初めての物語【Ｂ面】～First Story～

第３章 初めての動揺

２ 海辺の触れ合い

　約束の朝は、真夏のじりじりとした暑さを予感させる青空だった。電車に乗って金沢八景で乗り換えて、三浦海岸に向かう。愛海はボートネックのＴシャツにコットンのショートパンツ、梨沙はタンクトップに白のパーカー、薄いピンクのフレアスカートは腰高ミニで下着が見えそうだった。
　降りる駅に近付いた所で、梨沙が寄って来て、「愛海先輩、部活お疲れ様でした。今日はよろしくお願いします。」と罪のない事を言ってくる。愛海は梨沙と当たり障りのない会話を交わしている内に、三浦海岸駅に着いた。

　愛海と梨沙は、更衣室で水着に着替えて、待ち合わせ場所に向かった。愛海は、花柄の模様のフリルの付いたショートパンツ一体型のワンピース、背中はレースアップで大きく開いているが、胸元はフロントギャザーの目立たない水着をこの日のために新調していた。梨沙は、 淡いピンクのビキニで、ヒップとショルダー部分は大きめの水色のフリルが付いており、胸の谷間は網掛けに、クロスしたリボンをバックで結んでいる。高校１年生には見えない豊かな身体が、海岸に映はえていた。
　飲み物を二つずつ持って、真斗と藤森がやってきた。藤森はすかさず、
「おー！似合っているよ、梨沙。ビキニか、いいね。オッと！愛海ちゃんも、そのワンピースいいよ。」と女子二人の胸元から足先まで目で舐なめ廻していた。梨沙の推定Ｃカップはある胸はふっくらとして形がよい。愛海はというと、手で包み切る程の胸を、パットで誤魔化ごまかして少しだけ大きく見せている。
「ねえ剛君、背中に日焼け止めクリームを塗って！」梨沙が甘えた声でせがんでいるのを、真斗と愛海は耳にした。愛海が一人で塗っているのを見て、
「愛海、背中に塗ってやろうか？」真斗が遠慮しながら言ってきた。愛海は断る理由もないので、クリームを手渡した。真斗は恐る恐る愛海の背中に触れた。
～愛海～男の子に直接肌に触られるのは初めてだ。ぞくぞくしてきた。

　開放的なビーチは、真斗と愛海の距離をより近付けた。海の中では、真斗が後ろから抱き着いて来たり、愛海が背中に乗ったりして、スキンシップに事欠かなかった。
～真斗～愛海に抱き着いた時、胸に触った。可愛かった。海は最高！