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本人不在の緊急会議
しおりを挟む休憩が終わり、次は各々の武器を使って素振りを始める。私は剣を使って素振りをする。もちろん弓を使って的に当てる人も居れば、暗器を使う人もいる。皆が皆、剣術に秀でているわけではない。
多分、剣を扱っていない人でもこの騎士団の皆ならある程度は使えそうなのが想像できる。悔しいけど。
その後組手をしたり、魔法を練習したり、ひたすら訓練に明け暮れた。
「ナオ、もう帰る時間だぞ。久しぶりなのにそんなに身体を酷使して大丈夫なのか?」
時間を気にすることなく夢中になっていると、後ろからクレマさんの心配するような声が聞こえて来た。
「え!もうそんな時間!でも、思ってたよりも動けたかな。全然大丈夫みたい。」
気が付けば周りの団員達も帰っている人達がチラホラ。
2人仲良く並んで帰路につく。
「今日はご飯を食べて帰ろう。ナオ、何が食べたい?」
「ん~僕は何でも。あ、でもお腹空いてるからいっぱい食べられるところが良いかも!」
「ふっ、そうか。なら、いいところがある。」
私の答えに満足そうな顔をしたクレマさんは私の手を引く。
ふふふ、久しぶりのクレマさんとのデートだ。
オシャレなところではないけど、楽しいから十分だ。
実は学園行く前は良くしてたんだけど、今は合う時間がなくて一緒に帰るのがやっとだった。
そして、私が帰った後騎士団の詰所では―――――
「ナオちゃん、ちょっと元気なかったな…」
「確かに、でも相変わらず訓練続けているみたいだったな。」
「あぁ!問題なくついて来てたし、さすがだよな~一人になってもキツイ訓練続けられるって相当意思が強いよな。」
各々が今日のナオについて語りつくしていた。
「それより、聞いたか?ナオちゃん、学園で媚薬まがいなものを盛られたって。」
「あぁ?ほんとなのか!?そんなの、社会的に殺すしかねぇじゃねぇか。」
「俺たちのナオちゃんになんてことを!?」
「副団長!!今こそ俺たちの権力を使うべきです!」
「マイエンジェルが薬を盛られたあげく、学園を休むほど心を痛めて…そんな時私たちは何をしていた!?呑気に訓練なんてしている場合ではない!今こそ世に知らしめるべきだ!我らのマイエンジェルに手を出すとはどういうことかを!!!!」
手が付けられないほどに盛り上がってしまっていた。
もはや、当の本人を取り残していく勢いだ。
「すぐに団長へ伝えた方が良いんじゃ…」
「ばっか、お前ノープランで言ったら団長が一人でどうにかしてしまでしょう!まずは私達で綿密に計画を立てて、団長がゴーサインを出さずには居られない内容を考えなければ。」
俄然やる気に満ち溢れているロマンを中心に騎士団全体が久しぶりに一致団結した瞬間だった。
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