【完結】どんな君でも君が好き~最強魔術師溺愛に溺れる∼

抹茶らて

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第1章

ナーシィの…⑵

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ドアを開けるとそこにいたのは何の曇りもない屈託のない笑顔をした青年が郵便物を持ってそこに立っていた。今の親に引き取られて以来初めて接した外の人。

「ここにサイン貰ってもいいですか?」

「はい!」

私は憎しみの籠った顔や無関心の顔しか向けられることがなかったから、嬉しくなって満面の笑みでサインをして荷物を受け取った。

両親がおらず、なおかつ郵便物が届く時には必ず彼と関わるようになった。初めは業務的なことばかりだったが、いつからか世間話をするほどの間柄になった。

人を殺しても何も思わなくなった私が唯一人間になれる時間。これからの人生をも諦めていた私が得た大切な私の時間。そんなささやかな時間すら両親が許してくれるはずもないことは分かっていたはずなのに…

「ナーシィ、お前最近仲良くしている奴がいるようだな。」

「お父様…それは」

「別に咎めたりしない。仕事が問題なく出来ていればな。」

なぜ、わざわざ会話に出しておいて咎めないのか。父親の奇妙な行動を理解した時にはもう手遅れだった。
父親とそんな会話をした日の夜、依頼をするため町に出た。いつも通りターゲットの家へ入り込み寝ているところに魔法をかける。顔を囲んで周囲の空気をなくす。

そこに…

「何してるんだ!!」

ターゲットが寝ている部屋に勢いよく入ってくる人影。聞いたことのある声に目を凝らすといつも郵便物を届けに来る彼だった。

その瞬間私は絶望した。ここで彼を見逃しても家の者に殺されるだけだろう。殺しをする所を見られてはいけない。証拠隠滅のため殺すのみ。

私に彼を殺せるのか…?

「ば、化け物!!なんで姉さんを!!」

そうか、化け物か。

「ごめんなさい。私はあなたとの時間が幸せだった。」

そう呟きながら彼の首に一振り―――……



冷たくなりつつある彼の頬に触れる。

「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。私が、私が関わったばかりに…」

「私にはささやかな願いすら持つことは許されないのね。」

いや、それは違う。否だ。私の手は汚れている。でも、どうせ汚すならもう罪のない人が亡くならないようにしよう。私の命を懸けて。

「どうなってもいい。私が殺してやる…」

そのまま屋敷に帰って、両親に手を掛けた。
腐っても育ての親。でも、私には情なんてない。自分が両親だった人に従って人殺しをしたと言う事実は正当化できない。ただ、これからの犠牲者を出さないよう願って…


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