お飾り公爵夫人の憂鬱

初瀬 叶

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第183話

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『私がステラ様を愛しているからです』
テオの言葉が私の頭にこだまする。

ただ……言葉の意味が理解できない!!!
え?どういう事??

私の脳内はただいまパニック中。
もちろん言葉を発する事など出来ていない。

「ステラ様……返事をいただけませんか?」

へ、返事?何の?あ~結婚!!私、今結婚を申し込まれたんだ!

「ご、ごめんなさいテオ」

「だ………ダメですか。私では。まだステラ様に不釣り合いでしょうか?」
私の手を握ったまま俯くテオに、

「あ!違う!あの、ごめんって言うのは断ったんじゃなくて……」

「じゃあ……『YES』?」
首を傾げて私を見上げるテオがあざとい。

「いや、そうじゃなくて……。どちらでもないというか……正直な話をしても良い?」


「もちろん」

私は一つ深く息をついてテオの目を見る。

「私……テオの事をそんな風に見た事がないの。……そんな風っていうのは、その……」

「わかっています。ステラ様が私を男として見ていない事は。だから……意識させる為に結婚を申し込んだんです。出来ればもう少しカッコよく決めたかったんですが」
とテオは少し苦笑した。

「意識って……。テオ、私と貴方では年齢が違いすぎるわ」

「父とステラ様だって13も違った。10の歳の差なんて大したことありませんよ」

「確かに私と公爵様には歳の差があったけど、男性の方が上なのは……」

「隣国では、その考えはありませんでした。『男』だとか『女』だとか。能力があれば女性でも領主になれる。ステラ様だって立派に代理を務めたではありませんか。きっと我が国もいずれそう言う風に変化していく」

「でも……」

「私を嫌い……だというなら断って下さい。その時は離縁はしていただかなくて良い。前公爵……夫人として、ステラ様がやりたい事を自由にやって下さって構いません」

「そんな言い方、意地悪だわ」
私がテオを嫌うわけないのに。

「知ってます。こんな言い方をすればステラ様が困るのは。でも私も切羽詰まってるんです。ここでステラ様に断られたら……明日から生きていけない」

「そんな……大袈裟よ。でも、どうして私なんて……」

「『私なんて』?ステラ様は自分の価値をわかっていなさ過ぎです。私は貴女に出会えたから変わる事が出来た」

「貴女は……お母様との……アイリスさんとの関係が悪かったでしょう?きっと私の事を、その……」

「今まで1度もステラ様を母親と思った事はありません。ステラ様が私を……息子として導こうと努力して下さったのは理解していますが、私は違う。ずっと、貴女が好きだった」

私はテオの告白にびっくりしていた。ずっと?私を?
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