12 / 22
「ただいま」と「おかえり」
しおりを挟む
仕事を終えて、帰宅する。
「お帰り~」
千秋くんは先に帰っていた。
「ただいま。いい匂いがする~」
「今、夕飯作ってるとこ。奏さんから預かってたお金で食材買ってきちゃった。
ごめんね。」
「?なんで謝るの?私も食べるご飯でしょ?」
「うん、でもなんか申し訳なくて。だって昨日から俺の為にお金使わせてるし…絶対、仕事決まったら返すからね。」
「だから、気にしなくて良いって。ところで今日は何してたの?」
「役所で手続きして、ハローワーク行った。」
「仕事、良さそうなのあった?」
「何個か気になる所あったから、履歴書書いてみた。」
「履歴書って…」
「うん、この前のガチャで出てきたやつに入ってた。それをそのまま書き写したよ。」
「それって詐欺なんじゃ…」
「詐欺じゃないよ!あのガチャから出てきたって事は俺に必要なもの。多分、あれに書いてた学校は卒業した事になってるよ。言ったでしょ。一種の魔法だって。」
「めちゃくちゃファンタジーだね。」
まぁ、千秋くんの存在自体がファンタジーだけど。
「あんまり深く考えない!考えたら負けだよ。さぁ、ご飯にしようよ。」
「うん。考えたら負けってのは確かにそうだね。じゃあ、ちょっと手を洗って着替えてくるよ。」
私は家でリラックスしたいので、部屋着に着替える人だ。
「うん、じゃあ、ご飯準備しとくね。あ、もう、もなかにはご飯あげたから。」
「ありがとう!すぐ戻ってくるねー」
私は着替えてダイニングへ向かう。
もなかは食事が済んだのか、顔を洗っていた。
美味しい夕飯も終わり、リビングで、2人と一匹でまったりする。
「ねぇ、明日私午後からお休みなんだけど、千秋くんのスマホ買いに行こうよ。」
「え、スマホ?」
「うん。履歴書に電話番号書かなきゃ、困るでしょ?それに、私も連絡取れないと困るし。」
「いいの?実は俺もどうしようかと思ってたんだ。」
「必要な物のガチャに入ってれば良かったのにね。」
「本当だね。俺の念じ方が足りなかったよ。」
その後も2人で取り留めのない話をする。こんな時間、本当に久しぶりだな。
母が病気になってからは、入退院を繰り返してたし、母が亡くなってからは、独り暮らしだったから。
休みの日なんて、1日誰とも喋らない日があったりして、自分の声を聞かない事も多かったのに。
千秋くんは本当に不思議。私の心の壁を易々と越えてしまう。
このまま絆されそうになる。でも、まだ私は男の人に心の全てを預けるのが怖い。また、裏切られるのが怖いのだ。
「お帰り~」
千秋くんは先に帰っていた。
「ただいま。いい匂いがする~」
「今、夕飯作ってるとこ。奏さんから預かってたお金で食材買ってきちゃった。
ごめんね。」
「?なんで謝るの?私も食べるご飯でしょ?」
「うん、でもなんか申し訳なくて。だって昨日から俺の為にお金使わせてるし…絶対、仕事決まったら返すからね。」
「だから、気にしなくて良いって。ところで今日は何してたの?」
「役所で手続きして、ハローワーク行った。」
「仕事、良さそうなのあった?」
「何個か気になる所あったから、履歴書書いてみた。」
「履歴書って…」
「うん、この前のガチャで出てきたやつに入ってた。それをそのまま書き写したよ。」
「それって詐欺なんじゃ…」
「詐欺じゃないよ!あのガチャから出てきたって事は俺に必要なもの。多分、あれに書いてた学校は卒業した事になってるよ。言ったでしょ。一種の魔法だって。」
「めちゃくちゃファンタジーだね。」
まぁ、千秋くんの存在自体がファンタジーだけど。
「あんまり深く考えない!考えたら負けだよ。さぁ、ご飯にしようよ。」
「うん。考えたら負けってのは確かにそうだね。じゃあ、ちょっと手を洗って着替えてくるよ。」
私は家でリラックスしたいので、部屋着に着替える人だ。
「うん、じゃあ、ご飯準備しとくね。あ、もう、もなかにはご飯あげたから。」
「ありがとう!すぐ戻ってくるねー」
私は着替えてダイニングへ向かう。
もなかは食事が済んだのか、顔を洗っていた。
美味しい夕飯も終わり、リビングで、2人と一匹でまったりする。
「ねぇ、明日私午後からお休みなんだけど、千秋くんのスマホ買いに行こうよ。」
「え、スマホ?」
「うん。履歴書に電話番号書かなきゃ、困るでしょ?それに、私も連絡取れないと困るし。」
「いいの?実は俺もどうしようかと思ってたんだ。」
「必要な物のガチャに入ってれば良かったのにね。」
「本当だね。俺の念じ方が足りなかったよ。」
その後も2人で取り留めのない話をする。こんな時間、本当に久しぶりだな。
母が病気になってからは、入退院を繰り返してたし、母が亡くなってからは、独り暮らしだったから。
休みの日なんて、1日誰とも喋らない日があったりして、自分の声を聞かない事も多かったのに。
千秋くんは本当に不思議。私の心の壁を易々と越えてしまう。
このまま絆されそうになる。でも、まだ私は男の人に心の全てを預けるのが怖い。また、裏切られるのが怖いのだ。
9
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
侯爵様、その溺愛は違います!
みおな
恋愛
私、レティシア・ダイアンサス伯爵令嬢は現在岐路に立たされている。
何故か、王太子殿下から執着され、婚約の打診を受けそうになる。
ちなみに家族は、私よりも妹が相応しいと言ってはいるし、私的には喜んで譲ってあげたい。
が!どうにも婚約は避けられなさそうだし、婚約者のチェンジも無理の様子。
そこで私は、苦肉の策に出ることになる。
愛しの第一王子殿下
みつまめ つぼみ
恋愛
公爵令嬢アリシアは15歳。三年前に魔王討伐に出かけたゴルテンファル王国の第一王子クラウス一行の帰りを待ちわびていた。
そして帰ってきたクラウス王子は、仲間の訃報を口にし、それと同時に同行していた聖女との婚姻を告げる。
クラウスとの婚約を破棄されたアリシアは、言い寄ってくる第二王子マティアスの手から逃れようと、国外脱出を図るのだった。
そんなアリシアを手助けするフードを目深に被った旅の戦士エドガー。彼とアリシアの逃避行が、今始まる。
【完結】あなたのいない世界、うふふ。
やまぐちこはる
恋愛
17歳のヨヌク子爵家令嬢アニエラは栗毛に栗色の瞳の穏やかな令嬢だった。近衛騎士で伯爵家三男、かつ騎士爵を賜るトーソルド・ロイリーと幼少から婚約しており、成人とともに政略的な結婚をした。
しかしトーソルドには恋人がおり、結婚式のあと、初夜を迎える前に出たまま戻ることもなく、一人ロイリー騎士爵家を切り盛りするはめになる。
とはいえ、アニエラにはさほどの不満はない。結婚前だって殆ど会うこともなかったのだから。
===========
感想は一件づつ個別のお返事ができなくなっておりますが、有り難く拝読しております。
4万文字ほどの作品で、最終話まで予約投稿済です。お楽しみいただけましたら幸いでございます。
誰にも口外できない方法で父の借金を返済した令嬢にも諦めた幸せは訪れる
しゃーりん
恋愛
伯爵令嬢ジュゼットは、兄から父が背負った借金の金額を聞いて絶望した。
しかも返済期日が迫っており、家族全員が危険な仕事や売られることを覚悟しなければならない。
そんな時、借金を払う代わりに仕事を依頼したいと声をかけられた。
ジュゼットは自分と家族の将来のためにその依頼を受けたが、当然口外できないようなことだった。
その仕事を終えて実家に帰るジュゼットは、もう幸せな結婚は望めないために一人で生きていく決心をしていたけれど求婚してくれる人がいたというお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる