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第1章

団長の想い

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「これ以上好きかっていうのはやめて貰おうか。」

「団長…?」

「ナーシィ、俺が魔術師団にスカウトしたばかりに辛い思いをさせてしまったのか。気づいてやれなくてすまない。」

「団長のせいじゃないです…」

「ナーシィ、それとそこの王太子もよく聞くと言い。俺はナーシィが強いからいて欲しいんじゃない。俺はどうしもナーシィと少しでも一緒に痛くて魔術師団に誘ったんだ。こんな時に言うことじゃないとは思うが、ナーシィを取られると元も子もないからな。」

団長はそこまで言うといったん言葉を切って私の方を向く。

「ナーシィ、俺は君のことが好きだ。揺るぎない強さと美しさ、どんな場合でも誰も攻めようとしない心優しさ、加えてその底抜けに明るいところが愛おしくて堪らない。」

「今かよ…」

団長が私を好き?思ってもなかった内容を理解した瞬間カァッと顔に熱が集まる。騎士団長のツッコみが聞こえた気がするがそれどころじゃない。

団長は私の頬に手を添えると熱のこもった目で私を見つめる。

「ナーシィ、いきなり言われて戸惑うと思う。返事はいくらでも待つ。だから、俺のこと意識して俺のことを考えて?」

優しく、甘い微笑みを浮かべてそんなこと言われて、知らない間に私はコクコクと頷いていた。

「今のところに居づらかったら無理に居ようとしなくても大丈夫。もともとは俺が無理やり誘ったんだし、やりたいことを探してやりたい事をしたらいい。だから、一緒に帰ろう?」

団長が私のことを思ってくれていることは素直に嬉しい。でも、私の出自を知ってもその気持ちは揺るがない?信じてもいいの?



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