【完結】どんな君でも君が好き~最強魔術師溺愛に溺れる∼

第２章

ステファニア令嬢サイド⑵

なんでこんなことになっているの？今日私は王妃になる日なのに。

でも、殿下はあの女を大事にしているようだから、あの女に命令されたことにすればいいのだわ。それで、事が収まればまた排除すればいいのだわ。

「あぁ、殿下…私は何もしておりませんわ。あれはあの者にそう振る舞えと脅されていたのです。私もしたくなかったのですが…拒否できず仕方なく…」

そう涙ながらに行った私を一目見ることなく無表情でどこかへ視線を這わせる。すると、先ほどとは違った場面が映し出される。

映像よりも、どうして私の方を見てくれないのか…どうしてあの笑顔を見せてくれないのか…なぜ言葉を交わしてくれないのか…どうして…私はこんなに好きなのに…

貴方と婚約するために淑女の厳しい教育も受け、努力したのに…淑女よりもあの女が良いというの？そんなの許さない、私は許さない！

「いや、嘘…嘘よ。私じゃないわ。ねぇ、殿下信じてくださいまし。」

でも、あくまで淑女の振る舞いを忘れず懇願する。

「お前は俺を…俺たちを本気で怒らせた。言ったはずだ…本当のこと言うなら今だ。真実が分かればそれ相応の罰が下ると…この者を地下牢へ連れて行け！」

私の手を振り払った殿下は残酷にも牢へ連れて行けと言う。その言葉に無礼にも近づき、触れてこようとした騎士たちを話そうと大きな声を出すが誰も私を助けてくれない。

「何よそれ!!…いやっ！離しなさいよ！私は王妃になるのよ。私に許可なく触れるなんて無礼な！」

どうして、なんで私の言うことを聞いてくれないのよ！今日は私の記念日になる日なのよ!!こんなことがあっていいはずがない!

そのまま引きずられて地下牢へ連れて行かれる。罰はおって伝えるとだけ残し、騎士は出て行った。

「どうして…私が何をしたって言うのよ…」

私の言葉は誰にも拾われることなく消えていく。