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元彼
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千秋くんと暮らして、もう1ヶ月になる。正直に言って、快適。
朝食とお弁当は千秋くんが作る。夕食は私。
掃除や洗濯も分担してるし、独り暮らしの時より、楽になった。
時間が合えば、一緒に映画を観る。
私は昔の映画を観るのが好きだ。
千秋くんは、どんな事でも一緒にしようとしてくれるし、私が独りになりたい時は、そっとしておいてくれる。
顔も良い、スタイルも良い、性格も良い。…これで好きにならないの無理じゃない?
でも…今まで、どんなに良い人って思っても、ダメンズだったし、何故か上手くいかなくなるし。
下手なことして、この関係が壊れるのが怖い。
歳も私の方が上だし、もっと千秋くんに相応しい人が現れたら、捨てられちゃうじゃないかと思うと…勇気は出ない。
それに…千秋くんもはっきりと
『付き合ってくれ』とか、『好き』とか言ってくれるわけじゃない。
私にとっては『理想のオトコ』ってだけで、私が千秋くんの『理想のオンナ』ってわけじゃないと思うし。
今が心地よすぎて、未来を考えられない。
考えたって答えが出ない!そう私は色んな事を先延ばしにする。
これじゃ、ダメだと言う小さな思いに蓋をした。
その日は千秋くんの仕事がお休みだからと、私の職場まで千秋くんが車で送ってくれた。いつもは私は車通勤だ。
病院で待ち合わせると、色んな人の目もあるので、近くのコンビニの駐車場で待ち合わせ。
仕事が終わりコンビニに向かって歩き出した私に声をかけてくる人がいた。
「佐久間さん。今帰り?今日は車じゃないの?」
聞き覚えのある声。振り返ると、不倫野郎の長野さんだった。
無視…は無理だな。そう思って
「お疲れ様です。今から帰る所です。」
と素っ気なく答える。
「そうなんだ。駐車場通り過ぎたよ?歩き?なら、送ろうか?」
「いえ、大丈夫です。それでは」
そう言って立ち去ろうとするも、まだ食い下がってくる。
「遠慮しなくていいのに」
そう言って笑うが、普通、不倫してた元彼の車に乗る馬鹿いる?
こいつ頭おかしいの?
「ねぇ、佐久間さん。俺の事、着拒してるよね。」
なんでこんな所で、こんな事言うかな?
職場の人が聞いてるかもしれないのに。
私はムカついて言い返しそうになるが、無視する事にした。
言い返したら負けな気がする。
とにかく職場から離れたい。
私は歩き出す。
「なぁ、無視すんなよ。奏。」
…呼び捨てすんな。
「なぁって。俺さ、離婚する事にしたんだよ。」
……だから?…声には出さないけど
「奏、もう1度、やり直そう。やっぱり、俺は奏が良い。」
…やっぱりって何?
色々手を出してみたけどって事?
…無視も限界。
「お断りします。私には長野さんが離婚しようが、どうでもいい。関係ないんで。」
もう少しでコンビニにつく。
この男の事を千秋くんに見られたくない。
クソ不倫野郎は私の後をついてくる。
そうして、急に私の腕をつかむ。
「頼むよ。やり直そう。奏が必要なんだ。」
「離して。もう終わった事だよ。」
私が手を振り払おうとした時。
「ちょっと、手ぇ離してくんないかな?
俺以外が奏さんに触れるとか、ありえないんだけど。」
と言って千秋くんが長野さんの手を掴む。
そして私と長野さんの間に入ってくれた。
「なんだよ、君は。俺は奏に話があるんだ、どいてくれ」
「…呼び捨てしないでくれる?マジでムカつくんだけど。」
「千秋くん、ありがとう。もう帰ろ。その人はもう無視していいから。」
といって私は千秋くんの腕を引く。
「あんたが誰かは知らないけど、奏さんに近づかないで。奏さんは俺のだから。」そう言うと、今度は私に
「じゃあ、奏さん、帰ろ。」
と言ってくれた。
私たちは手を繋いで急いで車へ向かうと、すぐに乗り込んだ。
車を走らせる千秋くんは、何も言わない。
沈黙に耐えられなくなった私が話しかける。
「お迎え、ありがとう。」
「……あれ、誰?」
声が暗い。
「職場に出入りしてる業者の人。」
「…やり直そうって何?」
「昔、ちょっと付き合ってたから。」
「ふーん。」
そう言ったまま、帰りつくまで千秋くんは何も言わなかった。
朝食とお弁当は千秋くんが作る。夕食は私。
掃除や洗濯も分担してるし、独り暮らしの時より、楽になった。
時間が合えば、一緒に映画を観る。
私は昔の映画を観るのが好きだ。
千秋くんは、どんな事でも一緒にしようとしてくれるし、私が独りになりたい時は、そっとしておいてくれる。
顔も良い、スタイルも良い、性格も良い。…これで好きにならないの無理じゃない?
でも…今まで、どんなに良い人って思っても、ダメンズだったし、何故か上手くいかなくなるし。
下手なことして、この関係が壊れるのが怖い。
歳も私の方が上だし、もっと千秋くんに相応しい人が現れたら、捨てられちゃうじゃないかと思うと…勇気は出ない。
それに…千秋くんもはっきりと
『付き合ってくれ』とか、『好き』とか言ってくれるわけじゃない。
私にとっては『理想のオトコ』ってだけで、私が千秋くんの『理想のオンナ』ってわけじゃないと思うし。
今が心地よすぎて、未来を考えられない。
考えたって答えが出ない!そう私は色んな事を先延ばしにする。
これじゃ、ダメだと言う小さな思いに蓋をした。
その日は千秋くんの仕事がお休みだからと、私の職場まで千秋くんが車で送ってくれた。いつもは私は車通勤だ。
病院で待ち合わせると、色んな人の目もあるので、近くのコンビニの駐車場で待ち合わせ。
仕事が終わりコンビニに向かって歩き出した私に声をかけてくる人がいた。
「佐久間さん。今帰り?今日は車じゃないの?」
聞き覚えのある声。振り返ると、不倫野郎の長野さんだった。
無視…は無理だな。そう思って
「お疲れ様です。今から帰る所です。」
と素っ気なく答える。
「そうなんだ。駐車場通り過ぎたよ?歩き?なら、送ろうか?」
「いえ、大丈夫です。それでは」
そう言って立ち去ろうとするも、まだ食い下がってくる。
「遠慮しなくていいのに」
そう言って笑うが、普通、不倫してた元彼の車に乗る馬鹿いる?
こいつ頭おかしいの?
「ねぇ、佐久間さん。俺の事、着拒してるよね。」
なんでこんな所で、こんな事言うかな?
職場の人が聞いてるかもしれないのに。
私はムカついて言い返しそうになるが、無視する事にした。
言い返したら負けな気がする。
とにかく職場から離れたい。
私は歩き出す。
「なぁ、無視すんなよ。奏。」
…呼び捨てすんな。
「なぁって。俺さ、離婚する事にしたんだよ。」
……だから?…声には出さないけど
「奏、もう1度、やり直そう。やっぱり、俺は奏が良い。」
…やっぱりって何?
色々手を出してみたけどって事?
…無視も限界。
「お断りします。私には長野さんが離婚しようが、どうでもいい。関係ないんで。」
もう少しでコンビニにつく。
この男の事を千秋くんに見られたくない。
クソ不倫野郎は私の後をついてくる。
そうして、急に私の腕をつかむ。
「頼むよ。やり直そう。奏が必要なんだ。」
「離して。もう終わった事だよ。」
私が手を振り払おうとした時。
「ちょっと、手ぇ離してくんないかな?
俺以外が奏さんに触れるとか、ありえないんだけど。」
と言って千秋くんが長野さんの手を掴む。
そして私と長野さんの間に入ってくれた。
「なんだよ、君は。俺は奏に話があるんだ、どいてくれ」
「…呼び捨てしないでくれる?マジでムカつくんだけど。」
「千秋くん、ありがとう。もう帰ろ。その人はもう無視していいから。」
といって私は千秋くんの腕を引く。
「あんたが誰かは知らないけど、奏さんに近づかないで。奏さんは俺のだから。」そう言うと、今度は私に
「じゃあ、奏さん、帰ろ。」
と言ってくれた。
私たちは手を繋いで急いで車へ向かうと、すぐに乗り込んだ。
車を走らせる千秋くんは、何も言わない。
沈黙に耐えられなくなった私が話しかける。
「お迎え、ありがとう。」
「……あれ、誰?」
声が暗い。
「職場に出入りしてる業者の人。」
「…やり直そうって何?」
「昔、ちょっと付き合ってたから。」
「ふーん。」
そう言ったまま、帰りつくまで千秋くんは何も言わなかった。
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