100 / 124
私の居場所
しおりを挟むクレマさんに強制的に夢へと誘われた私は、次の日の朝まで目覚めなかった。単純に疲れてただけだと思うけど。
起きたときにはもう媚薬の効果は切れてたみたいで、身体に異常は見られなかった。
次の日は学園に行かず、騎士団に詰所に顔を出す予定。本当は学園に行くつもりだったけど、クレマさんに猛反対されて互いの最大限の譲歩で騎士団の詰所になった。
久しぶりって訳でもないけど、皆と一緒に訓練するのは楽しみだ。
「ナオ、準備はできたか?」
「うん!バッチリ!」
もちろんクレマさんと一緒に出勤だ。
クレマさんの瞬間移動で、着いたのは訓練場。もう皆集まっており、各自でストレッチなどの準備体操をしている。
「ナオちゃん!久しぶり!」
「おっ、今日はナオちゃんも一緒か。これはやる気出るな。」
「ッ!!マイエンジェルぅぅぅぅぅぅぅ!!はぁぁぁ、ナオちゃんの顔を拝めるなんて、今日は私の命日かもしれない…」
「はいはい、じゃあ静かにお引き取り下さい。」
うん、皆それぞれの表現方法で歓迎してくれているみたい。
ジーリオの、いや騎士団全体のロマンさんに対する態度が年々酷くなってる気がするのは私だけ?仮にも副団長であることを忘れそうになる。
「今日はよろしくお願いします!」
よし、今日は何も考えずにひたすら自分を高めることだけを考えよう。
「じゃあ、周回50周。」
そこから、鬼の様なトレーニングが続き……
「トレーニングはここまで。10分休憩。」
一応、訓練の指揮官であるロマンさんの掛け声で本日初めての休憩にある付ける。
「ふぅ~」
久しぶりだと、きっつい!
「ナオちゃん大丈夫?だいぶ、キツそうだけど。」
「ジーリオこそ。僕はまだまだいけるよ!」
本心ではないが、ジーリオにおちょくり半分に言われたら強気で返してしまうのは仕方ない。私も負けじとニヤリ顔で返す。
「言うねぇ~まぁ、サボってなかったみたいで安心したよ。」
「むぅ!ここに来てないからって訓練をサボったりしないもん!」
「そうだそうだ!ジーリオ、酷すぎるんじゃないか?」
「ナオちゃんが優しいからって何でも言っていい訳じゃねぇぞ!」
私の反論に乗じて、ここぞとばかりにジーリオをイジル皆はまだまだ元気そうだ。
うん、私もまだまだだな。学園のときの訓練内容、もうちょっと増やした方がいいな。
此処でのやり取りが、ナオの魂に火をつけたとは夢にも思わない騎士団の面々だった。
応援ありがとうございます!
3
お気に入りに追加
812
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる