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もうすぐ修学旅行
しおりを挟む私はとりあえず大学を目指す事にした。
将来なりたいものなんて、今のところ思い付かない。
本当にとりあえず目指すのだ。
まぁ、明確な目標がないままの大学進学なんて、よくある話だろう。
ただ、あまり偏差値の高い大学は却下だ。
これ以上自分の首を絞めたくない。
江梨子さんも、卒業後の進路については煩く言ってくる気配はないし、今の成績で行ける大学を探す事にする。
このゲームがエンディング後どうなるかも不透明だし。
それよりも、もうすぐ修学旅行だ。
同級生である、爽太くんや、担任の夏目先生を攻略しているなら、重要なイベントになるだろうが…私には関係ない。
私の目的はただひとつ。先輩にお土産を買う事だけだ。
なので、修学旅行の班分けに爽太くんが居ようと、森田が居ようとどうでも良い。
私の班は私、仲良しの工藤 桃香ちゃん(通称桃りん)図書委員の川野 咲さん(そこまで仲良くない)執事になりそこねた今野 学くん、それと、爽太くんと森田の6人だ。この班で基本、行動する事になる。
「どこ回りたいとか、希望ある?」
班長に任命された森田が、班の皆の顔を見渡して聞いてきた。
私としてはお土産を売っている店さえ行ければ良い。あとは他の人にお任せだ。
皆、ここが良い!あっちが良い!と意見を出しあっている。
森田が書き留めたメモを覗き込む。
こことあっちは距離的に難しくないか?と思ったりするが、口は挟まない。
私は希望の店を伝えると、静観する事に決めた。
「花音は他に行きたい所ないの?」
桃りんが聞いてくる。
「うん。別にないよ。皆に任せる」
「せっかくの修学旅行だぞ?花音も意見だせよ」
…森田よ。私の意見が入ってなくても纏まってないんだから、私の事は気にするなよ…
「大丈夫。私はどこに行っても楽しんでみせるから」
「なんだよ、その謎の自信」
そう言う爽太くんも、たいした意見は言ってない。私と同じでみんなにお任せタイプじゃね?
「まぁいいか。じゃあ、本格的に決めてくぞ。あんまり距離が離れてる場所はどちらかに決めなきゃ、時間までに帰ってこれなくなるな。
ここは民主主義的に多数決かな」
そう言って、少しずつ、行ける箇所を絞っていく。なんだかんだで、やっぱり修学旅行ってテンション上がるよね!
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