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番外編
番外編・その2〈side セドリック〉
しおりを挟む〈セドリック視点〉
俺は、デイビット殿下と友人関係にあったが、宰相になれる可能性は五分五分といった所だった。
しかし、サーチェス公爵の娘が殿下の婚約者に収まった事で、一気にその可能性はゼロに近くなる。
将来、殿下を支えるべく、適当なポジションは与えられるだろうが、宰相の座は遠退いた。
その事を殿下は何回か「申し訳ないな」と言っていたが、彼のせいじゃない。
俺はデイビット殿下の王族らしからぬ振る舞いも、物言いも好んでいたが、エリザベート嬢は事有る毎に、苦言を呈していた。
つくづく正反対の2人だが、政略結婚などそんなものだ。
それに引き換え、俺の婚約者であるクロエに俺は急速に惹かれていった。
まず、スタイルが良い。顔は少しきつめだが、美人だし、頭も良い。
会話をしていても打てば響く。
そこらのウフフ、オホホの令嬢方とは、どこか違っていた。
デイビット殿下がクロエに好意を持っているのは、直ぐに気づいた。
学園では3人で過ごす事も多かった為、彼の視線がクロエに注がれている事は、側で見ていれば、すぐにわかった。
…クロエは鈍感だから気づいていなかったようだが。
しかし、俺はクロエの気持ちには気づいていなかった。王太子妃の候補から外れた事を特に何とも思っていないようだったからだ。
…殿下が亡くなる、あの事故が起きるまで。
クロエは落ち込んだ。俺の前では、何でもない風に振る舞っていたが、学園で俺の隣の誰も居ない空間を見つめる目が、その悲しみを物語っていた。
…もしかしたらクロエも自分自身、その気持ちに名前を付けられずにいたのかもしれない。
あの事故から、クロエは無意識に馬を怖がっていた。…馬車は大丈夫だが、乗馬を全く出来なくなった。
それが彼女の気持ちの答えだったに違いない。
デイビット殿下が亡くなった事で、アレクセイ殿下が王太子になるのは必然だったが、まさか、エリザベート嬢がそのまま、王太子の婚約者の座に収まるとは、俺も、父も予想していなかった。
父は悔しがったが、俺としては、デイビット殿下が国王にならないのなら、自分のポジションなどどうでも良いと思うようになっていた。
俺は自分が思うよりもデイビット殿下に惚れ込んでいたらしい。
しかし、その考えがアレクセイ殿下が学園に入学して来てから、少しずつ変わっていった。
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