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俺はオコです!⑴
しおりを挟む「サムソン=シガン!今日こそは」
「ベル?今日もケガはしないでね?」
訓練場へ着いて早々にシガンたんに喧嘩を売るのはチュリア=ジーリア。そんな奴の声など聞こえていないかの如く華麗にスルーするシガンたん、素敵。
俺もシガンたんに従って、視界に入れることなく会話を続ける。
「シガン様に心配してくださるのなら少しばかりのケガは…と考えてしまいますが、サムソン家に泥を塗る訳にはい
きませんからね。かすり傷一つ付かないようにいたします。」
「この俺を無視するんじゃない!」
「この俺とはどの俺だ?」
「で、殿下っ!いえ、それはその…」
皇子に言われたら何も言えないわな。さっきまでの勢いはどこへやら、しょぼんとなっているが誰も慰めようとしないのは日ごろの行いのせいだろうか。
「ふむ、皆集まったな。それでは体術の授業を始める。」
教師のその一言で始まった授業はいつも通り、俺たち従者同士の模擬戦からだ。
今日は俺の指名はなく、他の家の人たちが戦っていた。さすが名だたる貴族が集まっているだけあって、従者のレベルも高く、見どころの多い試合になっている。
俺が出ないことに安心したのか、ホワッと表情を崩すシガンたんが可愛い。
「やめ!」
決着がついたみたいだ。生徒たちは試合の内容など興味はなく、どちらが勝つのかのみが重要みたいだ。
そんなこんなで授業が始まるかと思ったら、チュリア=ジーリアが手を上げる。
「先生!チュリア家はサムソン家の護衛騎士、ベルデに模擬戦を申し込みたい!」
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