理想のオトコ、飼ってます。

初瀬 叶

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ギクシャク

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結局、ちょっとぎこちないまま家に着く。
玄関に入ると、いい匂いがする。

「あれ?夕飯作ってくれたの?」

「…うん。俺、休みだったから。手、空いてる方がやった方が効率的だし。」

明らかに、テンションが低い。
さっきの事、気にしてるのかな。で
も、話を蒸し返すのもなんだし。

「ありがと。じゃあ、着替えてくるね。」

そう言って、私は部屋へ向かう。

もし千秋くんから、あいつの事を聞かれたら、その時は正直に答えよう。

私は自分からは、その話題を持ち出さない事にした。


夕食もその後の時間も、なぜか気まずい。話をしないわけじゃないけど、わざとさっきの事に触れないようにしてる感じ。
千秋くんからは、さっきの事は聞かれない。
なんだか、少し気疲れする。
結局は他人だもんな…そう思ってしまって、悲しくなる。
そう思うと、私は本当に千秋くんと2人のなんでもない日常に、喜びを感じてたんだなって思った。

こうやって、ギスギスすると、やっぱり独りの方が気楽なのかなって思っちゃう。

千秋くんに好きだと言わなくて良かった。
彼氏だったら、この気まずい雰囲気をもて余して、行き着く所は『別離』だったと思うけど、所詮、私達は同居人だ。

多少気まずくたって、干渉しなければ、済む事だ。
そうやってやり過ごす事ができる。私はそう思っていた。
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