

リジーが首をコテンッと傾げる。

「!…こ、この竜骨砂漠リザードボーンは迷宮ではありませんので…単なる立ち入り禁止区域です」

ロザンナさんが頬を染めてリジーを見つめてるのが怖い。

「あまりに過酷すぎてサボテンも自生してないからね…行くだけムダってことよ」

「そこまで過酷なら無理ですね…例え砂漠の真ん中に天然温泉があろうとも」

「冒険!それは未知なる場所への挑戦であり、己の限界の挑戦でもある!」

「例え何が私達の行く先に立ち塞がろうとも、私達の好奇心と探究心を止めることはできない!」

「サーチ!?リル!?」

「「さあ!いざ行かん!灼熱の砂漠のその先へ!」」

「ありませんからね!温泉ないですから!…ですよね、ロザンナさん?」

「…でも火山があるんだから温泉があっても不思議ではない」

「ちょっとロザンナさああああああんっ!!」

「さあ、リル!」

「おう、サーチ!」

「「温泉が私達を待っている!」」

「…ごめんなさい!」

バリバリ!ずどおおんっ! 

「「あばばばばばばばばばばっっっ!!」」

こうして。
私の意識は暗転した。


「…何かよく覚えてないんだけど…エイミアに迷惑かけたみたいでごめんなさい」

「…すまん…」

目が覚めたら全身パーマになってたのは…たぶんエイミアがキレたのだろう。

「良かったです~!2人とも正気に戻ってくれました~!」

「あのままだとパーティ離散の危機だった」

???
一体何があったんだろう…?

「このまま砂漠を迂回して次のオアシスで一泊します。よろしくお願いします」

ロザンナさんが馭者を務めている近衛兵に声をかける。

「……………はい、お任せください……………」

…あまりの暑さにテンションだだ下がりらしい。
ちなみに馬車の中は魔術で動くクーラー?があるので涼しい。ていうか寒い。
外を走っているリジーは、この間買ってあげた“凍えるマント”という呪われ凍死アイテムのおかげで相当快適らしい。さすが呪剣士。

「暑いでしょうが頑張って下さい」

「…………はい」

「…特別手当を出しましょう」

「…頑張ります」

まだ足りないか。よーし。

「…オアシス着いたらエイミアが水着でお酌」

「いよおおおおおし!一丁やったるかああああ!お任せくださいお嬢!!」

言っておいて何だけど…同性に注がれてうれしいのか?
一応お断りしときますが…ロザンナさんのお供は全員女性・・です。

「さああああちいい…」

「ひゃいっ!…エ、エイミア?どうしたの?」

「…何で私が水着着てお酌しないといけないんですかあっ!!」

「?…別にいいじゃん。女同士なんだし」

するとエイミアは急にトーンダウンした。

「あ………そういえばそうですね…」

「オアシスで泳いでる時にちょっとだけお酒を注いであげる。『暑い中ご苦労様!』って言いながらね。別に実害ないでしょ?」

「うーん……確かに…何か釈然としないんですけど…」

…まあ女性だらけの国だから…女性が好きマーシャンみたいななのがごろごろいても不思議じゃない…とは言わずにおく。 

オアシスでエイミアが散々弄ばれつつ一泊。
サソリを捕まえて焼いて食べたりしながら(ロザンナさん以下ハーティア新公国の人達は平気で食べてた)進むこと、さらに半日。
ついに目的地であるハーティア新公国の首都にして唯一の都市センターハートを眼下に望んだ…。


「…なーるほどね…やたらとハートに纏わる名前が多いな、と思ってたんだけど…」

「見事なハートですねえ。あれって天然ですか?」

「ええ。湖を縦断する橋を建造しただけで、あとは手付かずのままです」

私達がいる高台からは、センターハートの街並みが一望できる。
その街の真ん中に湖があるわけなんだが…これが見事なハートの形なのだ。

「旧公国の初代国公がこの高台からみた湖の形から連想してハーティア公国と、そして首都の名前を『国の心臓』と見立ててセンターハートと定めたのです。盗賊出身ではありましたがセンスだけは良かったようです」

……………見たまんまだと思うのは私だけだろうか?
捻ってもなければ連想なんて欠片もない。
これでセンスあるの?…私がおかしいのかな?

「これでセンスがあるのなら私でも国公になれそうだな」

「私もそう思います」

「要は単純」

リジーは容赦なくぶった斬るわね…。

「…人の国の名前を単純単純と馬鹿にしやがって…」

あ、ヤバい。
ロザンナさんがマジギレモードになりかかってる。

「お、おい!ここで怒らせると面倒だぞ!どうするんだよ!?」

「私に押しつけないでよ!」

でもめんどくさいのは事実。
ならば試してみるか!

「リル!そのままストップ!」

「は?」

「そーれぃ」

ぴらっ

「んきゃあ!」

ロザンナさんがマーシャンと同じ嗜好なら…!

「!!…白…」

……マジで反応した……。
マーシャンと同類だ…。

「…そ、そのような嬉しい…ではなく!眼福…でもなく!はしたないことはせんようにな!」

ロザンナさん内心がだだ漏れですよー。

「わ、わわ私は用事があったので先に行く!サーチ達はしばらく街の見物でもしていなさい!」

おもいっきり焦ってたな、あれは…。

ガシィッ 

ひっ!

「サーチ…お前は何をしたのかわかってるのか…?」

リルの目が据わってる…そりゃそうよね…。

「ま、まあ良かったじゃない」

「良くない」

「ロザンナさんがキレずに済んだし」

「良くない」

「え、えと…わ、私にはスカート無いし!」

「…だから?」

「…必要悪と言いますか…その…」

「エイミアもスカートだぞ?」

「エイミアはもっとインパクトのあるモノが」

「インパクト?な・に・が?」

しまった…火に油を注いだよね…これ…。

「あはは…さよーならー…」

ガシィッ

「…天誅」

「ちょい待ちちょいちょちょきいいああああああああああああっ!!!」

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