すれ違う恋の行方〈中学編〉

秋 夕紀

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第1章 梅枝七海(14歳)=立松千宙(14歳)

§4 アンケート結果

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 放課後、全体の集計を2年生の保健委員全員で行った。皆で集計しながら、その結果に反応してばかりいて、中々作業は進まなかった。 一番の話題となっていたのは、キスに関する事だった。

   ①異性と交際した事がありますか?
    1年男(ある5.9%)2年男(ある6.6%) 3年男(ある8.0%)
    1年女(ある8.3%)2年女(ある12.0%)3年女(ある11.2%)
    どのような交際でしたか?
    1年男(手をつなぐ35.2%)(キス 8.7%)
    2年男(手をつなぐ38.4%)(キス11.9%)
    3年男(手をつなぐ44.7%)(キス16.3%)
    1年女(手をつなぐ40.8%)(キス12.1%)
    2年女(手をつなぐ56.9%)(キス18.4%)
    3年女(手をつなぐ61.6%)(キス25.7%)
②異性と交際したいと思いますか?
 男(思う44.3%)女(思う64.7%)
③異性とキスしたいと思いますか?
 男(思う57.1%)思わない(41.0%)
 女(思う56.3%)思わない(40.9%)
④中学生がキスする事について
 男(してもよい55.9%)        女(してもよい64.7%)
  (すべきでない9.9%)         (すべきでない3.9%)
  (どちらとも言えない30.5%) (どちらとも言えない22.8%)

 2時間を掛けて集計が終わり、他の保健委員は帰って行った。千宙と七海は、まとめた物を片平先生に提出した。結果をしばらく眺めていた先生は、
「予想通りの結果が出てるわね。御苦労様でした。あとは私が分析と解説を入れれば終わりね。これを興味本位で終わらせないようにしないと、意味ないからね。」
 片平先生は独り言のようにつぶやいて、二人に向き直った。
「ところで、あなたたちはどうなの?」
「どうって?」と千宙は訊き返した。
「お付き合いは順調なの?」
「そんな私たちは、そんな関係じゃないですよ!」と七海が答えた。
「随分仲が良いから。違うんだ。そう思っただけだから気にしないでね。」

 二人で校門を出て、帰り道を歩いた。
「ねえ、さっきの先生の言葉、気になるよね。」と私が問い掛けると、
「別に気にしなくていいんじゃない?」と彼はさっと受け流した。
「私たちは付き合っていることになるのかな?」
「そう言えば、梅枝はアンケートにどう応えたの?質問①だけど。」
 私は少しためらったが、正直に答えた。
「交際したことがあるにしたよ。現在進行中だけど、一緒に学校に通ってるし、これから一緒に勉強する予定だから。私たち、付き合ってるんだよね!」
「ああ、いいんじゃないかな。」
「立松はどう応えたのか、教えてよ!」と訊くと、彼は「内緒だよ」と言ってごまかした。私が鞄で腰の辺りを殴ると、彼が駆け出したので後を追いかけて行った。 岐路になる橋の手前で追いつき、さっきの話はうやむやになっていた。
「試験勉強だけど、いつにする?」と千宙が訊いてきた。
「試験が月曜からだから、その前の土曜か日曜はどう?で、どこでする?」
「よし!それじゃあ、土曜日の午後に俺の家に来る?」

 「一緒に勉強する」「家に行く」、アンケートの交際内容を二つクリアする事になる。彼はアンケートの回答をごまかしていたけど、本当はどうなのか気になる。私だけその気になって、正直に言ってしまったのが恥ずかしいと思った。
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