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従者の役割⑵
しおりを挟む「ふん、天下のサムソン家は逃げるのか。天下と言えどもそこまででもないんだな。」
ほらほら、アホな貴族が噛みついて来る。それに対してシガンたんは特に気にする様子もない。
でも、護衛騎士(いちオタク)としての俺が許さない。
「シガン様、従者の私を気にかけて頂きありがとうございます。しかし、私はサムソン家の護衛騎士です。誰が相手でもシガン様の護衛を怠ることはございませんので…どうか、この愚かな護衛に模擬戦をする資格をいただけませんでしょうか。」
貴族の従者がよくしている遜った言葉遣いでシガンたんに話しかける。これで護衛が負けるのを怖がって逃げているのではなく、従者に対する気遣いだと思うはず。
「なんだ、護衛を心配してたんだ。」
「従者をわざわざ気遣うってやっぱり高位は違うのかな。」
ようは印象操作、相手が6歳達だから容易に信じてくれているようで安心した。
「……分かった。ケガしないように。絶対。」
ブスッとした表情でしぶしぶそう言ったシガンたんは、拗ねているのに俺の心配をしてくれているのが言葉から感じて…ジワジワ胸の奥が温かくなる。
「(ふふ、そんなこと言われたら意地でもケガ出来ないじゃん)御意に。」
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