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第51話
気まずい沈黙が続いた後、レオが小さな声で尋ねた。
「あの……どうしてここに?」
中々直球過ぎる質問に私はつい笑みが溢れた。
「招待されたから……というのが正しいところね。立場上断りづらくて」
私が苦笑すると、レオはほんの少しだけ肩の力を抜いた。
「なら……そういう目的ではなくて?」
レオが警戒していた理由が分かって、私はますますおかしくなって笑った。
「ああ!あなた、それでカチコチだったのね。私があなたを襲うって?大丈夫。そんなつもりはないわ。最低三時間はここで過ごさなきゃいけないって聞いて絶望していたところよ」
「絶望……フフッ、フフフッ」
レオは私の答えに口元を隠しながら抑えたように笑った。
「おかしい?」
「ここには……色んな人が来ますが、皆男を探しに来ているのだと思っていました」
「はっきりと言うのね」
「す、すみません」
レオはまた畏まったように俯いた。
「いいのよ。私もさっきフリオに聞いてそう思っていた所だから」
そう言った私の視線の先には、二階の部屋へ先ほどのご婦人と入っていくフリオの姿があった。
「生きていく為に……仕方ない人もいます」
私と同じようにフリオの姿を追っていたレオがそう言った。
「あなたも?」
「俺は……女性の相手なんて出来ないけど、ボーイならって思って勤めたんです。お金が欲しくて。でもまさかボーイまでそのターゲットになってるとは思ってなくて……」
「今までは?」
私が尋ねると、レオは私に視線を戻した。フリオの姿はもう部屋の中へと消えた。あの部屋の中で行われることは秘密。想像は出来るが私もそれを詮索するつもりはない。
「こうしてお客様と話すのは初めてです。ボーイが指名されてるのなんて、見たこと無かったし」
「災難だったわね」
そう微笑んだ私に、レオは小さな声で言った。
「でも貴女で良かったです」
「そう?まぁ、私の目的があなたの体でないことは間違いないから安心して。私、ここでこうして皆を観察して過ごすから、仕事に戻って?」
私がそう言うとレオはゆっくりと首を横に振った。
「貴女を一人にしたら、また別の男がここに来るだけです。フリオさんもそれが分かっていたから、貴女を俺に託したんだと思います」
フリオの考えに私は思い至らなかった。なるほど、彼は彼で私のことを考えていてくれたようだ。
「そうなのね……彼も案外良いところがあるんだ」
「そうですね。俺の名前は中々覚えてくれないですけど」
とレオは笑った。その笑顔がブルーノにそっくりで、私は胸の奥がまたチクリと痛んだのだった。
「あの……どうしてここに?」
中々直球過ぎる質問に私はつい笑みが溢れた。
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私が苦笑すると、レオはほんの少しだけ肩の力を抜いた。
「なら……そういう目的ではなくて?」
レオが警戒していた理由が分かって、私はますますおかしくなって笑った。
「ああ!あなた、それでカチコチだったのね。私があなたを襲うって?大丈夫。そんなつもりはないわ。最低三時間はここで過ごさなきゃいけないって聞いて絶望していたところよ」
「絶望……フフッ、フフフッ」
レオは私の答えに口元を隠しながら抑えたように笑った。
「おかしい?」
「ここには……色んな人が来ますが、皆男を探しに来ているのだと思っていました」
「はっきりと言うのね」
「す、すみません」
レオはまた畏まったように俯いた。
「いいのよ。私もさっきフリオに聞いてそう思っていた所だから」
そう言った私の視線の先には、二階の部屋へ先ほどのご婦人と入っていくフリオの姿があった。
「生きていく為に……仕方ない人もいます」
私と同じようにフリオの姿を追っていたレオがそう言った。
「あなたも?」
「俺は……女性の相手なんて出来ないけど、ボーイならって思って勤めたんです。お金が欲しくて。でもまさかボーイまでそのターゲットになってるとは思ってなくて……」
「今までは?」
私が尋ねると、レオは私に視線を戻した。フリオの姿はもう部屋の中へと消えた。あの部屋の中で行われることは秘密。想像は出来るが私もそれを詮索するつもりはない。
「こうしてお客様と話すのは初めてです。ボーイが指名されてるのなんて、見たこと無かったし」
「災難だったわね」
そう微笑んだ私に、レオは小さな声で言った。
「でも貴女で良かったです」
「そう?まぁ、私の目的があなたの体でないことは間違いないから安心して。私、ここでこうして皆を観察して過ごすから、仕事に戻って?」
私がそう言うとレオはゆっくりと首を横に振った。
「貴女を一人にしたら、また別の男がここに来るだけです。フリオさんもそれが分かっていたから、貴女を俺に託したんだと思います」
フリオの考えに私は思い至らなかった。なるほど、彼は彼で私のことを考えていてくれたようだ。
「そうなのね……彼も案外良いところがあるんだ」
「そうですね。俺の名前は中々覚えてくれないですけど」
とレオは笑った。その笑顔がブルーノにそっくりで、私は胸の奥がまたチクリと痛んだのだった。
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