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第2章
令嬢は…
しおりを挟む令嬢がお花を摘みにいかれる時、女性と言うことで私が護衛に付くことになった。
ただただ無言で廊下を歩く。
「ねぇあなた…ちょっといいかしら?」
「はい、何か御用でしょうか。」
ご令嬢に呼ばれ、用を伺う。ステファニア様は手に持っていた扇を広げ口元を隠しながら問うた。
「あなた女性よね。なんで騎士なんかに?」
令嬢の目が吊り上がっているから睨まれている様に見えなくもない。が、気のせいだと思うようにする。いや、思いたい。
どういうことだろう?女性は騎士になったらダメってこと?私はやりたくてやっていることだし…
それに騎士なんかって“なんか”って何?これは私たちの仕事を見下しているのかな。それとも言葉の綾?
なんにせよ私はあくまで護衛をする近衛隊に過ぎないから口は出せない。
「ステファニア侯爵令嬢、申し訳ありません。ご質問の意図が見えません。ですが、私は魔術師団の一員として誇りを持っているのだけは確かです。それ以外はお答えしかねます。」
私なりの精一杯の答え。なんの意味があっての質問は分からないけど今の仕事を貶されるのだけは嫌だったから…それに貴族、特に王族は四六時中命を狙われるため私たちの仕事なくしては生きていけない。それを理解した上での発言なら相当残念なお方だ。
「あら、ご気分を害されたならごめんなさい。ただの好奇心ですわ。」
「左様でございますか。出過ぎた真似をいたしました。」
「いえ、では行きましょう。」
「はい。」
令嬢は扇を畳みながら歩き始めた。
ほんとになんだったんだろう。会話の意図が読めないし、敵意があっての発言か本当にただの好奇心なのか…
王妃になるであろうお方だから変なこと考えてないといいんだけど…
扇で口元を隠されると何を考えているのか見当もつかないから怖いな。貴婦人の嗜みらしいけど。
何もなく終われとは思ったけどこんなに不穏な感じを残したままはちょっとやだな。嵐の前の静けさのような感じがしてならない。
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