清らかなのに、時々もう一つの人格“クズ“がやってきます...

田口 光✒︎————

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クズ令嬢・チェムリー

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今日は、ずっと眠いから、王城についても直ぐに眠りについてしまったのです。

*夢の中

「チェムリーねえねえ起きて!」
「んん...どうしたの?もう一人のわたし.....」

夢の中なんだろうかな?
それはわたしの自室だった。
変だよね、王城で寝てるのに自室でもう一人のチェムリーと出会うなんて。

「そろそろね、お別れをしようと思うんだよ!」

「え?どうしたのいきなり...嘘だよね?」

「うんうん、嘘をつくほど私は賢くは無いんだよ!」

「けど、まだ会ってそんなに...どうして行っちゃうの?」

「それは、あれだよ。もう既に君には勇気があるからなんだよ」

「そんな...まだ勇気なんてわたしには...」

無いよ...

「うんうん...もう大丈夫だよ。だから自分を信じて」

「え?でもわたし...」

「ちょっとだけでいいだよ、別に私のようなチェムリーになろうとしなくてもいいの。ただ、なろうとする事に意味があるんだよ!だから君は君らしくいて欲しいなって思うんだ」

「あの、さっきからもう一人のチェムリーの話口調じゃないよね?それはどうしてかな?」

「それはね、全部、私の演技だったんだよ。やはり私はわたしなんだよね」

そんな...あれが全部演技だったなんて.....

「もう会えないの?」

「いや、また、会えると思うよ」

「どうやって...だってわたしなんでしょ?貴女も...」

「だからこそだよ!わたしは誰よりも貴女の近くにいて、誰よりも貴女を知っている。愛らしい愛らしいチェムリーだよ。だからいつでも側にいるよ」

「じゃあ、どうしてお別れなんて悲しい事を言うの?」

「それはだよ。いきなり消えたらできないでしょう?私だってどうなるか分からない、けど、私はチェムリーだから、きっと帰る場所は君の心の中と思っているよ」

「最後にいいかな?」

「うん?」

「貴女はどうしてわたしの別人格として現れたのかな?」

「おほ、最後に意味ありありな事情の真相を聞いちゃうか」

「うん。それは知りたい」

「そうか、なら......」

私は、チェムリー。
君がなりたかった存在で、願う少女にしか姿を現さないもう一人の私。
それは願いを叶えたら見えなくなる存在でもあって、一つに戻る存在であった。

それが一つになって、やっと、本当の私になるんだよ。

だから、そろそろ目を開けてごらん?
ここからがチェムリー・ルメールの始まりだよ。

うん。
そうだったんだね......
じゃあ.........



ここは、王国と帝国、そして公国のあるファンタジーな世界。
ちょっとクズな令嬢と、
無愛想で優しい兄と、
悪女で乙女な義妹と、
勇敢で恋にはからっきしな義兄と、
清楚で悪魔な猫耳娘の

恋愛物語である。
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