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第30話
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「何の事を言っているのか…なんとなくは分かっているつもりよ?私はお飾りの王妃だったものね。確かに、私もそれにずっと拘っていたわ。
そんな私の心を解きほぐして下さったのは他でもない陛下よ。
お陰で私は胸を張って王妃と名乗れているの。
貴女が心配してくれる必要はないの」
と微笑む私に、エリザベート様は怪訝そうな顔で、
「どういう意味……?」
と呟いた。
「貴女は陛下の跡継ぎを心配しているのでしょう?
安心して?私のお腹にはちゃんと新しい命が宿っているわ」
と私が言った途端、今の今まで黙って私達のバトルを見守っていた陛下が、
「クロエ!そ、それは!ど、どう言うことだ?え、クロエ、も、もしかして…」
と立ち上がって狼狽え始めた。…落ち着いて欲しい。
「陛下、落ち着いて下さい」
と言う私の言葉に、
「これが落ち着いていられるか!!…クロエ、君は…妊娠しているんだな?」
と私の手を握る。
「ええ。性別はわかりませんので、跡継ぎ…と言ってしまうのは早計ですが、身籠っております。陛下、私、母親になれるみたいです」
と私が笑顔で答えると、
「あぁ…本当なんだな…何故、いの1番に言ってくれなかったんだ?」
「今朝、診察を受けました。月の物が遅れているだけかもしれませんから、確実に分かる日まで待っていたのです」
「それでも、いくらでも言う機会はあっただろう…」
と少し拗ねた様子の陛下だったが、
「クロエ…ありがとう。本当にありがとう」
と私に礼を述べると、私の前に跪いて私のお腹に耳を付けるように私の腰を抱いた。
「ここに私の子がいるんだな…。なんて不思議なんだ」
と呟いた。
そんな2人の世界に浸っていた私達を現実に引き戻したのは、エリザベート様の声だった。
「どうして、いつもいつも…。どうして?どうして貴女ばかり幸せになるの?!
私はエリザベート・サーチェスよ!私こそ王妃に相応しいの!私こそ幸せになるべきなのよ!!!」
と叫ぶ彼女は、哀れに見える。
しかし、私は攻撃の手を緩める事はしない。
「貴女、さっきから『王妃』『王妃』と言っているけれど、貴女は王妃になれないの。わかる?
貴女が例え陛下と結婚しても『側妃』よ?
しかも、私に跡継ぎが生まれれば…まさしく貴女こそ『お飾りの側妃』よ?
『お飾りの王妃』が嫌で逃げ出したくせに、わざわざ『お飾りの側妃』になるために戻って来たの?
エリザベート・サーチェスのプライドってそんな物なの?
それでも良ければ、お情けで側妃にさせてあげても良いわよ?
貴女、それ、我慢出来る?』
と私は煽る。
彼女の方から断って貰わなくてはならないのだ。
そうでなければ、サーチェス公爵を黙らせる事が出来ない。
そんな私の心を解きほぐして下さったのは他でもない陛下よ。
お陰で私は胸を張って王妃と名乗れているの。
貴女が心配してくれる必要はないの」
と微笑む私に、エリザベート様は怪訝そうな顔で、
「どういう意味……?」
と呟いた。
「貴女は陛下の跡継ぎを心配しているのでしょう?
安心して?私のお腹にはちゃんと新しい命が宿っているわ」
と私が言った途端、今の今まで黙って私達のバトルを見守っていた陛下が、
「クロエ!そ、それは!ど、どう言うことだ?え、クロエ、も、もしかして…」
と立ち上がって狼狽え始めた。…落ち着いて欲しい。
「陛下、落ち着いて下さい」
と言う私の言葉に、
「これが落ち着いていられるか!!…クロエ、君は…妊娠しているんだな?」
と私の手を握る。
「ええ。性別はわかりませんので、跡継ぎ…と言ってしまうのは早計ですが、身籠っております。陛下、私、母親になれるみたいです」
と私が笑顔で答えると、
「あぁ…本当なんだな…何故、いの1番に言ってくれなかったんだ?」
「今朝、診察を受けました。月の物が遅れているだけかもしれませんから、確実に分かる日まで待っていたのです」
「それでも、いくらでも言う機会はあっただろう…」
と少し拗ねた様子の陛下だったが、
「クロエ…ありがとう。本当にありがとう」
と私に礼を述べると、私の前に跪いて私のお腹に耳を付けるように私の腰を抱いた。
「ここに私の子がいるんだな…。なんて不思議なんだ」
と呟いた。
そんな2人の世界に浸っていた私達を現実に引き戻したのは、エリザベート様の声だった。
「どうして、いつもいつも…。どうして?どうして貴女ばかり幸せになるの?!
私はエリザベート・サーチェスよ!私こそ王妃に相応しいの!私こそ幸せになるべきなのよ!!!」
と叫ぶ彼女は、哀れに見える。
しかし、私は攻撃の手を緩める事はしない。
「貴女、さっきから『王妃』『王妃』と言っているけれど、貴女は王妃になれないの。わかる?
貴女が例え陛下と結婚しても『側妃』よ?
しかも、私に跡継ぎが生まれれば…まさしく貴女こそ『お飾りの側妃』よ?
『お飾りの王妃』が嫌で逃げ出したくせに、わざわざ『お飾りの側妃』になるために戻って来たの?
エリザベート・サーチェスのプライドってそんな物なの?
それでも良ければ、お情けで側妃にさせてあげても良いわよ?
貴女、それ、我慢出来る?』
と私は煽る。
彼女の方から断って貰わなくてはならないのだ。
そうでなければ、サーチェス公爵を黙らせる事が出来ない。
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