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パーティー終演⑴
しおりを挟む楽しい二人だけの時間が続くはずもなく…
「あー!ベルデさんここにいたんですね!」
「あぁ、シガンも居た。主役がこんな所に居ては面白くないぞ。」
二人でダンスを踊っていると野次が入る。
「はぁ…なんでここが分かったんですか。」
本当どこから嗅ぎ付けてきたのやら。
どこにもいそうになかったので探し回りました。そう言って笑顔を向けるのはエディ。そっか、エディは公爵家だった。そりゃパーティーに招待されてるか。見かけないから来てないのかと思った。(シガンによる鉄壁と言う名の妨害あり)
「さ!みんなで会場に戻りましょう!」
そんなエディに連れられて、着いて来ただけの殿下も含めて四人で会場に戻る。
俺が思っていたよりも随分長い時間踊っていたらしい。
柄にもなくこの楽しい時間がずっと続けばいいのにって思ってしまった。
「やっと戻って来たか。主役がいつの間にか消えてるんだ、さすがサムソン家の跡取りだ。」
そう言って笑い飛ばす当主様、器が広い。
「そうねぇ、シガンったら青春してるわね。ふふふ、しっかり楽しんでこられたかしら?」
そう言って微笑む夫人、フワフワしすぎて飛んでいっちゃいそう。
「ご迷惑おかけしました。…楽しませて頂きました。会場を押し付ける方になってしまい申し訳ないです。」
「あらあら、いいのよ。たまにはシガンも息抜きをしないと疲れちゃうわよ。それにその相手は、ベルデが良いんだろうしねぇ。」
「ちょっ、お母様!」
「あらあら、私ったら。ごめんなさいねぇ。」
こんなに、1ミリも申し訳なさの感じない謝罪初めて見た。
そんな締まりのない空気で終わったシガンたんのお誕生日パーティー。振り返れば濃い一日だったと思う。
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