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15 ギスラン
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マリアンヌ様に想いを伝え受け入れてもらう事が出来て、あと約1年後に陛下と離縁が成立したら俺の手をとって共に歩んでくれると約束する事ができ穏やかで幸せなひと時を送っていた俺達にロイから来客の知らせが入った。
その来客とは、陛下とランバートだった。ランバートが陛下を連れて来た?
しかも先触れもなくこんなに急にどう言う事だ!
拒否することは叶わない既にここまで来てしまっているサロンに案内し部屋には陛下とランバート、俺とマリアンヌ様の4人だけロイとメイには席を外してもらっていた。
突然大事な話があると言われ俺はマリアンヌ様の後ろに控え陛下の話を一緒に伺うことになったが、神妙な陛下と気まずそうなランバートの様子に嫌な予感がし背中に嫌な汗が流れた。
陛下の大事な話とはマリアンヌ様に輿入れの際の対応について謝罪したいという事から始まった。
正直今更かよ!と思いながらも1年も経ってるのになぜ?今になって謝罪?という疑問が生じた。
謝罪はわかったがその後は小声でモジモジと要領を得ない話にイラッとしていたが痺れを切らしランバートが叱咤し次に陛下の口から予想だにしない事が語られた。
「__……マ、マリアンヌが私の番なんだ!」
「「は?………は~~ーー!!?」」
なんだと……番?…マリアンヌ様が?…陛下の?嘘だろ…。
俺は頭を鈍器で殴られたような衝撃にかなり動揺していたがここで俺がマリアンヌ様をお慕いしていることを悟られてはいけないと震える手を握り締め必死に感情を隠した。
チラリと目線をランバートに送ると今はまだ俺の気持ちを気取られるなと言わんばかりに鋭い視線を送られた。
この離宮で番のメイと夫婦同然の生活を送っているランバートは早々に俺の気持ちに気づいていたが、マリアンヌ様を何より大切に思っている番が俺とマリアンヌ様が結ばれることを心よく思ってくれている事もありおそらくマリアンヌ様が陛下の番であることを知っていたのだろうが俺の気持ちを黙認してくれていたのだろう。
今ではマリアンヌ様と心通わせる事ができ、ここ離宮では人目を気にすることがないので恋人として接していた事もランバートは知っていたと思う、そのランバートが陛下に気取られるなと合図を送って来た……。
陛下は番にこだわり探し求めていたその番が現れしかも結婚式当日、指輪の交換の時気づいたが、安易にあの誓約書にサインしてしまった為に番と名乗ることも夫婦なのに会う事も言葉も交わすこともできず1年も焦がれていたようだ。
こんなに素晴らしい女性が番だなんて…それを自ら手放すことになった陛下に…不憫だと思うが同情はしない…むしろ感謝している。
内心は不安だらけだった、男の俺から見ても陛下は見目は……かなりいい、その陛下は番認識阻害の最新作魔道具を付けていた、確実に番衝動は感じていないはずだが…その陛下はマリアンヌ様を見て見惚れて時折ボーッとしていた。
まさに一目惚れなのだろう、どうやらマリアンヌ様の外見は陛下の好みど真ん中と言ったところか……そんな陛下の姿を見てふと、マリアンヌ様はどうなんだろう?こんなに見目のいい陛下に見惚れていないのだろうか?好みの外見なのでは?陛下と間近に接してマリアンヌ様の心が揺らいでしまうのでは?
不安に駆られマリアンヌ様の様子を伺うと陛下の態度に怒りを露にしていたので俺の不安は杞憂に終わりほっとした。
マリアンヌ様にはっきり離縁を告げられそれが覆る事がないと告られた陛下はことの他ショックを受けていたが今更どう抗おうと過去に戻ることはできない、陛下がマリアンヌ様をぞんざいに扱ったことは無かったことには出来ない、そして俺はこの手にしたチャンスを無駄にはしない、どんなことがあっても俺からマリアンヌ様の手を離すことは無い。
絶対に…。
これ程素晴らしい番を愚かにも手放すことになった男は我が国の国王だが例え相手が国王でも私は引くことはしない。
なぜなら、マリアンヌ様がダイヤ王国に戻る時は私も共にダイヤ王国に籍を置くべくマリアンヌ様の兄である王太子殿下に力添えをお願いしてある。
ふふ、1年後と言わず陛下にはなるべく早くマリアンヌ様を自由にしてもらわねば…もうすぐ王太子殿下がこの国に来る、おそらくいい話が聞けるだろう。
懸念されるのは……ダイヤ王国国王マリアンヌの父か……この縁談はマリアンヌの父が強引に取り付けたと言っていたな、マリアンヌ様は以前、
『お父様に王女として大事にされてはいたと思うけど…愛されていたのかわからない私はただの国の駒に過ぎないから…だから離縁後は城に戻れないわ、平民となると思う』
と寂しそうに言っていた事があるだが、離宮に来てすぐに密かにマリアンヌ様を守る者の気配を感じていた、王太子殿下に尋ねたら恐らく国王直轄の影だろうと言っていたから、マリアンヌ様は本人が気がついていないようだが今でも大切にされ愛されていると思う。
その国王が結んだ縁だ、離縁を反対されると厄介だが、……その件に関しては王太子殿下が任せて欲しいと言っていたから、信じて待つしかないか…。
その来客とは、陛下とランバートだった。ランバートが陛下を連れて来た?
しかも先触れもなくこんなに急にどう言う事だ!
拒否することは叶わない既にここまで来てしまっているサロンに案内し部屋には陛下とランバート、俺とマリアンヌ様の4人だけロイとメイには席を外してもらっていた。
突然大事な話があると言われ俺はマリアンヌ様の後ろに控え陛下の話を一緒に伺うことになったが、神妙な陛下と気まずそうなランバートの様子に嫌な予感がし背中に嫌な汗が流れた。
陛下の大事な話とはマリアンヌ様に輿入れの際の対応について謝罪したいという事から始まった。
正直今更かよ!と思いながらも1年も経ってるのになぜ?今になって謝罪?という疑問が生じた。
謝罪はわかったがその後は小声でモジモジと要領を得ない話にイラッとしていたが痺れを切らしランバートが叱咤し次に陛下の口から予想だにしない事が語られた。
「__……マ、マリアンヌが私の番なんだ!」
「「は?………は~~ーー!!?」」
なんだと……番?…マリアンヌ様が?…陛下の?嘘だろ…。
俺は頭を鈍器で殴られたような衝撃にかなり動揺していたがここで俺がマリアンヌ様をお慕いしていることを悟られてはいけないと震える手を握り締め必死に感情を隠した。
チラリと目線をランバートに送ると今はまだ俺の気持ちを気取られるなと言わんばかりに鋭い視線を送られた。
この離宮で番のメイと夫婦同然の生活を送っているランバートは早々に俺の気持ちに気づいていたが、マリアンヌ様を何より大切に思っている番が俺とマリアンヌ様が結ばれることを心よく思ってくれている事もありおそらくマリアンヌ様が陛下の番であることを知っていたのだろうが俺の気持ちを黙認してくれていたのだろう。
今ではマリアンヌ様と心通わせる事ができ、ここ離宮では人目を気にすることがないので恋人として接していた事もランバートは知っていたと思う、そのランバートが陛下に気取られるなと合図を送って来た……。
陛下は番にこだわり探し求めていたその番が現れしかも結婚式当日、指輪の交換の時気づいたが、安易にあの誓約書にサインしてしまった為に番と名乗ることも夫婦なのに会う事も言葉も交わすこともできず1年も焦がれていたようだ。
こんなに素晴らしい女性が番だなんて…それを自ら手放すことになった陛下に…不憫だと思うが同情はしない…むしろ感謝している。
内心は不安だらけだった、男の俺から見ても陛下は見目は……かなりいい、その陛下は番認識阻害の最新作魔道具を付けていた、確実に番衝動は感じていないはずだが…その陛下はマリアンヌ様を見て見惚れて時折ボーッとしていた。
まさに一目惚れなのだろう、どうやらマリアンヌ様の外見は陛下の好みど真ん中と言ったところか……そんな陛下の姿を見てふと、マリアンヌ様はどうなんだろう?こんなに見目のいい陛下に見惚れていないのだろうか?好みの外見なのでは?陛下と間近に接してマリアンヌ様の心が揺らいでしまうのでは?
不安に駆られマリアンヌ様の様子を伺うと陛下の態度に怒りを露にしていたので俺の不安は杞憂に終わりほっとした。
マリアンヌ様にはっきり離縁を告げられそれが覆る事がないと告られた陛下はことの他ショックを受けていたが今更どう抗おうと過去に戻ることはできない、陛下がマリアンヌ様をぞんざいに扱ったことは無かったことには出来ない、そして俺はこの手にしたチャンスを無駄にはしない、どんなことがあっても俺からマリアンヌ様の手を離すことは無い。
絶対に…。
これ程素晴らしい番を愚かにも手放すことになった男は我が国の国王だが例え相手が国王でも私は引くことはしない。
なぜなら、マリアンヌ様がダイヤ王国に戻る時は私も共にダイヤ王国に籍を置くべくマリアンヌ様の兄である王太子殿下に力添えをお願いしてある。
ふふ、1年後と言わず陛下にはなるべく早くマリアンヌ様を自由にしてもらわねば…もうすぐ王太子殿下がこの国に来る、おそらくいい話が聞けるだろう。
懸念されるのは……ダイヤ王国国王マリアンヌの父か……この縁談はマリアンヌの父が強引に取り付けたと言っていたな、マリアンヌ様は以前、
『お父様に王女として大事にされてはいたと思うけど…愛されていたのかわからない私はただの国の駒に過ぎないから…だから離縁後は城に戻れないわ、平民となると思う』
と寂しそうに言っていた事があるだが、離宮に来てすぐに密かにマリアンヌ様を守る者の気配を感じていた、王太子殿下に尋ねたら恐らく国王直轄の影だろうと言っていたから、マリアンヌ様は本人が気がついていないようだが今でも大切にされ愛されていると思う。
その国王が結んだ縁だ、離縁を反対されると厄介だが、……その件に関しては王太子殿下が任せて欲しいと言っていたから、信じて待つしかないか…。
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