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二十一話 憧れ。 アリアサイド
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金髪女性……フランダル・ファン・トラースド様は私にとって憧れの人……。
クリスト王国の聖人・聖女の中で第一位の実力を有するフランダル・ファン・トラースド様でした。
フランダル様はうっすらと光輝いて見える金色の瞳。
女性の私でもウットリ見惚れてしまうほどの美貌。
肌は陶器のように白く透明感があって。
透き通るように美しい金色の髪は背中まで伸ばしています。
「あら? あらあら? 貴女はアリアさんではないかしら?」
「あ……はい!」
フランダル様に声を掛けていただいた私は咄嗟に椅子から立ち上がります。
すると、私が突然立ち上がってしまったので、私の膝に乗っていたノヴァを落としてしまいました。
『ぐえ……』
『あわあわわわわわわわわわわわわ!ノヴァ、ごめんなさい!大丈夫ですか?』
『あぁ……俺は大丈夫。驚いただけだ』
私がノヴァに謝っていたら、フランダル様は小さく笑いながら、取り巻きの人達から離れて目の前までやってこられました。
フランダル様が目の前でやってくると、いい香りもフワッとやってきます。
はわわ……。
なんて、美しいのでしょう。
なんて、神々しいのでしょう。
「ふふ、あらあら、どうされたんですか?」
「はい、すみません。何もありません。大丈夫です」
「そうですか? アリアさんはお久しぶりですね」
「はい。お久しぶりです」
「ふふ、アリアさんとこうやって二人で会うのは初めてでしたね。私は前から話したいと思っていいたんですよ」
「そ、それは、あ、あああ、私もです」
憧れのフランダル様から話したかったと言ってくださったのです。
そのことで私は感動で胸に込み上げてきて、うまくしゃべれませんよ!
フランダル様は体調不良であることが多いらしく以前からあまり教会には顔を出さないお方でした。
なので、教会で私がフランダル様と顔を合わせるのは片手で数えられるほどだったのです。
「あらあら、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です」
「ふふ、そうですか? 今日、アリアさんは教会に何か用事かがあったのですか?」
「あ……今日は【聖約】を結びに聖獣様のところに行っていて、そのことを教皇様に報告しようと思っていたのです」
「あらあら、それは大変でしたね。それでどうでしたか? うまく行きましたか?」
「はい、問題なく。【聖約】を結ぶことが出来ました……この子なんです」
私の横で興味深げにフランダル様を見ていたノヴァの脇を抱え込んで持ち上げ、フランダル様に見せます。
するとフランダル様は少し目を見開いて驚いていたようでした。
「もしかして、その子……聖獣なのですか?」
「はい。この子……ノヴァと言うのですが、訳あって連れることになったのです」
「そうでしたか。あの撫でてもいいですか?」
「あ、はい。ノヴァはいい子なので触っても大丈夫です」
フランダル様は恐る恐ると言った様子で手を伸ばした。そして、ノヴァの頭、あご下を撫でる。
フランダル様から撫でられたノヴァは体をぴくんと体を震わせて声が私の頭の中に流れてきた。
『んあ? どうした?』
『あ、確認せずにごめんなさい。フランダル様がノヴァの頭を撫でてみたいとおっしゃっていたので、勝手にいいですよと言ってしまいました』
『そうか、いいのだけど』
『えっと、何かありましたか?』
『この女の人……フランダル様とか言ったか……なんか……すごいな』
『そうですよね。フランダル様はすごいのです』
『まぁ……うん、そうだな』
ノヴァらしくない歯切れの悪い言葉を聞いて違和感があって私が問いかけようとします。
ただ、ノヴァの頭を撫でていたフランダル様から声が聞こえてきて、フランダル様へと意識を戻しました。
「ふふ、本当に大人しくていい子のようですね」
「ですよね。ノヴァはいい子なのです。あ……そういえば、フランダル様が教会にお見えになられるのは珍しいですよね」
「そうですね。昨日、【聖者巡礼】から帰ってきたところなのよ」
「! そうでしたか……それは、お疲れ様でした」
【聖者巡礼】とは、年に一度聖人・聖女でもっとも力がある者が教会の騎士団と連れ立ってクリスト王国内にある教会を巡礼して回るといった教会内の行事なのです。
その巡礼で聖人・聖女が訪れた街は、地の繁栄……豊作を祈る祈年祭が盛大に行われるそうです。
教会でかなり重要な行事だと聞いているのですが、国内を巡礼して回るのはかなりの重労働だとも聞いています。
「ありがとうございます……ごほごほ」
「だ、大丈夫ですか?」
私は咳き込んだフランダル様に戸惑い声を掛けたのですが。
対してフランダル様は胸に手を置いて一度息を吐くと、すぐに笑顔を見せました。
「ふーさすがにちょっと疲れているのかもしれませんね。そろそろ、私は……」
「そうですね。お休みになってください」
「アリアさんとはもう少し話したかったので残念ですね。また今度お話しできたらいいのですが」
「は、はい。また……」
「ふふ、では、私は失礼しますね」
「はい、しっかり体をお休めになってください」
フランダル様を最後にノヴァの頭を撫でて、微笑み待機していた取り巻きの方たちと一緒に去っていきます。
立ち上がった私はぽーっと呆けながら、フランダル様が去っていく姿を見送りました。
そして、一気に気が抜けてしまったのか、その場にストンと座り込んでしまいます。
はぁーやっぱりお美しい方でした。
『大丈夫か? アリア?』
『あ……はい大丈夫です』
私に抱えられていたノヴァは心配そうに見上げながら、問いかけてきました。
憧れのフランダル様とお話しできた感動が溢れてきて、ノヴァを強く抱きしめて頭を頬ずりしていました。
『んお? どうした?』
『はぁー私は幸せです』
『あぁ……そうか、それはよかったな』
幸せの余韻に浸りつつその場に座り込んだまま動けずにいる私に、ノヴァはそれ以上何も言うことはありませんでした。
「聖女アリア様……聖女アリア様……聖女アリア様……教皇ギルバート様がお呼びです」
ようやく幸せの余韻から抜け出そうとした時です。
突如私の背後に黒いローブを着た女性が表れて、声を掛けられたことで体をびくんと震わせました。
「へ? は! はい」
「申し訳ありません、驚かせてしまって」
「いえ、私も大きな声を上げてしまって、すみませんでした……それで教皇様が私をお呼びであると?」
「はい、教皇様はただいま執務室におられますので、宜しければ私が案内しますが」
「よろしくお願いします」
私は黒いローブを身に纏った女性の案内の申し出に受けました。
ただ、ノヴァに視線を向けると静かに寝ていたので、いつの間にか解けてしまっていた【ハーネットの指輪】を使ってノヴァへ声を掛けます。
『ノヴァ、ちょっと移動しますよ。起きてください』
『んあ……ふぁああ、寝てたわ』
『ふふ、起きてください。行きましょうか』
ノヴァは私の腕の中から抜け出ると、体をびーんっと伸ばしていました。うん、すごく可愛いです。
それから、私とノヴァはそのローブの女性の後ろについて歩き出しました。
クリスト王国の聖人・聖女の中で第一位の実力を有するフランダル・ファン・トラースド様でした。
フランダル様はうっすらと光輝いて見える金色の瞳。
女性の私でもウットリ見惚れてしまうほどの美貌。
肌は陶器のように白く透明感があって。
透き通るように美しい金色の髪は背中まで伸ばしています。
「あら? あらあら? 貴女はアリアさんではないかしら?」
「あ……はい!」
フランダル様に声を掛けていただいた私は咄嗟に椅子から立ち上がります。
すると、私が突然立ち上がってしまったので、私の膝に乗っていたノヴァを落としてしまいました。
『ぐえ……』
『あわあわわわわわわわわわわわわ!ノヴァ、ごめんなさい!大丈夫ですか?』
『あぁ……俺は大丈夫。驚いただけだ』
私がノヴァに謝っていたら、フランダル様は小さく笑いながら、取り巻きの人達から離れて目の前までやってこられました。
フランダル様が目の前でやってくると、いい香りもフワッとやってきます。
はわわ……。
なんて、美しいのでしょう。
なんて、神々しいのでしょう。
「ふふ、あらあら、どうされたんですか?」
「はい、すみません。何もありません。大丈夫です」
「そうですか? アリアさんはお久しぶりですね」
「はい。お久しぶりです」
「ふふ、アリアさんとこうやって二人で会うのは初めてでしたね。私は前から話したいと思っていいたんですよ」
「そ、それは、あ、あああ、私もです」
憧れのフランダル様から話したかったと言ってくださったのです。
そのことで私は感動で胸に込み上げてきて、うまくしゃべれませんよ!
フランダル様は体調不良であることが多いらしく以前からあまり教会には顔を出さないお方でした。
なので、教会で私がフランダル様と顔を合わせるのは片手で数えられるほどだったのです。
「あらあら、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です」
「ふふ、そうですか? 今日、アリアさんは教会に何か用事かがあったのですか?」
「あ……今日は【聖約】を結びに聖獣様のところに行っていて、そのことを教皇様に報告しようと思っていたのです」
「あらあら、それは大変でしたね。それでどうでしたか? うまく行きましたか?」
「はい、問題なく。【聖約】を結ぶことが出来ました……この子なんです」
私の横で興味深げにフランダル様を見ていたノヴァの脇を抱え込んで持ち上げ、フランダル様に見せます。
するとフランダル様は少し目を見開いて驚いていたようでした。
「もしかして、その子……聖獣なのですか?」
「はい。この子……ノヴァと言うのですが、訳あって連れることになったのです」
「そうでしたか。あの撫でてもいいですか?」
「あ、はい。ノヴァはいい子なので触っても大丈夫です」
フランダル様は恐る恐ると言った様子で手を伸ばした。そして、ノヴァの頭、あご下を撫でる。
フランダル様から撫でられたノヴァは体をぴくんと体を震わせて声が私の頭の中に流れてきた。
『んあ? どうした?』
『あ、確認せずにごめんなさい。フランダル様がノヴァの頭を撫でてみたいとおっしゃっていたので、勝手にいいですよと言ってしまいました』
『そうか、いいのだけど』
『えっと、何かありましたか?』
『この女の人……フランダル様とか言ったか……なんか……すごいな』
『そうですよね。フランダル様はすごいのです』
『まぁ……うん、そうだな』
ノヴァらしくない歯切れの悪い言葉を聞いて違和感があって私が問いかけようとします。
ただ、ノヴァの頭を撫でていたフランダル様から声が聞こえてきて、フランダル様へと意識を戻しました。
「ふふ、本当に大人しくていい子のようですね」
「ですよね。ノヴァはいい子なのです。あ……そういえば、フランダル様が教会にお見えになられるのは珍しいですよね」
「そうですね。昨日、【聖者巡礼】から帰ってきたところなのよ」
「! そうでしたか……それは、お疲れ様でした」
【聖者巡礼】とは、年に一度聖人・聖女でもっとも力がある者が教会の騎士団と連れ立ってクリスト王国内にある教会を巡礼して回るといった教会内の行事なのです。
その巡礼で聖人・聖女が訪れた街は、地の繁栄……豊作を祈る祈年祭が盛大に行われるそうです。
教会でかなり重要な行事だと聞いているのですが、国内を巡礼して回るのはかなりの重労働だとも聞いています。
「ありがとうございます……ごほごほ」
「だ、大丈夫ですか?」
私は咳き込んだフランダル様に戸惑い声を掛けたのですが。
対してフランダル様は胸に手を置いて一度息を吐くと、すぐに笑顔を見せました。
「ふーさすがにちょっと疲れているのかもしれませんね。そろそろ、私は……」
「そうですね。お休みになってください」
「アリアさんとはもう少し話したかったので残念ですね。また今度お話しできたらいいのですが」
「は、はい。また……」
「ふふ、では、私は失礼しますね」
「はい、しっかり体をお休めになってください」
フランダル様を最後にノヴァの頭を撫でて、微笑み待機していた取り巻きの方たちと一緒に去っていきます。
立ち上がった私はぽーっと呆けながら、フランダル様が去っていく姿を見送りました。
そして、一気に気が抜けてしまったのか、その場にストンと座り込んでしまいます。
はぁーやっぱりお美しい方でした。
『大丈夫か? アリア?』
『あ……はい大丈夫です』
私に抱えられていたノヴァは心配そうに見上げながら、問いかけてきました。
憧れのフランダル様とお話しできた感動が溢れてきて、ノヴァを強く抱きしめて頭を頬ずりしていました。
『んお? どうした?』
『はぁー私は幸せです』
『あぁ……そうか、それはよかったな』
幸せの余韻に浸りつつその場に座り込んだまま動けずにいる私に、ノヴァはそれ以上何も言うことはありませんでした。
「聖女アリア様……聖女アリア様……聖女アリア様……教皇ギルバート様がお呼びです」
ようやく幸せの余韻から抜け出そうとした時です。
突如私の背後に黒いローブを着た女性が表れて、声を掛けられたことで体をびくんと震わせました。
「へ? は! はい」
「申し訳ありません、驚かせてしまって」
「いえ、私も大きな声を上げてしまって、すみませんでした……それで教皇様が私をお呼びであると?」
「はい、教皇様はただいま執務室におられますので、宜しければ私が案内しますが」
「よろしくお願いします」
私は黒いローブを身に纏った女性の案内の申し出に受けました。
ただ、ノヴァに視線を向けると静かに寝ていたので、いつの間にか解けてしまっていた【ハーネットの指輪】を使ってノヴァへ声を掛けます。
『ノヴァ、ちょっと移動しますよ。起きてください』
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