[完結]間違えた国王〜のお陰で幸せライフ送れます。

キャロル

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1 結婚前夜

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コンコン_

従者のロイが扉を開け部屋の中に招き入れたのは……この国獣人の宰相兎獣人ランバート…かなりの切れ物で腹黒だと言われ敵認定した奴には容赦ない冷血漢とも言われているこの国の影の王と噂されている御仁だ!

「どうぞ、おかけになって、」

「はい、では失礼いたします。」

洗練された所作、人好きのする柔らかな風貌、さすが天然人たらしと言われるだけはある…が…この柔らかい雰囲気に騙され言葉巧みに己の優位に話を持っていかれてしまうので王族としてここは気を引き締めなければいけないと……

……思うのが普通なのだが……

「ランバート、どうでした?私の要望は通りましたか?」

「はい、概ね姫様の希望通りとなりましたよ、こちらが誓約書です…ご確認ください。」

「ふふ、ありがとう、流石仕事が早いわね、お式の前に間に合って安心したわ~思い切ってランバートにお願いして良かったわ~」

「お褒めに預かり光栄でございます。ところで、姫様約束のご褒美頂いてもよろしいですか?…」

「ふふ、いいわよ、明日の式の準備は整っているからこれからの時間を与えましょう…あ!でも明日の朝までよ!式の支度までには帰してね!」

「勿論です。ではお言葉に甘えさせていただきます。」

ランバートは颯爽とメイ侍女を連れて部屋を出て行った。


さて!なぜこの国の宰相が姫のためにその有り余る頭脳を提供しているかと申しますと、遡ること1ヶ月前この国に到着したときに出迎えたのがこの国の宰相ランバートだった。

早い話がランバートの番がメイだったと言うことなのだが、当然メイには番という感覚はわからないのでランバートのアピールを断っていたが、そこは腹黒策士、メイの主であるマリアンヌを一緒に支えましょうとこの1ヶ月甲斐甲斐しく世話をしてくれて、その姿と元々の見目の良さ、番という一途な愛情についに籠絡された。

だが、当然であるが、メイにとっては最優先はマリアンヌなのは変わらない、その愛しいメイが守るべき主人はランバートにとっても守るべき者となっているのである。

その本来仕えるべき国王はマリアンヌがこの国に来てまだ一度も顔を見せていない、手紙が到着したその日にランバートより渡されただけだった。

その内容は……なんとも酷い内容だった。

要約すると、番以外には愛情も興味も持つことはないので政略結婚であるから、不本意ながら式はあげるがその後は会うつもりはない、王妃としての公務がある時以外は関わるつもりがない。

こんな手紙を送られたら普通は憤るか嘆くかのどちらかなのだが、そこは普通じゃないマリアンヌ、これを読んで大喜び!

逆にこれを逆手に取って夢であった、自由なスローライフを送るための計画を立てて考え抜いて制作し手続き完了したのが先ほどランバートから受け取った誓約書である。


「姫様。うまくいきましたね、」

ロイがニヤリと悪い笑みを浮かべマリアンヌと共に誓約書の確認をした。

「そうよねぇ、これもメイのおかげかしら、…まさか宰相の番とは驚きよね~心強いわね、でも獣人の愛情表現って……なんて言えばいいのかしら?凄い?」

「姫様、そこははっきり重いでよろしいかと、」

「…そうね、かなり…重そうよね、…獣人じゃないからどんな感覚かわからないけど、番にしか恋愛感情湧かないらしいのよね~それってどうなの?でも浮気の心配はいらないからいいのかしら?」

「……姫様…簡単に恋愛感情なんて言ってますが、その恋愛感情すら姫様にはわからないのではないですか?そんな事より誓約内容確認しましょう。」

「そ、そうね、」


____婚姻誓約書____

1 この結婚は白い結婚である
1 婚姻式終了後の住居は離宮とし公務以外は自由に過ごして良いこととする。
1 衣食住にかかる費用は王女が用意する為不要
1 離宮での生活には一切の干渉も口出しもしない事
1 二年後病気理由にて離縁すること(ただし、番が現れた場合速やかに離縁する事)
1 離縁後も同盟関係は継続すること

いかなる場合も内容変更は認めない


「姫様、なぜ離縁が2年後なんですか?」

「え!それは、あれよ、2年後にお父様が退位してお兄様が国王になるからよ。お兄様は元々この婚姻には反対だから、2年だけ我慢してくれって言ってたの、それに獣人は番以外には手を出さないから、純潔は守られるから離縁しても国交が断絶しないように整えるからって言ってくれたから、私もその間にここを出てからの生活の準備をしようと思ってるの、あなた達には迷惑かけるけど、力になってくれるでしょ。」

「それは、勿論でございます。姫様を野放しにすると多くの方にご迷惑がかかりますからね…」

「……野放し…って…私は犬か!」

「はは!犬の方が従順で利口です。犬に失礼ですよ。」

「……ロイの発言は私に失礼じゃないの?」

「いえ、全然、全く、事実ですから」

「…………、」




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