家族のかたち

yoyo

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ハロウィン

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 とあるカフェで3日間限定でバイトをしていた。ハロウィン期間中は、お客さんが増えるからバイトの増員をしたらしい。


「幸司、そこ片付いたら、もう上がっていいって」
 一緒にバイトをしていた幸也が声をかけて来る。

「おぉ。もう終わる。幸也はこの後予定ある?」

「ううんー。何もない。今日は家に誰もいないから、ぼっちハロウィンだよ」

「じゃあ、夕飯食べに来いよ。今日、父さんが幸也も連れて来いって」

「いいのー?やったー。幸司の家は何かやるの?ハロウィン」



 誕生日やクリスマスなど一般的な行事ごとは、やる事が多かったが、高校生になってからは、男2人でやるのも小っ恥ずかしくて、やる機会は減っていた。まして、ハロウィンは今まで何かやった事はない。まあ、何をするのかも良くはわからない。



「いや……何も聞いてないけど……でも最近父さんが何か怪しいんだよな……」

「サプライズ的な?」

「うーん。今年は勇がいるからなぁ。勇のために何か企画してるのかも……幸也はハロウィンやったことある?」

「ないなー。でもハロウィンって言ったら、仮装でしょ。一緒にやってみる?」



 幸也はニヤニヤしながら聞いてきて、思いっきり顔をしかめた。その時、店長さんがやってきてオレらに声をかける。

「2人とも3日間お疲れ様。助かったよー。2人ともお客受けも良かったし、良かったらまた手伝ってよ。あ、それと、このお菓子良かったら持って行ってー。ちょっとかけちゃってアウトレットだけどー」


 割れたパンプキンや魔女型のクッキーだった。売り物にならないものなのだろう。割れていても、味に変わりはなくありがたく頂戴する。






 幸也と共に家に帰り、玄関を開けると駆け寄ってくる人影がある。黒いマントを羽織り、口にはキバもつけている勇だった。

「とっ…トリック オア トリート!!」
 何てかわいいドラキュラだ。


「あはっ。かわいい、ドラキュラがいるー」

「こわくない…?」
 困り顔のドラキュラになる。

「あははっ。いやっ、こわい、こわい。ねっ幸司」


 父さんのサプライズはこれだったのか……
 一体、この衣装はどうしたものか……


 勇の頭を撫で、お店で貰ったクッキーを渡す。

「これ、あげるからイタズラしないで」

「わぁ。魔女のクッキーだー。幸兄ちゃんありがとう」

「勇くん、このドラキュラはどうしたの?」

「広くんが、これを着たらカッコよくて、こわいドラキュラになれるって、着せてくれた」


 満面の笑みのドラキュラは、恐さはゼロでかわいいしかない。お菓子をあげたのに、オレも幸也もメロメロにやられてしまった。
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